2022年03月31日(木) |
いつものように今朝も定点観測。東空はぼんやり霞んでいる。花粉のせいだ、きっと。さぁそろそろ東空が染まり始めるに違いない。そう思ってベランダに出る。しかし、目の前の空はこれっぽっちも色づく様子がない。そうしているうちに太陽が昇って来た。生まれたての卵を割った時の、あの濃く深い橙色。でも、暗橙色の太陽から光が四方八方に伸びてゆく様子はなく。ひたすらに丸い暗橙色の太陽が、じりじりと這い上がって行くのだった。 薔薇の樹に病葉を見つける。よく目を凝らして見ると、その一枚だけではない。そこを中心に私の手の大きさくらいは、病葉だった。慌てて病葉を取りにかかる。病葉はいつだって、私の指が触れたかどうかという瞬間に、はらり、と落ちるのだ。まるで「いつ取ってくれるのかとずっと待っていましたよ」と言っているかと錯覚するほど。はらり、はらり、はら、はらり。 取れるだけ病葉を取って、一枚残らずそれらをゴミ箱に捨てる。これ以上病葉が拡がりませんように。ここで食い止められますように。祈るように願う。 クリサンセマムにはアブラムシがごっそり。これまで何とかならないものかと毎日のように指の腹で潰し続けてきたけれど、もうこれ以上は無理だと判断。薬を噴きかけることにする。霧吹きの中の薬液をよく振って、たっぷり吹きかける。ここぞとばかりに吹きかける。葉の裏側にも潜んでいることが多々あるから、上からやるだけではだめなのだ。下側からも吹きかけないと。結局、それだけこなすのに、半時間以上かかってしまった。慌てて部屋に戻る。 緑の手。ふとその言葉が脳裏に浮かぶ。植物を枯らすことのない、ひたすら育ててゆく緑の手。私は緑の手と言ったらすぐに母を思い浮かべる。どんな植物も待ってましたと言わんばかりの勢いで、彼女は引き受けた病いに陥った植物たちを悉く救って来た。蘭でさえも。彼女の手にかかると、植物がおのずから彼女の手に集うかのように錯覚するくらいだ。Tが、「あなたも緑の手の持ち主だね」と笑っていたことがあったけれど、とんでもない、私は、病気を治してやることさえまだままならない。 いつか。そう、いつか、でいい、母の様な手が欲しい。そのためにも私は、今日をまず淡々と生きることが目標。
この間整骨院に行った折教えてもらったストレッチを続けている。ストレッチをして改めて、自分の前腿ががちがちに固まっていることを痛感する。ここまで私の身体は硬かったか?と首を傾げるくらいだ。開脚した左右の脚に向かって身体を倒し脇を伸ばすストレッチでも、脇の下の脇腹については、まず呼吸をその強張っている箇所にゆっくり深く入れて、まずそこから身体を解す。一事が万事そんな具合。呼吸が大事というのは本当だなと心底思う。
いつの間にか雨が降り出している。窓の外、吹き荒ぶ風に乗って雨粒が右に左に散り散りになってゆく。 一粒だけでもいい、次の命を繋ぐためにちゃんとプランターの中に零れ落ちますように。がんばれ、みんな! |
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