ささやかな日々

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2021年01月05日(火) 
定期的に寝床を覗く。オットと、息子が寝ている。その息子の隣にはサスケが寝ている。息子とサスケは今夜は向き合うように横になっており、戸の陰から見つめているととっても仲良しの兄弟に見える。サスケは犬だけど。
今ちょうど彼らの体重は同じくらい。身体の大きさもだいたい同じ。オジサン顔のサスケに童顔の息子、だからこんなふうに並んでいるとサスケがお兄ちゃんで息子が弟みたいに見える。
と、ここまで書いたところで物音がしたので飛んでゆくと、サスケが扉のところまで出てきており。あら、ついさっきまで仲良ししてたのにどうしたの?と声をかけると、自分のケージにつつつと入ってゆき、水をがしがし飲み始めた。ああそうか、息子と並んで布団に入っていたサスケにとっては暑かったのだと気づく。サスケの頭をくしゃくしゃっと撫でると、サスケは丸く大きな潤んだ目でこちらを見上げてくる。
緊急事態宣言がまた出されるんだという。
懇意にしている喫茶店のマスターたちの顔が脳裏に浮かぶ。大丈夫だろうか。大丈夫なわけがない。でもどうしようもない。このもどかしさ。
六月の展示に向けて最後の撮影を今月来月で為そうと思っている私にとっても。
コロナとのおつきあいは、年単位と覚悟している。だから、ここで緊急事態宣言が出ても基本うちの家族の生活は変わらない。でも、うちは変わらなくても周りが変われば、否応なくそれによって強いられるものが出てくるわけで。
コロナに対する人々の温度差も、きっとこれからますます大きくなるんだろうな。窓の向こうに広がる夜闇をぼんやり見やりながら、ため息ひとつ、ついてみる。
神奈川県座間市のアパートで2017年、男女9人の遺体が見つかった座間9人殺害事件で、強盗・強制性交殺人罪などに問われた白石隆浩被告の死刑が5日に確定したという。
死刑について、昔は仕方のないこと、と思っていた。でも、いつからか私は、死刑反対に傾いていった。今ははっきりと、死刑は反対だ、と言う側にいる。
こう言うと、自分の身内が殺されたりしたことがないからそんなことが言えるんだ、と言われるかもしれない。でも。私は、死刑なんて簡単な死に方をさせたくないだけだ。生きることの方がずっとしんどい。死ぬことの方がずっと容易い。そう考える人間というだけだ。決して、死刑なんて可哀想、という立場ではない。
終身刑、というものがこの国にもあったらいいのに、とつくづく思っている。「税金の無駄遣い!」という意見を時々目にするけれど。確かにそういう一面もあるかもしれないが、それでも、「簡単に死なせてなんかやらねえよ」と思うのだ。
そういう意味で、私は誰より、冷たいのかもしれない、と思う。


浅岡忍 HOMEMAIL

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