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2003年05月14日(水) それでも誠実なワタシ・・・?

正確には昨日の夜の出来事なのですが。

いつもどおり、部屋でカタカタと仕事をしていたじょりぃ。
仕事とは、自分の羽をむしりながら機を織るという、アレです。
与ひょうどんのためにせっせせっせと・・・このままイリュージョンな世界がどこまでも続いてしまいそうなので、しょーもない話はさておき、まあ、仕事をしていたわけです。

きょんが部屋に入って参りまして「パソコン借りてもいい? 調べものがあるんだけど」と。
どうぞどうぞということで、なっちゃんのパソコンを貸してあげ、ワタシはそのまま仕事続行。

なんとなくおしゃべりなんかしながら、和やかに時は過ぎていたのですが。

電話がルルル。
ナンバーディスプレイ確認。

ぎょ。
ナナだ。

「ねえ、来週の火曜か水曜って、もう予定入っちゃってる?」
「あー。んー。だいじょぶだよ」 
「映画行かない? このあいだ話してた、『めぐりあうなんちゃら』とかいうやつ」
「あー。いいですね」

きょんが近くにいるので、どうしても歯切れの悪いワタシ。
「めぐりあう時間たち」は、だいぶ前から「観たいよ観たいよ」と、きょんに訴えていた映画なもんで、歯切れの悪さに拍車がかかります。
自分の机にある親機で出てしまったので、場所を移動することもできず。
ちらっ、ときょんの方を見ると、彼女は「電話なら、あたし席外すね」ということもなく、
黙々と自分の作業を続けております。
この時間に電話寄こすのはナナくらいなので、きょんも電話の相手は誰なのかわかっているはず。
わざと居座っているのかしら。
いやいや、ワタシじゃあるまいし、きょんはそんないぢわるをするようなタイプではありません。

あうあうあうあうあうあう。

電話の向こうでは、どの映画館で観ようか、とか、時間はどうしようか、とかナナが話し続けております。
ワタシの返答は
「ん」
「ん」
「ん」
こればっかり。

15分ほど話したところで、ワタシ、間違えてTAの電源を切ってしまい、当然電話も切れてしまいまして。

慌ててかけ直したのですが、むこうもかけてくれているらしく、3回ほどトライしてみたものの、話し中。

この隙に、きょんに申し開き。

「あのね、『めぐりあう時間たち』に誘われているんですけど、ナナに」
「ふうん」
「行って来てもいいでしょうか」
「いいよ。あたし、あれはビデオでも十分だし」

いいですね。この、「自分はそんな観たくないから、どうぞ」という、深読みしない姿勢。
シンプルです。ヘンに疑ったりしません。
ワタシは自分がこういう性分(浮気っぽいということですか)なので、やたらと相手のことを疑いがちなのですが。
やはり自分にやましいところのない人間は、このように寛大なのでございますね。

今度のリダイヤルはつながって、会話続行。
きょんは相変わらず居座っております。

「このあいだ、電車に乗れなくてじょりぃをがっかりさせちゃったから、電車の旅もいいかなと思ってるんだけど」
「ん」
「映画とどっちがいい?」
「どっちでもいいよ」
「・・・・・・」

なんだかじょりぃの様子変じゃん、と思い始めたらしいナナ。
いつもなら「電話してちゃマズイの?切ろうか?」とか「具合悪いの?」とか訊いてくるのですが、
今日はなんだか、「不安が饒舌を産む」現象が起こっているようで、「ん」しか言わないワタシを相手に、さらにしゃべります。

ワタシはナナの話に「ん」と相づちを入れながら、きょんのことも気になり、紙に「操作がわからなくて困っていませんか」とか「進んでますか」なんて書いて見せ、ゴキゲンを取ったりしているイヤなヤツ加減。
ホントは席を外してほしいけど、言えない。
きょんもナナに対してはちょっとナーバスになっているところもありますので、そんなこと言えば「なんで?」ということになり、明日からごはんを作ってもらえなくなるかもしれませんてそんなことはされませんが。

ワタシの乗らない反応にもめげず、しばらく話し続けていたナナでしたが、火曜日の予定もほぼ決まり、お互いの役割分担を決めたあと、

「・・・もしかして、あんまり行きたくない?」

と、めずらしく弱気な発言を。

いつもなら、ちょっとワタシが仕事の都合上でためらうような雰囲気を出せば
「行きたくないなら無理に行かなくても全然構わないんだけど」という高飛車な態度に出るナナです。
「いや、行きたくないなんてことないですよ」
「つきあってくれようとしてるわけ?」
「そんなことないです。行きたいです」
「行きたいんだ?」
「行きたいです。行かせてください」
という、主従関係なんですが。(書いてて情けなくなってきました)

めずらしい弱気な態度に、それまで「ん」「いんじゃないそれで」「ははは」だけで会話をしてきたワタシも慌てて
「え? 行きたい!行きたいですよっ」やっと人間らしい反応に。
「そう?」
「うん」
「ならいいけど・・・」弱気。

アレですね。たまにはこのように素っ気なくしてみることも大事ですね。

しかし、「不安が饒舌を産む」現象は続行で、やけに長いだけのだらだらしたつまんない話をし続けるナナ。
今さら「実は今、きょんと作業中なんで、また後で」とも言い出せません。
「さんざんジャマしちゃったじゃん、あたし」と、ナナを傷つけてしまいそうです。
とはいえワタシはもう、2m先にいるきょんが気になって、いつもどおりの会話なんてできませんから、早く切りたいもんで反応が悪うございます。何やってんだか<自分。
そんなわけで、やたら「・・・・・・・」が多いんですが、それがまたナナの饒舌を呼んでしまうらしく。
「じゃ、そゆことで」と、電話が終了しそうになると、また「そういえばさ・・・」と話を振ってくるし。
悪循環。
それにしても、こんなときばっか、なつきがいいんですねアナタ。
もしかして、わかってやってるんでしょうか。なんてハズはないんですけど。

適当な相づちを打ちながら、きょんに「目当ての情報は見つかった?」「電話しててゴメンね」などと書いた紙を見せたりして、きょんへのサービスも続行中。

そりゃあもう大忙し、というか、最低ね。じょりぃ。

それでも誠実なワタシ。
とは、本日はちっとも思いませんでした。 反省。自己嫌悪。 しゅん。


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