てくてくミーハー道場
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2019年06月30日(日) |
ブロードウェイミュージカル『ピピン』(東急シアターオーブ) |
予想を思いっきり裏切られた。(良い意味で)
4年前の来日公演を見逃していたので(当時はトニー賞とかしっかりと勉強してなかったからなあ)、とにかくぼく自身、この作品に対する知識は限りなくゼロ状態で、こんなすごい演出だとは思ってなかった(『KiKi Kidsのブンブブーン』の時間帯にやたらとこの公演の宣伝が入るので、ちゃんと見てたら予想できたはずなんですけどね・・・あの宣伝は“イメージ”だと思い込んでた。なぜか)
メインナンバー「Corner of the Sky」だけは大昔から知ってました。ジャクソン5のアルバムに入ってたので(声変わり前のマイケルの声がめっちゃ可愛い)
いつからか「これは『ピピン』っていうミュージカルの曲なんだよ」って教えてもらって、でも、どういう話かは全然知らずに〇十年。
近年、やたらとしろたん(城田優)がコンサートとかで歌ってたので、「ピピンやるんだな」と、鈍いぼくでも簡単に予想はついた。
とにかく、すべての出演者がすごかった。
全員に度肝を抜かれました。
でも、やはり特筆したいのは、Crystal Kayちゃん(リーディング・プレイヤー)と前田美波里さん(婆さんバーサ←おい)
特にKayちゃんのリーディング・プレイヤーは、ブロードウェイキャストのパティナ・ミラー(あまりにも感動したのでCDを買ってしまった)に声も歌い方もくりそつで、そのせいでキャスティングされたんじゃないかと思ったくらい。
にしても、声が似てるくらいでできるようなやわな役ではない。
「Glory」の長尺フォッシーダンス(ぼくは勉強不足で知らなかったんですが、これがいわゆるフォッシーダンスの代表作なんですね)なんて、息するのを忘れて(嘘)見とれてしまった。
すごい、Keyちゃん。こんな才能があったとは。
そしてビバさん。
あ、あんなすごいアクロバット付きの役とはつゆ知らず。
普通に主人公ピピンの祖母の役だし、ちょいと歌っておしまいかと思ってたら(失礼な)
おばあちゃんの役だけど若くて運動神経の良い女優がやるべきでしょ!という固定観念を見事にぶち砕かれました。
ビバさんはまあ、鍛錬してるんだろうなと納得したけど、これをダブルキャストで中尾ミエさんもやったんだよね?(お二人、身長がだいぶ違う。しろたんと血がつながってるという設定を考えれば、ビバさんの方が自然ではあったなあ)、まじ驚愕。
やっぱグルコサミン(CM出てる)のおかげであろうか(こら)
与太話はともかく()なんかもう、「夢のような」と言うべきか、「悪夢のような」と言うべきか、なんとも形容しがたい作品でした。
外連だらけ(良い意味で)の演出だけじゃなく、ストーリーも深かった。
一見、戯画のような芝居なんだけど、だからこそ深かった。
衣裳もメイクもド派手な周囲に対して、主人公ピピンの衣裳が一番地味(グレーのてれんとしたセーター。ただししろたんのスタイルがあまりにも良いので、めちゃくちゃカッコいい)ってとこもいい。
あ、今ふと気づいたのだが、今回のメインどころの出演者たち、ほとんどが日本人以外の血が入ってる人ばっかりだ(城田優、Crystal Kay、前田美波里、宮澤エマ)
ダイバーシティですな(←意味わかっとんのか?)
