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2003年04月10日(木) 不思議ちゃん

みなさまこんばんは。
バテバテのへろへろ、もともとない根性がさらに目減りしているじょりぃでございます。

昨日、とある会議に出席しました。
設備関係の野郎どもばかりの会議で、女性は私ともう一人だけ。
本日の日記の主役は、その女性でございます。

Eさんはたぶん27歳くらいなのですが、雰囲気はものすごく少女。
男性から「守ってあげたい」と思わせてしまうようなオーラを醸し出しています。
の、割に、どうも男の影がない。
仕事でよく一緒になるのですが、いつも日付が変わるまで仕事をしているし、休みも返上して働いているようだし、どうもナゾな人なのでした。

その会議の途中、インテリアコーディネーターの人から「この中から4点、写真を選んでおいてほしい」と写真集を渡され、ワタシとEさんは一緒に写真を選んでいたのですが、そのときのこと。

それはメープルソープの写真集だったので、ヌードもたくさん出てきました。それも男性のヌード。フル○ンです。
ワタシは男だろうが女だろうが、ハダカの写真を見るのは好きなので「すごい筋肉」とか「このポーズ笑へる」とかツッコミながらページをめくっていたのですが、Eさんはそういうページの時は口をつぐんでしまうし、なんとなく居心地が悪そう。

「もしかして、ハダカの写真とか、嫌悪感を催してますか?」とワタシ。
「いえ・・・ていうか・・・あたし、筋肉とか怖いんですよー」
「ほほう。筋肉が」
「そもそも、人間の顔も怖いんです。外人は特にダメです」
「なんと・・・。ということは、Eさん、男性ならしょうゆ顔の人とかがやはりお好きなんですか?」
「んー・・・て言いますかぁ・・・あたし、実は犬になりたいと思ってたんですよ」


犬になりたいんですか。

ていうか、それ、質問の答になっていないような気が。

「ええと、・・・・・犬?
「犬が大好きなんです。特にポメラニアンとか」
「ポメラニアンというと、あの茶色くてふわふわしていてちっこくて鼻が黒くてつぶらな瞳できゃんと鳴く、あのポメラニアンですよね?」
「はい。かわいいですよねー」
「そういう顔の人が好きということですか? 顔が毛深くてつぶらな瞳の人とか」 んなわけねーだろ<自分。
「そうじゃなくて・・・スピッツでもいいんですけど」

微妙に会話が噛み合ってません。

「あの、じゃあ理想のタイプとかって、どんな感じ?」
「・・・じょりぃさん、そんなこと聞いてどうするんですか?」
「え”?」
「あたしにお見合いでもすすめてくださるつもりですか?」
「(あせあせ)いえ。そんなつもりじゃなくて・・・スミマセン。Eさん、魅力的な人だから、どんな人が好きなのかななんて、ちょっと興味が湧いちゃったもんだから・・。気に触ったならゴメンナサイ」

こういう反応の人って、たいてい何かしらワケアリです。
やっぱちょっと人と違うのかもなーと思い、まあ失礼もしてしまったので、ワタシとしてはここで引き下がるつもりだったのですが。

素直に謝ったので気を取り直してくれたのか、Eさんは話を続けてくれました。

「あたし、すごい憧れの人がいたんです」
「憧れ?」
「はい。子供の時なんですけど、白い髪に白い髭を生やした、すごくやさしそうなおじいさんだったんですけど」
今度はおじいさんですか
「おじいさん、好きなんです」
「犬とおじいさん、ですか」
「はい。特にそのおじいさんは素敵な、神々しい人で、シャイだった私は勇気を出して話しかけたら、ありがとうって言ってくれました(うっとり)」 ありがとうって。
「ええと、じゃあ、笠智衆とか好きでした?」
「そんな、俗っぽい人じゃイヤです」
「!俗でしたか。失礼。ええと、七福神で言えばジュロウジンとか?」
「もう、どうしてじょりぃさんてば、そういう俗っぽいのばっかり・・」
「・・・一応神様ですが」
「七福神という時点で俗です」

そうですか。失礼しました。

「じゃああれですね。こう、余命いくばくもない、大金持ちのおじいさんとか、結婚の理想のタイプ?」 私もしつこいです。からかいとか茶々とかに全力を尽くしてしまう傾向がありましてどうも。
「結婚の対象になんかしませんよー。憧れですから。犬と同じです

犬と同じです、って。

怒るかな?と思いながらも、ワタクシ聞いてみました。

「Eさんて、もしかして・・・不思議ちゃん?」

じょりぃさん、ふざけてばっかり、と怒られるかなと思ったのですが、返事は

「はい」

上から読んでも下から読んでも、わたしまけましたわ。
不思議ちゃん、無敵。


ていうか、たぶん誰のことも好きにならないセクシュアリティなのかなと。
私の友人にもいるのですけど。

そういうセクシュアリティもあるんだろうな、と気付く前は、随分傷つけるようなことをその友人に言っていたようで、反省しているのですけど。
「好きな人ができないなんて、信じられない」「ありえない」とかね。
差別発言て、意外と悪気や邪気がない場合もあるんですよね、そう考えると。
悪気や邪気がなければ許される、というものではもちろんないんですけど。
「女が好きなんて、信じられない、ありえない」と言われたら、やっぱりワタシはむっとするだろうし、傷つくだろうな。
悪かったね、友人。

「Eさんも、結婚しなそうですね」とワタシ。
「そうですねー。忙しいですし、物理的にも時間的にも今の状態でというのは難しいです。○○さんなんて、あんなに忙しいのに、よく結婚したなあって感心しました。子供まで産んじゃったし。仕事も続けてますしね」
「ワタシ、独身友達みんなに『年取ってからみんなで楽しく住めるように、じょりぃちゃん、なんかコロニーみたいの作っておいてよ』とよく言われるんですけど、がんばってつくりますから、そしたらEさんも来てください」
「わあ、ありがとうございます。犬も飼ってくれますか?
「は、はい。ポメラニアンでいいですかね」

Eさんの今後の人生に注目しているじょりぃであります。
お互いシアワセになりましょう。








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