2021年03月20日(土) |
たまにある。「神様信じないんですか?宗教は?」。入信を勧められる。申し訳ないが、既存の神様に興味はない、というのが私の本音。 確かに幼少期、教会に通うのを習慣にしていた。讃美歌を歌うのも好きだったし、神父の話を聴くのも好きだった。でも。神様に助けられたという実感はなく。私は思春期に入ると教会に行かなくなった。 被害に遭い、ますますその気持ちは強くなった。神様なんて助けちゃくれない。それが私の実感だ。私の信じる気持ちが足りなかったのかもしれないけれども。でも、神様の存在によって助かった記憶は、私にはない。 だけれども。 自然を司る力のことは、実は信じている。
ある朝林檎がある日突然落ちる。 ある朝ベランダの花が、ぽんっと咲く。 ある朝風が緩やかに吹いてくる。 ある朝―――。 世界を見つめていると、心がしんとする。ひとのあいだにいるとざわざわどきどきしてやまない心が、しん、と無音になれる。 その瞬間が私は、たまらなく好きだ。
ひととの対話も好きだけれども。 世界との対話も私には欠かせない。それがなければ、心がざわついてざわついて、ほどなく疲れ果ててばたんと倒れてしまう。 世界を見つめる時間。向き合う時間。その無音の時間が、私に力を与えてくれる。その力が私を、ひとへ向かわせる。 そうやって、ぐるりぐるり、私と世界は廻っている。
明日は雨だそうだ。まだ降ってはいないが、じきに降り出すはず。天気予報を見ながら窓の外を見やる。頭痛がするのも、身体痛が酷いのも、この、天気の崩れのせいだろう。仕方がないのでせっせせっせとテニスボールで身体のケアを為す。痛み止めを飲むべきか否か。 とりあえず自分の為だけに濃いめの珈琲を淹れよう。朝までまだ、少しある。 |
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