ささやかな日々

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2021年02月27日(土) 
朝、窓の外を見ると、ベランダに干しっぱなしにしていたタオルがびゅるびゅるると大仰に揺れているのが見え、それほどに風が強いのだと知る。どんよりぼんやり霞んだ空の色合いなのに。こんなにも風は強いのか、と少し不思議に思う。こんな風なら埃も塵も飛んで行ってしまいそうなものなのに。
ベランダに仲間入りした勿忘草の小さな水色の花弁さえ揺れている。隣のクリサンセマムはくわんくわんと葉も花弁も揺らしている。ようやく咲いた菫は、黄色い薄い花弁がこれまた揺れている。空の雲があっという間に流れてゆく。

ほぼ一か月ぶりに親友宅に遊びにゆく。息子は親友宅のゲームがしたくてくっついてくる。強風吹き荒ぶ中、自転車で駅まで走り、電車を乗り継ぎ、途中で美味しそうなパンを買い込んで親友宅へ。
息子がゲームに興じている間、親友とふたりであれやこれや互いの近況を分かち合う。二十年以上彼女と共にいるけれども、本当にふたりとも、人生が山あり谷ありで笑ってしまう。笑うしか、ない。
彼女と出会った二十数年前、毎日のように国際電話を繋いで互いに泣きながら励まし合っていた。それからもお互いこれでもかってほどいろんなことがあって、そうしてそれでも生き延びてきた。
よくもまぁここまで生きてるもんだ、と、いつもふたりで笑い合うけれど、本当に笑い飛ばす以外にお似合いの術が思いつかない。

そういえば昨夜は家人が「久々にのんびりふたりでおやつでも食べようか」と言うので、コンビニまで出掛けておやつを買い込んで、家人は酒を、私は生姜茶とはとむぎ茶のブレンドをホットで、酌み交わした。
家人が報告しておきたいことがあるんだと言うので耳を傾ける。彼の言い分があまりにストレートすぎてちょっと笑ってしまう。そうして二時間ほど、夜をのんびり過ごした。何だかもうずっと前のことのように思えるけれど、確かに昨夜の出来事。

今日は満月。スノームーンと呼ばれる満月だそうだ。知らなかった。確かにベランダから月を見上げると、白く透き通って見える。
美しい、月。


浅岡忍 HOMEMAIL

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