ささやかな日々

DiaryINDEXpastwill HOME


2021年02月19日(金) 
通院日。自転車に乗って駅まで。段差を越える時自転車が振動して腕に痛みが走るから、その時は微妙に手を緩めて、振動の伝わりが半減するように気を付ける。紅葉坂を下る時も努めてゆっくりで。
電車の中、座席が空いたので座り、半藤一利著「語り継ぐこの国のかたち」を読む。読むほどに面白くなってきて、もっと日本史の勉強をしておくんだったと後悔してしまう。日本史の、怨みつらみの絡み合った様が苦手だった学生時代。それでももっと、勉強しておくんだった。まぁ今そう思うのだから、今からやればいい、とにかく読む。
そうしているうちに病院の最寄り駅に到着。今日は久しぶりに、ちゃんと駅で降りることができた。ここ何回か、いつも一駅二駅越えてしまっていたから。
カウンセリングでは、体調をまず訊ねられる。ぽつぽつ応えた後、本題へ。1月29日怪我をする前のカウンセリングでの私の様子のおかしさに触れ、記念日反応のあれこれに触れ。私の抑圧された記憶にちょこっと触れ。
本当はあなたにはたくさんの意志や気持ちがあるのよ。それをいつもいつも否定されるか抑圧されるかしてきたことを今も引きずってしまっている。でもそれは過去で、今は今なのよ。カウンセラーの言うことは尤もで、私も頷かずにはおれない。なのに、実際はどうだ。今もずるずるべったん引きずり倒れ伏す私がいるばかりじゃないか。
抑圧された、否定された記憶たちを思い出したくないから私の脳が拒絶する。全力で拒絶する。その結果、危険を察知すると即座に、相手の言葉が異国語のように聞こえてきてしまうという具合になる。異国語、いや、宇宙人語とでもいおうか、私にとってはただの音声、言語ではない音声として捉えられるようになってしまう。
その直前何が起こっているのか。私の裡で。
私の内奥を辿りながら、私はどんどん疲弊していくのを感じた。そこに向かうにはまだ気力が精神力が足りてない。そんな感じで。
しかも今カウンセリングは二週に一度。このペースだとどうしても私の中に空白ができてしまう。カウンセラーと向き合い、そのことで頭を抱える。さて。どうしようか、と。
また、私がそのことで雁字搦めになるとまた解離を起こして階段落ち、なんてことになりかねないから、それは一番避けたいことだよねー、ということで、とりあえず「棚上げ」することに。
「棚上げ」。難しいのだ、これが。一度気になってしまったことを「棚上げ」にして「保留」にしておくということの難しさ。でも、これ以上家族に迷惑をかけることもできない。怪我が増えたら家中とんでもないことになる。
主治医とも相談し、とにかく今は、身体を治すことを最優先に、ゆるゆると過ごそう、と話す。
受刑者さんからお手紙が届いている。読みながらちょびっと涙が込み上げた。私は何をしてるんだろうなあ、と、空を見上げた。夕暮れた空に棚引く雲が、滲んで見えた。


浅岡忍 HOMEMAIL

My追加