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2003年09月10日(水) イヤな感じ

先日の「怖くない怖い話」(日記「つきあたり」参照)に影響され、本日は「イヤな感じ」の話を。
かなりひとりよがりな話になりますので、「じょりぃ、笑っちゃう。ははははは」なんて思われてしまいそうですが、まあ、お聞きください。


ワタシは今、一戸建てに住んでおります。
独立するにあたり、中古住宅を購入したのでございます。
それまできょんとマンション暮らしをしていたのですが、事務所用にもう一部屋どこかに借りて、月々払っていくくらいなら、それに相当する金額のローンで不動産として持ってしまった方が良さそうだ、とちまちまと計算した結果でございます。

物件に望むワタシの条件は2つ。

ひとつは、仕事部屋・居間・じょりぃの部屋・きょんの部屋の4部屋が確保できること。
ひとつは、お客が出入りするだろうから、路上駐車しても迷惑にならない道路の広さと環境があること。

これでした。
この条件を満たしていれば、小さくてもボロくてもまあいいや、と思っていたわけです。
ボロくても、自分で修復していく楽しみがあるかもしれませんからね。

そして実は、もうひとつ、不動産屋には伝えられない大切な条件がありました。
それは「イヤな感じがしないこと」。 これです。

不動産屋めぐりと住宅情報誌に頼って、予算と条件にあうところを片っ端から見て回ったのですが。

どうも、どれも「イヤな感じ」がするんですね。
まあ、予算が低すぎたので、向こうも「いつぶち壊してもいいような」物件しか紹介してくれないのですが。
ワタシは年齢よりも子供っぽく見えるので、信用もされていなかったでしょうし。
独身女性というハンディもありましたし。
でも、古くてもボロくても、もちろんイヤな感じのしない家というのはあるわけでございまして。

ワタシは霊感なんてなくて、幽霊を見たこともないんですけれど、「イヤな感じ」には非常にナーバスでございます。
この「ヤバイ。イヤな感じだな」というのは、特に場所・建物・人間に働くのですが。
経験上、そういうものには関わらないのが一番でございます。

そんな物件探しの折、非常に条件に合った物件を見つけまして、近くまで行ってみたのですが、今までになくイヤな感じが。
その物件の場合、家についてはイヤな感じはなかったのですが、家を取り巻く周囲の土地全体がもう、とてつもなくイヤ。

それをきょんに相談しまして。「一緒に行ってみてくれない?」と。
「じょりぃはそういうのに神経質だからなあ。あたしはたぶん、なんにも感じないよ。役に立たないと思う」と言われたのですが、まあドライブがてら頼むよーということで一緒に行ってもらいまして。

家を見るのには、小さな橋を渡らなくてはならないのですが、その橋の手前で車を止め、きょんに「この橋の向こうの、あの2軒目の家なんだけど」と話しましたら。

「橋、渡りたくない」と、きょん。
「気にならないんでしょ?」
「でもイヤだ。 こういうこと?イヤな感じって?」
「うん」
「やめとこうよ」
「あにゃた、日頃ワタシのそういうのバカにしてたのに」
「気のせいだとは思うけど、イヤなものはイヤ」
「わかった」

というわけで、この物件もアウト。
日頃その手のことにはニブイきょんもひるむほどに、その土地の「気」は強かったようで。

弱ったなあと思いながら、また新しい情報誌を購入。
その中に、写真入りで、特に特徴もない一軒家が中古で出ておりまして。
まだ新しいな。でももちろん全然予算オーバー。倍もするやんけ。
無理無理。

と思ったのですが、おっかしな物件ばかり見ていたので、一度このくらいのクラスのものも見ておけば勉強になるかもー、なんて思い、不動産屋に出掛け、中を見せていただくことに。

外観は地味で、たいして魅力的ではなかったのですが。
玄関に入ってみると。

そこには大変良い「気」が。
どの部屋も「ううむ・・・ちょっと」という感じがまったくなく。

これだ!  と思ったじょりぃでありましたが。

お金がない。
予定より贅沢だし。 
どうしよう、と思ったのですが、家とワタシの相性はバッチリだったので、本来なら自分の力だけで何とかしたかったものの、親に相談してみることに。

