てくてくミーハー道場
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2018年11月25日(日) |
日本テレビ開局六十五年記念舞台『魔界転生』(明治座) |
日本テレビ開局六十五年記念なら、正月あたりにテレビドラマでやればいいのに(いきなり憎まれ口)
まあ、そうしたら多分ぼくは視ないで終わっちゃうと思います(だろ?)
なので、舞台にしてくれて良かったよ日テレさん。
てか、同じストーリーでおそらく同じキャスト(特にメインの皆さん)であろうに、只で視れるテレビは視ないくせに、高い料金(こら)の舞台は観に行くって、どういう精神構造なんでしょうね我ながら。
なんか、ほかのことに気をとられながらリラックスして視るものって、ありがたみがないというか。
お金払ってチケット買って、わざわざ劇場まで行って、舞台上の役者からも見られてる(もちろん顔なんかは全然判別されてないんだろうけど、役者は観客の雰囲気をばっちし感じながら演じているはず)状態で、見ず知らずの“仲間たち”と一緒に一つの作品を観る、っていうのが何とも言えず楽しいのです観劇って。
もちろん、今回の作品が『魔界転生』だからこそ来た、っていうのもあります。
ぼくら世代は1981年公開の角川映画が刺さったド真ん中世代なので、そらもう期待はMAX。
山田風太郎の原作ももちろん読んでおります。エロイムエッサイム←
で、観た感想を一言で言いますと。
上川隆也と松平健がカッコええ
以上です←
件の角川映画も、原作を損じずに柳生十兵衛を中心にあらゆるメインキャストたちが生き生きと描かれていたんですが、実際封切られてみれば一般大衆はどいつもこいつも『寺内貫太郎一家』で樹木希林さんが演じたおばあちゃんみたいに、
「ジュリ〜〜〜ッ!」
と身をくねらせていたもんです。
そんぐらい、天草四郎を演じたジュリーこと沢田研二さんの当時の妖艶さったらたまらんものがありました。
(でも正直ぼくは、辻村ジュサブロー先生製作の天草四郎人形の首がぶっとぶテレビCMの方に圧倒的にヤラれてました。美しすぎてゾクゾクしたなぁあれは)
映画を最後まで見れば、やっぱり十兵衛(千葉真一←若かった!)と但馬守宗矩(若山富三郎←未だに目に残る貫禄とカッコ良さ)の父子対決が一番目に焼き付いたんだけどね。
というわけで、今回の上川十兵衛と松平但馬守(なんかややこしいな)のサシの勝負もしびれました。
ストーリー上だけじゃなく、俳優同士のぶつかり合いも見ごたえあり。
これやっぱ、テレビか映画にした方がモトとれたんじゃないのか?(大きなお世話)もったいないよ、映像に残しとかなきゃ。と思いました。
そういや今回は六十五年記念だが、思い出せば日テレは開局六十年(といっても2014年)にも記念作品を上演していた。
それが、今回の舞台ともリンクしてた『真田十勇士』
舞台版は2016年に再演され、同時期に同じキャストで映画版も製作された。ぼくは例によって舞台版の方だけを観たんだけど、これが実にややこしいことに、日テレ製作版と別に、舞台版『真田十勇士』が2013年に上演されてて、それはTBSの製作だった。
これに真田幸村役で出てたのが上川隆也で、日テレ版で幸村を演じてたのは加藤雅也だった。
つまり、上川君は今回の『魔界転生』と世界観がリンクしている『真田十勇士』にとってはパラレルライバル()なのだ。
ちなみに、しっかり日テレ的リンク()をしていたのは、『真田十勇士』再演でも今回も淀殿を演じていた浅野ゆう子女史と、根津甚八と秀頼の二役をやってた村井良大君。
役が違うけど、堤(幸彦)組つながり(?)で、山口馬木也、野添義弘、栗山航、丸山敦史などの面々が出演。
そして、『真田十勇士』では家康を演じていた松平健が今回は宗矩と、正直頭こんがらがりまくりでした。
で、前作とは関係なく、一番注目されるキャストに溝端淳平君。
ジュリ〜〜〜ッ!のイメージが染みついた天草四郎を演じるにあたっては、さぞや重量級のプレッシャーもあったかと思いますが、なかなかしっかりと演じており感心しました。
『ムサシ』で佐々木小次郎を演じた経験が、かなりプラスになっていたのではないかと(とかいって観てないのゴメン)
そして、ザッツ・ヒロインのお品を演じた高岡早紀女史。美しく清らかで良いヒロインでした。
ところで、映画でこんな役あったっけ?(多分・・・なかった)
淀殿も出てこないよね?『魔界転生』で活躍する女は細川ガラシャだったと記憶してるが。
このあたりは、自分ら(作・マキノノゾミ、演出・堤幸彦)で創った『真田十勇士』へのオマージュってやつだったのかもしれない。
とりあえず、一言で言ってしまえば高級エンターテインメントに徹した内容と演出。満足いたしました。
ただ、最後にケチつけちゃって申し訳ないけど、ギャグは今ひとつだったかな。
出演者にダンスをさせたカーテンコールは楽しくて良かったです。
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