ささやかな日々

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2020年08月26日(水) 
毎朝、朝顔の弦を丹念に見つめる。そこについている種の様子を調べるために。ちょうどよく色づいた種をそっととる。来年また息子と植えられるように。ちょっと気を抜いて放っておくと次々弾けてしまうから、毎朝必ず。今朝は三つほど採取できた。
先日から我が家のベランダのお友達になった竜胆の、蕾が、綻び始めた。内側の鮮やかな青色がほんのちょこっと見える。ちゃんと開くのにはまだ一日、二日、かかりそうだ。楽しみでならない。
今週と来週の二週間、緑のおばちゃんをやっている。黄色い旗をふりふりして、子どもたちを交通事故から守るっていう、あの、PTAの係だ。やり始めてすぐ、ランドセルって偉大だと気づかされた。
ランドセルを背負った子供にすぐ気づけるから旗をすっと差し出せる。迷わず車を止められる。これまでランドセルなんて重たいばかりで邪魔だと思っていたけれどそうではないんだな。ランドセルは目印なんだ。
私が立つ場所は急坂と急坂に挟まれた狭い谷間で、だから車が勢いよく走り込んでくる。でもそこに黄色い目立つ旗を持っている誰かが立っているとそれだけで車はスピードを緩めてくれる。左右を確認してから再び走り出す。こちらの旗もまた、目印になっている。
二週間も暑い最中嫌だなあと思っていたけれどそうでもないなと思い始めている。挨拶すると返事してくれる子もいればうつむいてそのまま行ってしまう子も。会釈しながらにっと笑ってくれる子も。みんなそれぞれ。
ともかくも来週末まで何事もなく過ぎますように。

ところで。私は誰かに本を贈る、という行為が結構好きだ。そのひとのことを思いながら、この本がいいかな、あの本がいいかな、いやあっちかな、なんて、想像を膨らませている時間が大好きだ。自分が読んできた本の中から、あ!これはあのひとに合う気がする!と思うときなんて、どきどきする。読みながら誰かの顔が脳裏に浮かぶと、わくわくする。
今日は、文通中の方に贈るため五冊の本を選んだ。一冊は彼からの注文のあったものをそのまま贈るのだけれど、残りの四冊は、彼が今、そしてこれからまだ十年近くは置かれているのだろう場所を考えて、想像力を羽ばたかせやすそうな上質なエッセイや日記類を選んだ。気に入ってもらえるフレーズが一個でもあるといいのだけれども。梱包し宛名を書きながら、無事に届きますように、と声にしていた。

手紙や荷物を送る時、それがこれまで何度もやりとりしている相手であっても、私は「無事に届くかな?大丈夫かな?」と心配になってしまう。そして宛名を書きながらやっぱりいつも、「無事に届きますように!」と声にしてしまう。まるで、そう声にしたならきっと届くと信じられるかのように。

いつの間にか、暑さのピークを過ぎている気がする。いやもちろんまだまだ暑い夏なのだけれど、空に遊ぶ雲の様子などを見つめていると、ああ、秋が近いな、と思うのだ。


浅岡忍 HOMEMAIL

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