てくてくミーハー道場

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2019年07月27日(土) 『嘘と勘違いのあいだで』(六本木トリコロールシアター)

邦題ださっ←





もっとも、原題の『Relatively Speaking』をスムーズに訳すのは結構難しい。直訳すると「どちらかっていえば」ってなるので、これを芝居のタイトルにしたら意味わからんくなる。

それにしても、これは何とかならんかったんかと思って観ていたが、あれ?この芝居ぼく前に観てないか?と思った。

4年前に観た『とりあえず、お父さん』じゃねーか。

このタイトルも原題の要素ゼロだけど。皆さん苦労してるのね。エイクボーンの皮肉屋さんぶりの面目躍如みたいな感じです。

で、大枠の内容は覚えていたんだけどラストシーンは忘れてたので(こういう頭の悪いところがやたら芝居観る上では意外に便利)大変楽しめました。

キャストもガラッと変わってたのでそういう意味でも楽しめた。(藤原)竜也君バージョンからはぐっと若返った分、印象も一新。

グレッグ&ジニィの若いカップルには正直未熟さを感じました。特に、グレッグがベッドの下から自分のものじゃない男物のスリッパを見つけてジニィの浮気を疑い始めるシーンは分かりにくかった(グレッグ役の辻本祐樹君のせいじゃなくぼくが鈍いせいだったのか?でも竜也君の時はここで「あれ?これどういうこと?」って思わなかった記憶が)

ジニィもなんか嘘ばっかりついてて性格悪い印象。本仮屋ユイカちゃんはこんな「この子嫌な子だな」って感じがしなかったのに(これまた新垣里沙ちゃんをディスって申し訳ない)



一方、中年夫婦の方は若返ったことがむしろ良くて、フィリップは枯れたエモっちゃん(柄本明)がやっても実感がなかったのに(失礼)、栗原英雄丈がやると、いかにも会社の若い子に手を出しそうな「オレまだまだいける」勘違いをしてる中年の色気みたいなのが出てて重畳(例によって褒めてんだか何なんだか)

チカちゃん(水夏希)のシーラは、ゆう子姐さんのおっとりぶりというか貫禄には及ばなかったが、どこか天然ぽいお育ちのよさげな女性の感じが出ていて好きになれた。

ていうか、この4人の中で、シーラだけが“嘘”もついてないしグレッグほど“勘違い”もしてないわけで。観客が一番緊張しないで観てられる人だから得な役柄ではあるんだよね。



そもそもウェルメイドの典型みたいな芝居なので、最後まで楽しく観られました。

このコヤは去年の3月にできた新しいコヤで、ぼくは初めて入ったんですが、一階がカフェ、二階が小ぶりな劇場というお洒落さんな感じ。客席に行くのに狭い階段上るしかないという小劇場な感じが若干気になりましたが、作品次第では今後も行ってみたいと思っています。

六本木行くのはけっこう久しぶりだったけど、ごちゃごちゃした界隈からは少し離れていて周辺の雰囲気は結構良かったです。


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