「とにかく、一度見てみないと」と両親にも言われ、「おばさん二人にも時間合わせてもらうから、おまえも都合つけておいてね」と。

おばさんというのは母の姉ふたりで、ひとりは金持ちで、財産となるべきものに非常に目が利く人。
もうひとりは、ワタシが生まれたときからずーーーっと家族ぐるみでつきあってきた、親同然の人。
日頃からワタシをかわいがってくれているふたりなので、まあ、母もふたりがついていれば安心なのかなと思い、当然のように承諾しまして。

ふたりのおばが「買いでしょう。たとえ高い買い物でも、これは買うべし」と判断を下してくれたおかげで、親からの融資もいただけて無事に我が家となったわけなんですけど。

で、スミマセン。

ここまで、伏線なんです。 あらら。


ここで、親同然のおば、「Sおば」の話になります。

家を購入してから2年ほどたったある日、母と昔の話をしていて、ワタシが何気なく「そういえば、小さい頃にSおばが住んでいたアパートが怖くて怖くて仕方なかったんだー。遊びに行くのが辛かったよ」と話しましたら、母が笑いながら
「そう。  でも、あのアパートは、本当に出たんだよ」と。

「え! ウソ!」
「(笑)」
「特に、2階には上がっていく気になれなかったの。一度行ってみたら、階段の終わったところでもう怖くてさー。それ以来行けなかった」
「おまえはSおばに似てるのかもね。 2階に出たんだよ」
「え!」

以下、母から聞いた話なんですが。


Sおばには、ワタシより1つ上の息子がおりまして。
まだ彼が5〜6歳くらいの頃の話です。

2階の寝室で(といっても、2階には一部屋しかないようなボロいアパートだったのですが)、彼が寝ておりました。
Sおばは、次男と下の階におりまして。

なんだかイヤな感じがして、2階の長男の様子を見に行ってみることに。

階段を上り、2階の床に足をかけたところで子供用のベッドを見やると

長男におおいかぶさるように、髪の長い女がベッドの上に。
長男の顔を、間近でじっと凝視しております。

Sおばが一歩踏み出すと、その女は「きっ」とSおばを睨み、目が合ってしばらくするとすうっといなくなりました。

慌てて長男に駆け寄ると、彼は何事もなかったかのように、すうすうと眠っております。

気のせいだったのかな、とホッとしたものの、気持ちが悪いので長男を起こし、その日は1階に寝かせました。

その後、何事もなかったので、また2階に寝るようになったのですが。

またしてもある日、とてつもなくイヤな感じに襲われて、2階に駆け上がってみると。


またあの女が。

今度も長男におおいかぶさるようにしており、前回と違うのは、その女が長男の首をしめていたことでした。



「それで、どうしたの?」とワタシ。
「家建てて、引っ越すことにしたの」と、母。
「どうやって、そのときにその女を追っ払ったの?」
「わかんない。 聞いたかもしれないけど、忘れちゃった。あんまり話したがらないんだよね、その話」
「怖いよーその話。 じゃ、ワタシがイヤな感じがしてたのは、案外ダテじゃなかったってこと?」
「そうだね。それにあのアパート、そういうのが出たのはSおばの家だけじゃなかったらしいよ」
「ぞわーーーーーー。 そんなもの、感じたくなかったー。気のせいならよかったー」
「でも、その『イヤな感じがわかる』おかげで、随分トクしてることもあるんだよ」
「お母さんもわかるの?」
「Sおばほどじゃないけど、イヤな感じというのはよくわかるよ」

そういえば、ワタシの感じる「イヤな感じ」も、母がよく「ここはイヤだ」などと言うのを聞いているうちに学習したものかもしれません。
家族だけの、ひとりよがりな「イヤな感じ」。
あまり役にたたなそうですが。

「Sおばはね、あんまりこういう言葉は使いたくないけど、霊感が強いみたいね」と母。
「ふうん。 なんか全然そんな風に見えないね。 そんなことおばさんも言ったこともないし」
「だから、おまえが家を買いたいって言ったときも、一緒に行ってもらったんだよ」
「え! そうなの?」
「Sおばが『やめておいたほうがいい』って言ったら、あの家は失格だなと思って」
「そう」

実際は、Sおばが一番乗り気になってくれ、「ムリをしてでも、じょりぃにあの家を与えた方がいい。あの家はいいから」と、両親を熱心に説得してくれたのでした。
「金額の問題じゃない」と。

