ささやかな日々

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2020年06月11日(木) 
 あまりに風が強くて窓もまともに開けていられない。丘の突端に建っている我が家、吹き付ける風がぶつかり合って細目に窓を開けていても壁に貼っているあらゆるものが翻るという具合。参る。
 ネモフィラは全滅しそうだ。息子とふたりプランターの前しゃがみこんでがっかりする。せっかくあそこまで育ったのにね、と言い合う。それに反しコンボルブルスや向日葵は必死に葉を伸ばし懸命に立っている。ありがたいことだ。朝顔は弦を順調に伸ばし、この強風にも負けじと絡まり合っている。
 カブトムシ四匹のうち三匹までが羽化成功。雄、雌、雄の順に羽化。残り一匹、さてどうなることか。無事に成虫になってくれることを祈るばかり。それにしても。友達のところはまだ蛹にさえなっていないと聞いた。うちはフライングか? にしてもフライングしすぎでしょ、と息子と顔を見合わせる。カレンダーはまだ六月。
 雨が降ってきた。粉のような雨。唸る風に乗ってあっちこっち飛び回るから、これ以上窓を開けていられずすべて閉めた。一気にむわっと部屋の中が蒸し暑くなる。仕方なく、家人がいないことをいいことにクーラーをつける。
 分散登校。何とか今日まで続いてる。でも、学校からは、放課後友達と遊んだりしちゃだめというお達しがきて、息子が困っている。遊び盛りの二年生に一体何をして過ごせというのだろう、と心の中思わないではない。これもコロナだから仕方がないと流せばいいのだろうか。私はそんな容易に流す気持ちになれない。
 伊藤詩織氏が提訴した件を受けて、SNS上に彼女を応援するメッセージが溢れている。彼女を支持します、連帯します、というメッセージ。声をあげなくちゃ、ひとりにさせちゃいけない、とみなが口々に言い、そのメッセージが掲げられている。
 それをぼんやり眺めながら、時代は変わっていってるのだな、としみじみ感じている。私がネット上に性犯罪被害の体験記をアップした頃は、こんな空気、あり得なかった。嘘つき呼ばわりは当然、セカンドレイプ発言が後を絶たず、結局私はサイトを閉じた経験を持つ。三年踏ん張って、アップした三年後に削除した。丸ごと。

 時代は確実に、ちょっとずつかもしれないけれども確実に変化し続けている。それはとても素敵なことだし、応援したい。
 でもそれと同時に、性犯罪者にGPSを装着義務というニュースが流れ、複雑な気持ちになる。卜部敦史監督が描いた映画「SCOPE」と似通った世界が現実になろうとしている今。それは本当にいいことなのか? どうなのか? と、私は自問自答し続けている。


浅岡忍 HOMEMAIL

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