今日も今日とて
INDEX過去未来


2003年04月06日(日) なぜに罵倒が関西弁になったのか?

いい天気でしたね。桜もいいあんばいで。

というわけで、仕事の途中でスタッフのなっちゃんと「近所の桜並木までお散歩に行きましょう」ということになり、七福神あられを手にとことこと。

桜並木のある道は、一方通行でとても狭いのです。

なのに。

その狭い道のど真ん中に停車している車が。
一瞬「おうおう。道の真ん中に車停めて花見かよ」とも思ったのですが、停めてあるのは桜が終わったところ。車内でも「わあきれい」つう華やいだ感じはナシ。
おっさん(じいさん?)二人におばさん(おばあさん?)一人という組み合わせ。運転席にはおばさんが。

へんなのー。車エンコしたのかな?それにしても動きがないよなと訝しがりながら、単に停車しているのだとしたらあまりにもモラルに欠けるよなーと思い、ことさらジロジロ見ながら横を通る。

通りを横切って、次の桜並木へ。
ふりかえって車を確認すると、まだ止まったまま。
おじさんがひとり車外に出てうろうろと。
それも「桜いーなー」という感じではなく、謎は深まるばかり。

「あの車、まだ停まってる。変じゃない?」とワタシ。
「変だねー。でもせっかくだから、おかしな車なんか見ないで桜見れば?」となっちゃん。

そりゃそうだ。

ふたりであられをポリポリ食べて、しばらく桜を愛でる。
「このあられ、しけてるね」となっちゃん。
「うん。だって、去年の秋頃もらったやつだもん」
「げ。でも意外と食べられるね」
「でもマズイね」

まずいしけたあられをポリポリ(正確にはキョシキョシつう感じ)食べ終わり、帰路へ。

まだいやがる。車。

かれこれもう15分は停まっているであろう。
今日はたまたま他に車が来なかったみたいだけど、来ちゃったら誰も通れませんよこれじゃ。

むっとしたワタシは、今度横を通るときはもう少しあからさまに「なんですかあなたたち」という視線ビームを放とうと意気込んでいたんですが。

対向車接近。
一方通行とはいえ、あまりそれを守る車のいないこの道。
やはり来たか。

しかし、非常識車@初老部隊、動く気配なし。

対向車はちょっぴりヤンキー仕様の軽で、ちょっぴりヤンキー仕様の20代後半とおぼしき女性が運転中。
かつてレディースで慣らしたのか、うまいハンドルさばきで縁石ギリギリまでよけたものの、そこから動きが取れず。

なんたって、車2台がやっと通れる道のど真ん中に初老部隊が停車中ですからね。避け切れません。

心配しながら近づいて行ってみると、窓を開け、お互い会話中。

元レディース「すみません。ちょっと動いていただければ通れるんですけど」
おばはん「ここ、一方通行よ!あんたが悪いんでしょ!」

あんたも悪いよ。おばはん。

元レ「スミマセン。でももう来ちゃったので」
おば「ぶつかったら、そっちもちだからね」
元レ「私、これ以上動けないので、止まってますから移動してもらえますか?」
おば「あのね、そっちが悪いんだから、ぶつかったらお金はそっちもちだからね!あたしがぶつけても責任はそっちだからね!」

カチン。というか ブチ

「そんなど真ん中に車長いこと停めて、何言うてんねん」

なぜか関西弁で口出しするワタシ。
おばはんがこちらを睨む。

「おばはんが一番悪いんやん。何してん?そんなとこで」

おばはん、「ぶつかったら、そっちがお金払うんだよ」とかぶつぶつ言いながら、ヘッタクソな運転でなんとかクリア。
わざとぶつかる気かと思ったよ、つうくらいの勢い。

「当たり屋かよもしかして」
さらに罵倒するワタシ。

はあはあ。

しかし、なぜに関西弁?

関西の方が、関東人の「エセ関西弁」を大変嫌がることは承知しております、スミマセン。

自分なりに、なぜ関西弁になってしまったか、そのあとじっくり考えてみました。

まず、関東言葉だとどうなるか、試してみましょう。

「そんなど真ん中に車停めておいて、何言ってるんですか?」
「おばさんが一番悪いじゃないですか。なにしてるんですか?そんなところで」

なんか、理屈っぽくて、感情に欠けます。それに礼儀正しすぎで悔しい。
では、感情的になるために、ちょっと乱暴な話し言葉でやってみましょう。

「そんなど真ん中に車停めて、何言ってんだよ」
「ばばあが一番わりいんだろ。何してんだよそんなとこでよー」

ガラ悪すぎます。
なんというか、こっちの筋は通っているはずなのに、チンピラが因縁つけてからんでいるようです。
それに何しろ、品がありません。

ところが関西弁ですと、
1. 自分は怒っています
2. ワタシの筋は通っていて、あんた間違ってます
3. なぜだか品格が損なわれない
と、3拍子揃います。

なるほど。

ということで、関西圏のみなさん、思わず(でたらめの)関西弁が口をついて出たワタシを許してください。

いっそ、最近ではほとんど使われなくなった、ワタシの地域のお国言葉で罵倒してみたらどうなるのでしょうか。

「おばさんが一番悪いんだがね。何してんだーりそんなとこで」

迫力も品もないです。

関東とはいえ山国だに、しょーがねーんべー。
(↑通常は使いませんよ。信じてー)

そしてもうひとつ。

対向車を運転していたのが男だったら、見ないフリして通り過ぎたんだろうなワタシ。
そう、けっこうキレイな元レディースでした。
やれやれ。>自分


じょりぃ |HomePage