ええ、グローバルといいますか、ボーダレスといいますか(知ってる限りの横文字)
ぜひ「もう一回観たい」作品の一つであります。
2019年06月23日(日) |
KERA・MAP#009『キネマと恋人』(世田谷パブリックシアター)〈予告〉 |
実は緒川たまきって昔はすごい苦手な女優だったんだけど、ケラの芝居に出るようになってからすごく良い個性の俳優になったな、と思ってた。
今回のハルコも、とても良かった。
名監督によって覚醒する映画女優の話は昔からよく聞きますが、それは演出家と舞台女優も同じなんですね。
で、この作品は「映画」を題材にした話で、ウディ・アレンの名作『カイロの紫のバラ』を舞台を日本に移して翻案したものだそうで。
ぼくは今回その情報を一切仕入れずに観に行ったんですが、しょっぱなからどうも「あれ?この話知ってるぞ?」と不思議に思いながら観てました。
パ〇リ?と思って観てました。←
最初から堂々と「翻案です」って謳ってたんですね。疑って失礼しました。
ヒロインに恋する不思議な二役を妻夫木聡君が名演。
デビューしてから相当経つはずですが、相変わらずヒマワリのような一点の曇りもない笑顔。この笑顔こそが、裏表のない単純明快なキャラクター「まさかまさかの間坂寅蔵」に100パーセントの説得力を与えております。
ケラの芝居って、気が付くと()すごく長いのが特徴なんですが、今回も休憩たったの15分にもかかわらず総上演時間3時間25分!
でも、まったくダレなかった。さすがでした。
他、細かい感想は、いつか気が向いたら書き足します。
2019年06月22日(土) |
六月大歌舞伎 夜の部『月光露針路日本−風雲児たち−』(歌舞伎座) |
本当はまず一幕見で昼の「封印切」から観るつもりだったんだけど、昼前の突如の大雨にビビッて出発が遅れたせいで、コヤにたどり着いたのは上演直前、すっかり満員札止めになっておりました。
仁左サマ愛足りんかった(;;)
夜の部はしっかり前売り券をゲットしてたので、銀座で時間をつぶして久しぶりに歌舞伎座場内へ。
野田秀樹、渡辺えり子、宮藤官九郎に続いて、いよいよ歌舞伎座に三谷幸喜の作品がかかる時がやってまいりました。なんか、ぼくら世代にとっては夢のような出来事なんですが、近年のシアターゴアーたちにとっては何の違和感もないんだろうな。
さて、タイトルを聞いて、去年のお正月にテレビでやってた『風雲児たち』をそのまま舞台化するのかな、と思い込んで来てしまったぼくなんですが、みなもと太郎の漫画が原作なところまでは合ってたんだけど、エピソードは全然別の話で、ロシアに漂流して初めて生きて日本に還ってきた大黒屋光太夫が主人公。
えっ?
なんか、聞いたことあるぞ?その話。
『望郷は海を越えて』(2000年宝塚歌劇団宙組公演)じゃね?!
あれをやるの?!
と最初はビビったのだが(なぜ)、幸い細かい内容を忘れていたので(おい)、すっかり新作として楽しめました。
実は宝塚版は基本的にはこの実話を踏襲しているのですが、主人公もストーリーもほとんどオリジナル。なので詳しく覚えていたとしても、比較してどうこう言うようなものではなかった(最後の方で、仲間の一人・庄蔵が脚を切断するシーンを見て、「そういえば、主要人物の一人が、凍傷か何かで腕を切断するエピソードがあったな」と思い出した程度)
ヅカオタの寄り道エピソードはともかく、内容はまさに三谷かぶき。
三谷幸喜作品らしい、笑いをちりばめ人間愛にあふれた満足感たっぷりの出来上がりとなっておりました。
そして、一番ぼく的に満足したのが、ちゃんと“かぶき”作品になっていたこと。
それはどういう意味かというと、この作品は、上手な俳優なら誰でも良いわけではなくて、歌舞伎俳優が演じるという必然性がしっかり見えたこと。
もともと三谷はアテ書きをする脚本家なので、そういう意味では歌舞伎俳優でなくても「この役はこの人が演じないと不自然」という部分が多い作家なのだが、今回もそういうところが随所に見られた。
