てくてくミーハー道場
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2018年11月24日(土) |
十八世中村勘三郎七回忌追善『平成中村座 十一月大歌舞伎』昼の部(平成中村座) |
噂には聞いていたが(?)、今の浅草は半端なく観光客がすごいです。
確かにもう十年以上前から、浅草は一時の落ち込みから回復し活気を取り戻していると言われてきていたのですが、ここ数年は、その時に安堵した以上の賑わいを見せています。
とにかく異常な混雑です(いけない?)
いや、いけなくないです。喜ばしいことです。
仲見世だけでなく、その周辺も常時人であふれ、なんつっても、周囲から聞こえてくる会話の“日本語率”の低さには、誇らしさとともに戸惑いまで感じます。
でもやっぱり、嬉しいかな。
さて、なかむら屋(十八世勘三郎)の“遺影”を見るのが未だに嫌なので先月の歌舞伎座にすら行かなかったぼくですが(大損だったと例のフジテレビ番組を視て今頃後悔してるが)、平成中村座だけは何となく足が向くので、今回はチケットが買えた昼の部だけ観に来ました。
浅草にこのコヤが建つのは三年ぶりだそうで、ぼくも三年ぶりに来たことになります。
波野兄弟の順調な仕上がり()ぶりは他の芝居でもちょいちょい拝見しているので、安心100パーセントで気楽に見物するつもりで来ました。
長三郎の初の大役(太郎吉)も、じいじばあば目線で「カワイイ」「よくできまちた◎」と言ってりゃいいので(オイ)、その辺も気楽でした。
ま、実際〈実盛物語〉に関しては、勘九郎の容姿がすばらしく立派で美しく、最初から最後まで満足。あえて言えば、頭身が二十一世紀かなあ(昔の人は「五頭身」がグッドプロポーションだったので)とは思いますが、現代人の目で見れば、今の彼ぐらい(七頭身)が一番かっこよく見えます。
声も、かつては「お父つぁんソックリだよお(T-T)」といちいち泣いてたんですが、最近はそんなに気にならない。
長三郎は、もう「教えられたとおりにきちんと」やってたので、それだけで花丸上々吉でした。
新悟ちゃん(葵御前)は、また背が伸びたんか?つうぐらい長身が目立ってて、これから女方やっていくのにどうするんだろう。男役(?)転向する?(宝塚じゃないし!)
いや、もう身長はしょうがないので、何とか芸の力で女方道を突き進んでいっていただきたいと。これからは立役も若い子が増えればどんどん平均身長が高くなっていくだろうから、大丈夫でしょう。
児太郎は、今んとこ感想を抱くまでには至っておりません、残念ながら。今回のように小万を演るくらい役が大きくなってきたので、今後いい役がどんどん回ってくるでしょう。その中で成長していってほしいと思います。
で、児太郎の話になったので、先々月するつもりだった話を今しますと、福助が奇跡の舞台復帰を果たしたということで、ジャスト同年代として安堵するとともに、心からお喜び申し上げます。
近年のぼくは歌舞伎に関して全くの情弱状態だったので、八月に『NARUTO』を観に新橋演舞場に行った時、置いてあった九月の歌舞伎座のチラシをふと目にして、そこに福助の写真があるのを見て、
「いつの間に復帰してたん?!」
と驚きました。
いつの間にってか、その『秀山祭九月大歌舞伎』が復帰の舞台だったんだけど。
その舞台に、何が何でも駆けつけるほどの贔屓ではなかった(ぶっちゃけますなあ)ので、結局行かなかったんだけど、彼の回復は心から嬉しく思っています。復帰舞台「金閣寺」では、座りっぱなしの慶寿院だったのだけど、セリフはきっちり発声していたそうなので、そのうち動きのある役もできるのではないかと。
そうしたら改めて拝見しに行きたいと思っております。
閑話休題。
さて今回の「実盛物語」、勘九郎はまあ当然のこととして、亀蔵丈(瀬尾)にすっかりヤラれました(T△T)
まったく、お手本の瀬尾。前半の憎々しさにスパイス的な愛嬌をプラス。後半“モドリ”になってからの慈愛。もう言うことなし。
落ち入りでは平馬返りもやってくれて(一旦立ち上がるという荒業(コラ)だったけど)拍手喝采でありました。
〈近江のお兼〉
お待ちカネの七之助のおカネ(オヤジダジャレはやめろ)
こちらも申し分なし。
リボンさばき(新体操じゃないんだから)も鮮やかに、D得点E得点・・・すみません、ルールあんまりよく知りません(だから新体操じゃないっつの)
なんか不思議だったのは、玉さん(玉三郎)でも福助でもなく、時蔵丈に雰囲気が似てたところ。
馬の中の人()も素晴らしい演技でした。飼葉料をはずんでやってくださいね。
〈狐狸狐狸ばなし〉
何度か観ていてオチも知っているけど、やっぱり何度観ても面白い。
ただ、扇雀(伊之助)がかわいそうだったのは、こちとらになかむら屋の伊之助の面影が染み付いちゃってること。
フグ鍋を「あれ?味が変」とか言いながらパクパク食べるあの可笑しさ、やっぱなかむら屋じゃないと出せない。
芝翫(重善)は、ちょっと頼りがいがありそうなあたりが逆に難点。もっとダメンズでなきゃ。この役は、海老蔵が過去最大にはまってた(それどういう意味?!)。あれを観れたぼくは果報者と思う。
七之助はするすると簡単そうにおきわを演っててこっちもラクに観れた。こんなあばずれをラクそうにできるようになったのかと、若干複雑な気持ちにもなったが(←)
で、今回の「ておどるが選ぶ最優秀平成中村座賞」(勝手に設立)は。
中村虎之介君(又市)です!おめでとう!!!\(^^)/パンパカパ〜ン!
いやあ、子役時代からちょっと“パねぇ”子だなとは思っていましたが(そんなに大した数観てなかったくせに)、無事才気を保ったまま成人してくれて、おばちゃんホンマに嬉しいワ。
(ただし百点満点というわけではなく、“素”の又市は演じるのが難しそうだった。素でしたたかな男を演じるには、まだ人生経験が足りないのかもね。まだ二十歳だもんねえ)
もし夜の忠臣蔵にも出てたら絶対行ってたんだけどな(「五條橋」に出てますぜ)・・・ぬ、踊りの実力も確かめてみたいな・・・でも・・・明日の夜はもう別件が(←無計画)
残念だ。しかし、この年代がもう続々と花形になってきてるんだねえ。うっかり歳とってらんないな。
ええと、虎之介の次の舞台は・・・来年正月の松竹座か・・・大阪・・・(大阪なんて昔は平気で行ってたのに、何だその躊躇は)
久しぶりに宝くじでも買うか(こういう人は絶対当たらない)
よし、観音様でおみくじひいて占ってみよう。
「凶」(≧∇≦)ひゃっひゃっひゃ(←情緒不安定?)
何年かぶりに浅草寺名物()「凶」が出たので、むしろラッキーと思っとこう(ポジティブ思考!)
・・・正月にリベンジしてやる・・・(←結局気にしてる)
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