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2004年02月09日(月) お姉さま・・・ということでK姫

本日、不思議ちゃんEさんと打ち合わせ中のこと。
入口に近いテーブルで打ち合わせをしておりましたら、自動ドアがすーっと開いて、なにやら美しい人が。

K姫!

元旦にちらっとお会いしてちょろっとお話したきりだったので、随分と久しぶりでございます。
ああ、嬉しい。
こっち見ろ、こっち見ろ、と念じましたら、K姫こちらに気付きまして「にっこり」と。
深々とお辞儀いたしましたら、小さく手を振ってくださいまして。嬉しい。

は。

お年賀をまだ渡していなかった。ていうか、もう2月ですけど。

と気付いたじょりぃは、今日を逃したらチャンスなし、と判断。
なにしろいくつものお仕事を掛け持ちしていらっしゃるK姫のことです、つかまらないのですよ。
というわけで、Eさんに「あの、K姫にお話があるので、ちょっとだけ外していいですか?」とおうかがい。

が。

Eさんは同僚であり先輩であるK姫がキライです。
なぜキライなのかはわかりません。
が、とにかくキライなのです。

「どうぞ」と言ったとき、ちょっと怖かったです。

走って追いかけまして。
角を曲がったところで追いつきました。
ワタシを見ると、「まあ、私のかわいいじょりぃさん」というような顔で微笑んでおります。
ウソです。
ただ微笑んでいただけです。

「今日、すぐにここから帰ってしまわれるんですか?」とワタシ。
「いくつか用事を済まさなければならないから、しばらくはいるけど」
「今さらですが、お年賀をお渡ししたいんです。つかまらないんだもの、K姫」
「(笑)いいのに、そんなこと」
「打ち合わせが終わったら、探しに行ってもいいですか?」
「いいけど。いることはいるけど、館内をあちこちに移動しているわよ」
「携帯鳴らしていいですか」
「いいわよ」
「携帯、ちゃんと持ってますか?」  K姫は不携帯電話なんです。
「持ってるわよ(笑)」
「ちゃんと、音がなるようになってますか? 電源入ってますか?」 <くどい
「たぶん大丈夫。 ・・・・そんなに心配?」
「はい」
「でもこれから打ち合わせなんでしょ? あたし、そんなに長いことはいないわよ」
「え!」 しょんぼり。
「じゃあ、じょりぃさんの時間が大丈夫なら、終わったらあたしの事務所に寄れば?」
「いいんですか?」
「どうぞ」

やったああああああああああ。

時間は大丈夫じゃないけど寄ります。

ワタシのまわりで「わよ」という語尾を日常使いで自然に美しく発するのはK姫だけです。
あ、まりあも言うかも。
でもまりあとはほとんど会話できないので、まあ、K姫だけです。

いいなあ、「わよ」。

Eさんのところに戻ると、ちょっぴりフキゲンモードでした。あらら。
気のせいかな? 気のせいだろう。 気のせいということで。


打ち合わせが終わり、K姫のもとへ。

お年賀渡してすぐに帰ろうと思ったら「お茶くらい飲んでいけば?」と。
わあい。

建物の中にあるK姫のこぢんまりとしたオフィスへ。
お茶を入れてくださるK姫の背中を見るじょりぃ。
なんだかすごくやせちゃった。 激務のせいだなぁ。

「何見てるの?」
「は?」
「座ったら?」
「はい」

ちんまりと座るじょりぃ。

お茶をいただきながら、K姫、「いつものを・・」と言いながらテレビをつけました。

「水戸黄門ですか」 確か前にお邪魔したときも、水戸黄門を一緒に見たような。
「そう」
「好きなんですか」
「うん」

そうですか。水戸黄門ですか。
水戸黄門を嬉しそうに見るK姫。

軽く雑談いたしまして。

「そういえば、パソコン直ったんですか?」
「なんの話?」
「ネットにつながらないっておっしゃって、ふたりで四苦八苦したじゃありませんか」
「ああ(笑)。パソコン、新しいの支給してもらったから。 あ、そういえば、そのことで困ってるのよ」

