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2003年06月25日(水) 虫歯の話のはずが、タマリンの話

虫歯ってイヤですね。
とはいえ、ワタシのは虫歯ではないんですけど。
歯が欠けてしまって、それを治療中でございます。奥歯。
前歯を損傷しても不便なんでしょうけどね。
おまけに前歯損傷は、顔がおマヌケになります。
5年ほど前、友人タマリンの前歯が欠けまして。
正確には、2番目の前歯(これでわかるだろうか)。
タマリンの部下として一緒に仕事をしていた頃のことでございます。

「おはよう」と出勤してきたタマリンの顔が、マヌケ。
かわいい顔がだいなしです。
「歯が」とワタシ。
「欠けちゃったんだよ」とタマリン。あまり気にしていません。
「歯医者に行った方が」
「今日も明日も打ち合わせがつまってるし」
「その顔で打ち合わせするつもりですか」
「しょうがないでしょ」
「すごくアタマが悪そうですけどいいんでしょうか」
「しょうがないでしょ」
「ちなみに今日の打ち合わせはどなたと」
「ド○モ××支社長」
「あなたその顔で行くのマジで」
「しょうがないでしょ」
「交渉決裂とみた」
「いいから、仕事して」
「はい」

なんだかしばらくそのままの顔でいましたね。
ワタシならいたたまれませんけど。あんなマヌケな顔になってしまったら。
「打ち合わせしててもさー、みんなあたしと目を合わせようとしないんだよ」ってあたりまえです。
笑っちゃいますから。うっかり目なんか合わせたら。


タマリンの話が長くなってしまいました。
この人はいろいろとおもしろい話を提供してくれるので、つい。

あ、もうひとつタマリンの話を思い出してしまいました。

タマリン「あたし、動物アレルギーみたいでさー」とかねがね申告していたのですが。
しかも、動物がキライ。コワイらしいんです。自分が小動物のようなナリをしていますから、近親憎悪でしょうか。
なにはともあれ、まだタマリンが独身時代、実家にいた頃の話です。
ある日を境に、鼻ぐしゅぐしゅのくしゃみぶぇっくしょんの目うるうるな症状がタマリンを襲うようになり。
「なんでだろうな」と思い続けて、それでも仕事が忙しくて家に帰るとばたんぐーな生活だったので、気にしていなかったらしいんです(いつも気にしないのよこの人は)。

いつものように鼻をぐしゅぐしゅさせながら「寝よう」とベッドに入ったら

みゃあみゃあみゃあみゃあ

か細い声が。

近所でネコが捨てられちゃったのかな、イヤだなと思ったタマリンは窓を開けて確認。
でも何もいない。

気のせいかなと思ったけど、やはり聞こえるみゃあみゃあみゃあ。

しかも、合唱?

でも眠いから気にしないで寝ようとしたらしいです。

気にしろ。

というワタシの願いが通じたのか、部屋の電気をつけてみるタマリン。
部屋にネコが迷い込んじゃったのかな?
きょろきょろ。
何もいません。

みゃあみゃあみゃあ。

でもやっぱり聞こえる。

で、ベッドの下を覗いてみたら

ぎゃああああああああああああああああああああ

タマリンパニック。 深夜の絶叫。

「何だったと思う?」とタマリン。
「ネコがいたの?」ワタシ。
「ネコがいたっていうかさ、子供産んじゃってたんだよ。あたしのベッドの下で」
わはははははははははははははははうそっ
「なんだか、母ネコがふうううううっとか怒っててさ」
わははははははははははははは
「巣みたいのつくってあったの、あたしの洋服で」
わははははははははかんべんしておかしいわははははは
「笑い事じゃないんだよ! 今思うと、アレルギーが出始めた頃から出産の準備をあたしの部屋でしていたんだよね」
わはははははははもうダメ
「まいっちゃったよー」

気付かずに平気で生活していたタマリンもタマリンですが、タマリンの部屋に忍び込んで出産しようとするネコもネコです。

「で、その猫たち、どうしたの?」
「そのまま、今もあたしのベッドの下にいるよ」
「わははははははははははははだって猫キライなんじゃん」
「そうだけど、出せないんだもん、母猫が怒っちゃって」
「一緒の部屋に寝てるの?じゃあ」
「そうだよ」
「くしゃみしながら?」
「(笑)そうだよ」
「わはははははははははバカだねあんた」
「もう、『このベッドの下に猫がいるんだ』と思うと、寝るのも怖くて怖くて」
「わはははははははやめてよもう」
「だってどうすればいいの?」
「他の部屋で寝れば」
「あ、そっか」

バカです。
こんなにバカなのに、取締役です。
会社大丈夫なんでしょうか。
って、仕事は信じられないほど優秀なんですが。
プライベートは、かようにバカです。

生まれた子猫ちゃんたちは、タマリンのお母さんの手腕で、みんなもらわれていきました。
どうしても残ってしまった1匹を、タマリン宅で飼うことに。くしゃみしながら。

「猫、怖いんでしょ?」
「コワイ」
「でも飼うのね」
「貰い手がつかなかったから」
「かわいい?」
「こわい」

でも3ヶ月もすると情がわいてきたようで、
「動かなければかわいい」になり、最後には「猫はかわいいと思えるようになった」と。
うちの猫もかわいがってくれます。犬はまだダメみたいですけど。

図々しい出産猫のおかげで、タマリンの猫恐怖症が克服できた、という、実にハートウォーミングな話でございました。
というより、単なる「じょりぃが大笑いしちゃっただけの話」ですね。スミマセン。
しかも、最初はワタシの虫歯治療による口内痛のため、食事ができなくて云々という話を書こうと思っていたのに。

タマリンに負けました。

そういえば今まで忘れていたけど、ワタシ、タマリンに
「あたし、じょりぃが男だったら、間違いなく恋していたと思う」と言われたことがありました。
でもこれ(「じょりぃが男だったら」)って、ヘテロならではのセリフですよね。
そんなわけで、こんなふたりですし、まったくアヤシイ雰囲気にはもちろんならなかったわけですが。

「じょりぃ、なんか今ちょっと自慢した?」と思ってしまったそこのアナタ。
早まってはいけませんよ。

ここだけの話ですが。本人には言えませんが。

タマリンの男の趣味は、すごく悪いのです。
すごく、は言い過ぎですが。
なんかちょっと、頼りない人が多いの。まわりが「彼でいいの?ホントに」と心配しちゃうような。

納得していただけましたでしょうか。


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