金額の問題じゃない、なんて言うと、なんだかすごい家みたいに誤解されてしまいそうですが、もちろん、そんなことはないんですよ。あわあわ。
ワタシの予算をはるかに上回っていたので(そもそも予算が笑っちゃうほど低すぎるし)、親に泣きつかなければならない状態、という意味での「金額の問題じゃない」ですから。
じょりぃ、慎ましやかに、小さなほらあなに住む野ウサギのように生活しております。


しかし、そんなSおばの家なんですけど。
ワタシはあの家の玄関周辺が怖くてしかたないのですよ。
イヤな感じがするんです。

これも母にそのときに尋ねてみました。
「そんなことがわかるSおばなのに、どうしてあの家の玄関周辺はイヤな感じなの?」と。
「ああ。おまえもイヤ?(笑)」
「うん。 玄関脇の和室も入りたくない気分。ついでに言えば、玄関に隣接しているお風呂場もイヤ」
「出るのかもね」
「え!」
「あとはおばさんに直接聞いてみたら?」
「お母さん、ワタシをからかっているのではないですよね?」
「(笑)からかわないよそんなことで。でも、おじさん以外、家族みんな見てるらしいよ。それも玄関周辺で」

コワイ。 もう遊びにいけないわ。
と言いつつ、「ごはん食べにおいで」と言われればひょいひょい出掛けていくワタシなんですけどね。

でもだからなのか、あの家は縁側から出入りしているのです。お客でさえも。
ワタシ、あの家の玄関からお邪魔したことないですねそういえば。
小学校に上がる前から遊びに行っているんですけど。
おもしろいものですね。


ちょっと話は変わって。

先日の日記に出てきた宮司に気に入ってもらえたのも、実はこの「気」を察知(していると勘違いを)するじょりぃのクセが幸いいたしまして。

初めて神社にお邪魔したときに、ものすごい「気」の良さを感じたんですね。
それはもう、感動するくらい。
こちらには紹介でうかがって、実はノリ気でない仕事だったのですが、神社の「気」を感じて前向きになったじょりぃ。

宮司とご挨拶して、「生意気なようですが、この神社が持っている『気』の良さに、大変感動しました」とお話しましたら
「じょりぃさん、『気』なんて言葉使うの?」と。
「意味はよくわからないんですが、ワタシにはそれがしっくり来るので」
「実際、この神社はすごーーーく気がいいんですよ。私はよく『気』という言葉を使っているんですけどね」
「そうですか」 
「でも、全部良かった?」
「え?」
「ちょっと気になるところとかは? 正直に言ってみてくれていいんだけど」
「ええと・・・・実は、小高い丘になっているところと、北にある祠のところは、ちょっと行く気になれませんでした。見当違いなこと申し上げていたら恥ずかしいんですが」

正直に言え、と言われると、本当に正直に言ってしまうじょりぃ。

「ふうん・・・・・ここに来たのは、今日が初めて?」
「はい。 不勉強で失礼なんですが、初めてです」
「じょりぃさんが今言ったところはね、実際、うちの中では大変霊力の強いところで、しかも気が良くないんですよ」
「そうなんですか」 びつくりじょりぃ。
「力の強いところで気のいいところもあるんですけど、今じょりぃさんが言ったところは、ちょっといわくがあるところでね。あそこをないがしろにすると、実に良くないんです」
「そういうことがあるんですか」
「じょりぃさんは、霊感強いの?」
「ワタシですか? 皆無ですね(笑)。ただ、自分がイヤな感じのするもの、というのには自分なりに敏感かもしれません」
「おもしろいねえ。じょりぃさん」

というわけでですね。
宮司にすっかり気に入っていただき、その後、この神社はじょりぃの良いお得意さまに。

どうでしょう。
みなさんは「近寄りたくない」という「イヤな感じ」を感じることはありませんか?
自分の感じる「気」というのは、なかなかあなどってはいけないもののようですよ。
感じるからには、何かあるのかもしれません。

とはいえ、なんでもないことでいちいち「あたし霊感あるの!」と大騒ぎする人も多いですから、一概には言えませんけどね。

ていうか、今回の話って「じょりぃ一族、揃って電波」という話だったような気もします。
おそまつさまでございました。
うぃ〜〜〜んうぃ〜〜〜ん <電波発生中の音

それにしても
「見える人」でなくて良かった。ワタシ。


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