へい太の日記

2004年06月16日(水) 塩をまかれて

大通りに面した古めかしい木製ドアには
いくつかの色のくすんだ小さなガラスがはめ込まれている
店のドアの足元には 浮かび上がるように白い塩
盛り塩ではなくて ドアの下一面 塗り込むように
端から端まで塩の帯が続いている
となりは薄暗い路地になっていて
塩の道もそこまでだった
横の柱が何だか腐りかけてるようだし
ナメクジ除けなのか

ドアを開けてみれば
清めの塩を越える
闘いの合図
地下道のようなトンネル
煉瓦造りの円形のトンネルを下る
あちらこちらで枝分かれしていて
人々が行き交う
壁には時刻表らしきものも貼ってあるけれど
どこがホームなのか上がる階段は見つからない

ドスンと鈍い音
縁側から庭の畑を見ると
白い円筒形の物体 黒っぽいゴムの縁
大きな望遠鏡の一部のようなものが
畑にめり込んでいた
雲間に高射砲の閃光が幾度も光る
巨大な三角形やブーメランの形をした
ジェット機が行き過ぎる
時折宙返りしながらキラキラ反射する
灰色の機体
戦争はもう始まっていたんだ

あいつらは高等なゲリラ戦を仕掛けてきた
戦争だと言わずに

開かれたつながりという
閉じられたコミュニティの中で
羽をもがれてあえいでいる
俺たちを不幸にしたのは
オトナだ
お前もこれを味わえよ

だから国家的なプロジェクトが必要なんだ
ゲリラ戦の真相を暴いてここにこそ資本を投下して
今最前線に立っている我々にしか見えないものが
安定した社会こそ幸せなのではないか
多様な価値に至るほど社会を不安定にさせ・・・
いや一律の価値を持つほど社会が不安になり・・・
全てを暴き出せ
来る絶望の嵐に備え みんなで足場を組むんだ


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へい太 [おてがみ] [へい太のほむぺ]

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