今日も今日とて
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2003年10月28日(火) ありがとう、親

今日、母がカレーをたっぷりと作ってきてくれまして。
きょんは母のつくるカレーが一番好きと言ってくれている上に、現在風邪で体調が悪いためとても喜んでくれました。

で、いつも忙しいワタシを気遣って「お母さんも忙しいから」と言って玄関先で帰ってしまう母なのですが、今日は台所までやってきましてね。

あちゃー。
すんごい洗い物もたまってるし、やばっ。と焦るじょりぃ。
何しろ23歳の時に自立をうながすために家から追い出されたじょりぃだったのですが、そのときの理由が「おまえがいると、家が汚くなる。自分のことがちゃんとできないなら出て行きなさい。そんなことでは人生もたかがしれている」だったのです。
なので、あわあわ。
未だに人生のたかがしれていると思われてしまうわ。

母、「ここだけ片づけちゃうね」と洗い物を始めまして。

「いいよーお母さん。恥ずかしいから。ちゃんとやるからさー」とぺこぺことやめてくれーと伝えてみたものの、「ここだけだから」と、ちゃっちゃと洗い始める母。

「汚くしてて恥ずかしいから、困っちゃうなあ」とワタシが言うと
「キレイにしてるよ。よくやってるよ」と。

あの。

お世辞にもキレイとは言えないというか、キタナイとしか言いようがないんですが。

「じょりぃもきょんさんも働いてて、ここまでできてれば上出来。ちょっと片づければすぐ片づく程度の散らかりなんて、気にしなくてへーき」とまで。

「ちょっと片づければ」という次元を飛び越えていると思うんですが。

実家にいたころは、あんなに「キレイにしなさい!」と鬼ババだったのに。


しかも、たぶん、きょんの肩をもってくれたんじゃないのかな、と。

母は、きょんの悪口や批判を一度も言ったことがないんです。
絶対言いたいところはあると思うんですよね。
母にとってきょんは「うちの息子(じゃないけど)の嫁」みたいなもんじゃないですか。
我が親ながら、エライなあと思います。


で、「今日お母さん来て、台所キレイにしていってくれたよ」ときょんに報告いたしましたら、きょんたらこの世の終わりのような顔をして「台所に入ったの?!」と。
「うん」
ああああああああああああどうしようううううううううう
「わはははははははははは」
「怒ってた?」
「ううん。『キレイにしててエライね』みたいなことを」
「うそ! あの状態見てそう言ったの〜?(笑)」
「うん。イヤミかしら」
「イヤミってことないでしょうけど・・・・でもお母さん、そんな風に言ってくれてありがとうっ」
「あの人も変わったモンだ」
「お母さん、それだけのために来たの?」
「カレー持ってきてくれたよ」
「やったああああああ」
「『きょんさん、具合が悪いのなら、おまえごはんくらい炊いておいてあげなさい』と言われたので、忙しかったけど炊いておいた」
「嬉しい! お母さん、ありがとうっ」


親にカムアウト後は、ワタシ、ホントに人生がラクです。
親と自分との間に壁があるように感じていた30年間だったのですが、カムアウトしてみたら壁をつくっていたのは自分の方だったんだな、随分さびしい思いをさせていたんだろうな、と自覚しました。
そして、恵まれております。感謝しております。

ワタシが「カレー食べたい」と母にリクエストしたおかげで、今日はおそらく父もゴキゲンです。
最近も
「このあいだ、ゴルフの時に『死ぬ前になんでも食べさせてやるって言われたら何を食べるか』っていう話になったんだけどさ。お父さんは『かあちゃんがつくったカレーが一番いいなあ』って答えたんだよ(にこにこ)」
と言ってたくらいですから。
「子供が言うとすぐ作るくせに、私(父の一人称)が頼んでもちっともつくってくれない」としょっちゅう拗ねておりますが。

こんなに年取ってもよそで「お父さんが一番」「かあちゃんが一番」とのろけてるんですから、お見合い結婚も悪くないですね。
なんてことを母にいつだったか言いましたら「お互い相手に恵まれたというのもあるけど、やっぱり努力してそうしている部分もたくさんあるんだよ」と。
一生懸命お互いの関係を盛り上げているんでしょうね。
とにかく小さい頃から「まわりを見ても、お父さんより尊敬できて、いいな、と思える男の人っていないんだよね。お母さんは本当に幸せ」と子供にしゃあしゃあと言ってましたそういえば。
これも努力の一片なんでしょうね。
しゃあしゃあとこういうことを言い放ちながら、離婚騒ぎも何度かありましたけどねえ。子供の頃とか。
そのたびに妹としくしくと泣きながら「離ればなれになっても、ずっと仲良くしていようねっ」と悲劇のヒロインやってたりしたんですが。
今思うと大笑いでございます。


と、今日は感謝を込めて、両親の話をさせていただきました。
15年くらい前なら悪口ばかり書いていそうですけど。
私もオトナになったのでしょうね。


「親へのカミングアウト」の話のリクエストメールもちらほらいただいているのですが、長くなりそうでなかなか手がつけられません。
待っていてくださっている方、どーもすみません。
書きたい気持ちは山盛りなんですが。
カムアウト前の親との確執なんかもきちんと伝えようとすると、なんだか気が遠くなるんですわ。
気長に待っていてくだされば、なんだか良いことが起こるに違いありません。
ということにしておいてください。


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