2021年01月26日(火) |
大好きな樹のひとつに、今朝は会いに行った。一本ぽつんと公園のただなかに立つその樹は、太い太い節くれだった根を大地にしっかり這わせており。何があってもびくともしない、何があっても動じない、何があってもブレない、この樹は世界にちゃんと立っている。 私はその樹を見上げること、その樹を背に海を見やることが昔大好きだった。たまらなく落ち着くひとりの時間だった。どんなに日常がぼろぼろになっても、この樹の足元に戻ってきていい、というような、そういう感覚があって。この樹があるかぎりここに帰ってこれる、そんな。 冬という季節柄、葉をみんな落とした枝々に、時折鳥が留まり、また去って行く。その様子がくっきりはっきり見上げられて、私はしばらくじっと、写真を撮ることも忘れて見上げていた。 樹から見たら、私なんて豆粒みたいなんだろうななんて思ってちょっと笑えた。 その間にも南東の空はぐいぐい色合いを変えており。一瞬たりともとどまっておらず。ああ、世界は色が溢れてる。
いつか、この樹のように私も世界に根を張れたらいい。何があっても動じない、ブレない。誰がよりかかってもびくともしない、そんな場所になれたら。と思うのだけれど、同時に、ブレブレでよれよれでも、まぁそれはそれでいいかなと思ったりもするのだ。結局自分をどれだけ引き受けられるかだもんな、と。どういう自分であっても。
明日は記念日だ。それはあの被害から丸26年が経つということ。もう、被害前より被害後の時間の方が、長くなっているんだな、と改めて思う。 |
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