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2005年02月15日(火) バナナ女

「じょりぃさん、ホントにごめんなー」
と、とある会社の営業さんに謝られながら、ワタシは彼の運転する車の助手席にちんまりと座っておりました。
やっすい仕事にかり出されているところです。
しかも遠くまで。

この営業さんの会社で待ち合わせしたんですが、そこに着くまでにそもそも1時間半かかって、そこからさらに30分。
安い仕事のためにと思うと虚しさもひとしおですが、彼にはいつも大変お世話になっております。

「とんでもないですよー」
とにっこり微笑むじょりぃ。
この借りはきっと3倍返しくらいで返してくださるでしょうこの人ならば。
っていうか、ワタシが既にもう3倍くらいの借りをつくっている気がするので文句など言えるはずもありません。

お客様の会社に到着し、いそいそと打ち合わせ用のテーブルへ。
値切りに値切ったその担当者は女性という話なのですが。
今まではその人が、わからないながらもなんとか自分でやってしのいでいた仕事を、手がいっぱいになってきてしまったのでプロにお任せしたい、ということでアタクシがここに来ることになったのです。

どんな気難しそうなオンナが出てくるのかしら。

あ、ドアが開きました。


「遠いところまで、どうも申し訳ありませーん」

と現れたその担当者ったら。


超☆か☆わ☆い☆い!!!!!!!


自分の瞳孔が拡大したのがわかりました。



めろめろ〜〜〜ん。



じょりぃ、腑抜けに。


やわらかいウェーブのかかったセミロングの栗色の髪。
スレンダーなスタイル。
瀬戸朝香とか上原さくらから、ぼってり肉厚感を削ぎ落としたような顔立ち。
白くてきれいな肌。


超好み。
どうしよう。
って、別にどうもしないんですが。


話してみたら、さっぱりしてざっくばらんで、性格もナイス。
おそらくダテではないかと思われる、変わった形のインテリ風メガネをかけていたんですが、それでもキレイ度は落ちることなく。
ていうか、メガネなかったら、この人かわいすぎちゃって仕事に支障をきたすのではないか、という感じですよもう。
ワタシ、メガネっ娘は苦手なはずなのになぁ。


打ち合わせの途中、足りない資料を取りに彼女が席を外したスキを見て、ワタシは同行の営業サンに興奮しつつ言いました。

「ちょっと! かわいいじゃないですかっ。あの子ったら!」
「え? ああ。 そうかもね」

なに?その歯切れの悪いリアクション。
ワタシに気をつかわなくていいの! <たぶんそう。きっとそう。
一緒に「かわいーよねー」って話がしたいんだから、もっと盛り上がりましょうよう。


打ち合わせも進み、最後の最後で瀬戸さん(仮名)、
「あのー・・・量を減らしておいたので、このあいだの見積より安くしていただけますよ・・・ね?」にこっ☆(小首を傾げながら)

さらに値切る気ですか?(°▽°)
そもそも安すぎるんですよ?


「んー・・・そもそもの金額がさー・・・」と、ワタシに気兼ねして話し始めた営業さんと一緒にワタシが発してしまった答は

「安くしますよ」 にこっ



え?   という顔でワタシを見たのは同行の営業サンであります。

瀬戸さんは「ホントに?」とたいへん嬉しそうです。


あなたが嬉しいのは、ワタシのおかげなんですよ瀬戸さん?にこにこにこにこ。



こんなワタシはよく「じょりぃが男だったら悪いホステスか詐欺に騙されて、身ぐるみ剥がされているだろう」と言われます。

余計な心配しなくても大丈夫なのにー。
オンナのままだって、このようにちゃんと騙されてるんですから。




家に帰りまして。
夕飯の支度をしているきょんに、「今打ち合わせしてきた担当者が、すごーーーーーーくかわいかったーー」と、でれでれとご報告。
瀬戸さんに対する上記の賞賛を、そっくりお伝えしましたら
「へえ。よかったね」ときょん。
そのあと低い声でもう一言

「でもそんなにかわいいなんてさー。 おもしろくねーなーなんか」

マズイ。

が、これは「じょりぃが他のオンナに懸想した」のが気に入らないわけではないのですよ。
単に、自分以外のオンナがかわいいのが気に入らないんです。たいした顔でもないくせに。<な、な、ナイショにしてください。

「もちろん、きょんのほうがかわいいよー」

思いっきりしらじらしいです。我ながら助走して体当たりする勢いのツッコミを入れたくなります。
だって比べモノにならないくらい、瀬戸さんのほうがかわいいですし。
オマケにワタシの言い方が、またわざわざしらじらしくしているんじゃないかと思うくらいしらじらしかったんですが、きょんは

「そーお?」

・・・ゴキゲンが直りました。  
ワタシもアホみたいですが、きょんも相当アホです。<な、な、ナイショにしてください。


「チョコビス、つくってあるよ」と、思いだしたように、きょん。
「え! ホント? ありがとーーー」

ワタシがかわいこちゃんを見て浮かれている間に、どうもありがとうございます。


にこにこしながら、台所にあったバナナを目にしたじょりぃ。
ふと思いついて

「ねえねえ。今度チョコビスつくるときはさー、バナナも入れてみてくれない? おいしそうじゃない?」ときょんに提案。
「バナナ?」
「うん」
「いいよ」

わあい。
次回はバナナ入りチョコビスです。



そのあと夕飯を食べまして。
少し時間を置いてから、デザートタイム。チョコビスです。

いただきまーす。 あむあむ むぐむぐ。



おや?


この味は。



「バナナが入ってる!」 じょりぃ、びっくり。
「ふふふ」
「既に入ってたんだー」
「ふふふふふ」
「おいしいねー」
「ふふふふふふふふ」


やられた。




でも。


バナナが入らないほうがおいしかったな。

という正直な感想は言えませんでした。
うっかりキゲンを損ねて、ついでに瀬戸さんのことにまで怒りの矛先が向いてしまったらめんどくさいですからね('-^v)



こんな一連の流れがあったおかげで、「瀬戸さんかわいかったなー」と瀬戸さんの顔を思い出すたびに、なぜかバナナの香りが。


明日の朝にはもう瀬戸さんの顔も印象も忘れているでしょうから、瀬戸さんは最終的にワタシの中で「バナナ女」として記憶に残るんじゃないかと思います。


あー楽しかった。軽薄な1日。 バナナデイ。チキータチキータ。


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