俳優たちがたっぷりと歌舞伎式の演技を見せるシーンは、「ここは、あの芝居のあの役のアレだな」と歌舞伎好きには判るようになっているし、それがいわゆる歌舞伎ファンへの媚ではなく、必然性のあるものになっていた。
かと思うと、三谷作品名物というのか、日本のことわざだけで会話するロシア人女性・マリアンナなんかは、『アパッチ砦の攻防』に登場する謎のフィリピーナ?・ビビアンのキャラクターを踏襲していたりする。
そして、何といってもラストシーンの爽快さ。
決してハッピーエンディングってわけではないのだ。だけど、あのラストシーンの高揚感たるや。
本人は一見ペシミストに見える三谷だが(ごめん。ぼくにはそう見えるのです)、基本的にスーパーポジティブというか、“人間の力を信じる”思考の持ち主なんじゃないかと。たとえ大悲劇的なストーリー、結末であろうと、彼の作品に流れる“肯定感”(←語彙力)は常に不変である。そうぼくは思っている。
出演陣もそれこそ全員良かったのだが、やはり一人だけ特筆するとしたら、染五郎になるかな。
知らんうちに大きくなりやがって(あんたが全然歌舞伎観ないからでしょ)
線の細いなよなよした青少年なんだが、気づけば最後まで生き残るうちの一人(大ネタバレ)
今回は等身大の役を三谷に書いてもらったというアドバンテージが大きかったのだとは思うが、このまま素直に伸びていけば大丈夫だろう。変なクセをつけずに(ひ、皮肉じゃありませんよ?)大事に大事に育てていってください高麗屋(おとう)さん。
一人だけ、とか言って蛇足を加えちゃうが、猿之助、愛之助、幸四郎、この辺はもう安心感しかないような出来であった。今後の歌舞伎界はこの世代を完全に中心として回っていくんだろうなあ。
白鸚、彌十郎。安心感の二乗三乗。ことに、現在の日本演劇界でポチョムキンの老獪さを表現できるのは白鸚を置いて他にはいないことを三谷は誰よりも知っている。ぼくも知っている()
いやほとんどの日本人が知っている(コラ)
とにかく“適材適所”が三谷演出の真骨頂である。男女蔵にアテた小市という役なぞ、よくぞまあ、という感じだ(あまり詳しく書くと藪蛇になるのでこのくらいにしとく←炎上ギリギリ)
そして、コクーン歌舞伎に笹野高史がいるように(?)、三谷かぶきには八嶋智人がいるのであった。ぶっちゃけ今回は“ヤッシー”全開の役であったが、もし今後も三谷かぶきが上演されるのならば、屋号をつけたくなるぐらい歌舞伎になじむのか、それともヤッシーはヤッシーのままなのか、その辺も楽しみにしていたいと思う。
本当に観ることができて良かった。一言で言うならそんな感想の芝居でありました。
2019年06月16日(日) |
花組ヌーベル『実験浄瑠璃劇 毛皮のマリー』(小劇場B1)〈予告〉 |
ぼく的『毛皮のマリー』三部作第三弾ということで、今年の『毛皮のマリー』見納めとなりました。
例によって感想は後々。
2019年06月15日(土) |
『黒白珠』(Bunkamuraシアターコクーン)〈予告〉 |
なんか、思ってたのと全然違う雰囲気の芝居だった。
(えっ?これだけ?)
2019年06月09日(日) |
『海辺のカフカ』(赤坂ACTシアター) |
村上春樹1冊も読んだことない(!)人が行きましたよ。
いやー。←?
感想、半永久的に書かない気がする。(おい)
なので、一番言いたいことだけ。
木場勝己さんがさすがすぎる。
オカケン(岡本健一)が素敵だった。
皆さん(いきなりひとくくり)達者だった。
話についていけなくてラストまでぽかーんとしたままだったくせに、楽日なので出演者が一人一人初演版演出の蜷川幸雄氏にあてた(?)メッセージを話しているのを聞いていたら泣けてきた。
こんなところです、はい。(うん、浅い!)
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