K姫、いつもより2割り増しでにっこり。

「わ、ワタシじゃわかりませんよう。このあいだだって、何の役にも立てなかったじゃないですか」
「やる前からあきらめちゃダメよ」
そう言ってパソコンを起動するK姫。

なんでも古いパソコンではフツウにできることが、新しいパソコンではできないそうで。
でもワタシ、実はWindowsのことが全然わかりません。
経理処理でしか使っていないので、いつになってもちゃんと覚えられないんです。

でも、K姫がせっかくあてにしてくださっているのに、「できない」で済ますわけにはいきません。
新旧ふたつのパソコンを並べ、いちいち設定を比較していくことに。

じょりぃがちまちまと作業している横から、K姫「そこがちょっと・・・」と手を伸ばしたとたん

がたん。びしゃ。

あ。

お茶こぼしやがりました。K姫。

「やけどだ!」 じょりぃ大袈裟に叫びます。
「やけどはしてないけど。 あららら」

K姫にはたいへんめずらしいうっかりです。
とはいっても、確かふたりで一緒にディズニーシーに行ったときに、この人転んでましたね。
意外とそそっかしいのでしょうか。



そしてそれだけでは済まず。

しばらくして、K姫何かを取りに席を立って歩き始めたと思ったら

「きゃあ!」

パソコンのコードに引っかかって、危うく転びそうに。
というか、転んだといっても良いでしょう。しっかりしてくださいK姫。

「だ、大丈夫ですか?」
「(照笑)」
「お茶こぼしたり転んだり、K姫アブナイ」
「緊張してるのかしら。 じょりぃさんと一緒にいるから」


え? え? ええええええ?

ど、どういう意味ですかK姫。


って、ただのリップサービスですけど。わかってます。わかってるんですが。

ここでいつものじょりぃなら、笑いの取れるようなことをかますはずなんですが、
K姫の発言を意識しすぎてしまい、何も言えずに耳まで赤くなりまして。

カッコ悪いわワタシ。 落ち着け。 どうどう。

細やかな心遣いはいつものことですが、滅多に余計な「サービス」をしないK姫の発言だったので、じょりぃとにかくうわずってしまいまして。

ワタシがパソコンいじっているあいだも、K姫はパソコンでなく、ワタシの顔をぢいいいいいいいっと見つめているんですよ。
で、ディズニーシーに一緒に行ったときもそうだったんですが、ワタシがK姫を見て、目が合っても、そらさないんですよね。

・・・・・顔に何かついていたのかしら。
だとしたらもう、地獄に落ちたい気分ですが。

たぶん、嫌いな人でない限り、いつもそういうスタンスなんでしょうけれど、K姫。
見られる方は緊張しちゃいますよねえ。


パソコンの作業も終わりまして。
帰り支度をしながら、ふとK姫に訊いてみました。

「K姫、少女小説ってお読みになりますか?」

何が訊きたいのかと言えば、「マリア様がみてる」を読んだことがあるかどうかということだったんですが。
ワタシもバカですね。

「少女小説? 読まないけど?」
「そうですか。そうですよね」
「なに?」
「ええと・・・『マリア様がみてる』っていう小説の話をしたかったんです」
「ああ。 マンガでなら読んでるわよ。マーガレットで」

そうでした。
この人の趣味は「少女マンガ読書」でございました。いい年して。
いまだに少女マンガ雑誌を何誌か購読なさっている気合の入りようでございます。

「あ、そうか。マーガレットか」
「それが?」
「ええと、祥子さまを見ると、K姫と似てるなっていうか、重なるな、なんて思ったんです。  それだけ」
「(笑) 嬉しいわ」
「なんかこう、高飛車なところとか」
「高飛車?」
「あ。  ええと、高貴なところとか、たまにやさしいところとか」
「たまにねぇ(笑)。  じゃあ、じょりぃさんが祐巳ちゃん?」


え? え? ええええええ?


また気のきいた返しができずに「はいっ」と元気に頬を染めながら答えるしかできないヘタレじょりぃでありました。


帰り際、「どうもお邪魔しました。ありがとうございました」の後に、思わず「ごきげんよう、お姉さま」と言いたくなったのは言うまでもありません。
しかも明かしてしまえば、K姫の管理しているこの施設、実は教会なんです。
もう、ホントに「マリア様がみてる」わけでございます。
もう、萌えちゃって萌えちゃって、しかたありません。


いい年して、少女小説ごっこして何を浮かれているのやら。<自分
いやでも本当に幸せなひとときでございました。


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