ささやかな日々

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2020年08月18日(火) 
夕刻犬と散歩。冬は夕飯前に散歩に出掛ける。でも今は夏。しかも猛暑の毎日。だから夕飯を終えて少し暗くなり始める頃出掛ける。
犬を連れた人たちとすれ違うたび、こんばんはと挨拶を交わす。犬同士が匂いを確かめ合うこともあるのだけれど、うちの子はすぐ尻尾を振って飼い主さんの方に近寄ってしまうから、ワンコから見たら「自分の飼い主を盗られた!」と、勘違いされて吠えられてしまうこと多々。だから最初からリードを短めに持ってすれ違うよう心掛けている。
それにしても、うちの子はいくら吠えられてもうんともすんとも吠え返さない。そもそも彼がワンと吠えているところを私はこれまで見たことがない。たまには吠え返せよと思うことも正直あるのだけれど、彼は一向に気にしないらしい。黙ったまま尻尾を振っている。不思議そうな顔でこちらを見上げることもあるほど。
子犬の時からそうだった。彼をペットショップで見つけた時、彼はしょぼーんとしていた。売れ残ってしまっていたからだ。もうずいぶん長くそこに居続けていたんだろう。私達が近寄るとぶんぶんと千切れんばかりに尻尾を振っていたっけ。
連れて帰ると「ここはどこ?いったい何が起きたの?」という困った表情で私に抱かれていた。その時家人が撮った写真を見るたび、ちょっと切ない気持ちになる。

今日の夕空には、うねった巻き毛のような雲が拡がっており。地平線に近づいている太陽から発される茜色の陽光が下からそれを照らして、不思議な色合いを醸していた。少し強い風が樹々の枝を揺らし、眼を閉じて耳を澄ますとざわわざわわと音が聞こえてくるのだった。
夕飯を食べ終えた後だというのに、犬は草と土と枝をがしがし食おうとしており。何度もダメ出しをするのだが「何か?」と知らぬふりをされる。仕方なくリードを短く握り、私の左側にぴたっとくっつけて歩く。途中、黒ラブの子犬とすれ違う。まだ三か月だというその小さな真っ黒なお目目がかわいくて撫でさせてもらう。女の子だという。私が撫でてるのに彼女のお目当ては私ではなく犬の方で、一生懸命背中に手をかけては遊んで遊んでと尻尾を振っている。たまらない可愛さ。

途中へびいちごの実を見つけ犬に差し出す。この実を食べるのが大好きな我が家の犬は私の掌を涎だらけにしながらぱくぱく喰らう。
約一時間の散歩はあっという間に終わり。でも、先日熱中症になったばかりの彼は散歩が終わる頃にはぜぇぜぇ息が上がっており。毛繕いをしてやってから抱いて家に帰る。25キロの身体を毎度毎度抱いて運ぶのは結構辛い。私が何歳になるまでこれをこなせるのかなあとちょっと途方に暮れている。


浅岡忍 HOMEMAIL

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