2022年09月16日(金) |
今日の通院は最悪だった。 カウンセリング中解離しまくってしまい、カウンセラーに「大丈夫? この二回ほどどうもおかしいわよ」と言われる始末。何とか意識を繋ごうと何度も試みたものの、無駄な努力に終わった。せっかくの40分が、ただ流れてしまった。もったいないと思っても後の祭り。どうしようも、ない。 診察時にも、先生から、目が虚ろだわよ、と苦笑され、続いて何か言われたのだが覚えていない。言われた、ということしか思い出せない。もうどうしようも、ない。
帰り道、電車に揺られながら、これ以上ぼんやりしたら私は何処かに消えてしまいそうな気がした。だから必死に本を読んでみた。「本を守ろうとする猫の話」の続き。飛ばし飛ばしにしか読めていないことは分かっていたのだが、ほんのちょっとでも活字から目を離したら、意識もぶっ飛びそうだったので、必死に喰らいつく。 そのお陰か、無事帰宅駅に到着。這いずるように電車から降りる。 太陽の光が眩しくて、一瞬眩暈を覚える。でも、気持ちの良い風が吹いていた。海からの風はちょっとしっとりしていて、でも、軽やかだった。 クリサンセマムとネモフィラたちがもうすでに芽を出している。ビオラはまだだ。ビオラはそういえば息子が蒔いたのだった。トマト以外彼が蒔いたものは何故か芽が出ない。でもトマトは今鬱蒼と茂っている。こんなふうにビオラも茂ってくれるといいのだけれど。まずは芽を出してほしい。 そして夕方、冊子が届く。展示期間中に販売する予定の冊子だ。ちょっと印刷が濃く出過ぎている気がしないでもない。その点は失敗かもしれない。でも、何とか形にすることはできた。それだけでもよしとする。
家人の父、つまり義父の、延命治療を為すかどうかの判断を迫られている。家人と義母が今日話し合った。しない、という判断。 もう水さえも自力で飲めないのだという。身体中に管を通されて、義父は今どんな思いでいるだろう。まだ意識は微かにあるのだという。 あのプライドの高い義父の、心の中を慮ると、何とも言えない気持ちにさせられる。 余命は一か月、長くて二か月、と言い渡されたそうで。 私はぼんやり、その時間を心の中、計ってみる。
義父は。 家人が私と結婚すると言い出した時、探偵を使って私と娘と、そして私の実家等を調査した張本人だ。いや、実際どうだったんだろう、義父が言い出したのか、それとも義母が言い出したのか、今となっては真実は分からない。 どちらにしても。それによって我家と義父義母は決裂した。家人は私との結婚に迷い、私がどちらにしても私は子を産む、認知をしてくれ、と迫ったことも影響したのか何なのか、入籍することに同意し、しばらく実家と疎遠になった。もしあれで息子が無事に産まれなければ、そのままになったかもしれない。 息子が五体満足で産まれたことを知った義母の、掌を返したような態度には、唖然とさせられた。ご苦労様、無事に産んでくれてありがとうねえ! 彼女のその言葉を聞いた時、全身戦慄したのを思い出す。私はあなたのために産んだのではない、と全身が拒絶した。そもそもあなたたちのところに跡取りがいないなんてこと、私には関係がない。 でも。一度こじれた糸は、そう簡単には解けない。義母の、折々に見せる悪意に、私はいつも辟易していた。そうして今や、もう取り繕えない間柄になってしまっている。 できるなら。 義父とはちゃんと話がしたかった。いつかちゃんと。叶わないで終わるのか、と思うと少し物寂しさを覚える。でも、これがひととの縁というものなかもしれない。 |
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