てくてくミーハー道場

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2018年03月17日(土) ミュージカル『ジキル&ハイド』(東京国際フォーラム ホールC)

もちろん傑作なんですが(ぼくの個人的意見では、ワイルドホーン作品の中では最高傑作)、上演の度に欠かさず観るほどでもない作品で(おいこら)

今回来たのは、やはり新キャストに惹かれたってのが大きい。

アターソンを(田代)万里生、ルーシーを(笹本)玲奈。これがデカい。(他のキャストの皆さん、ごめんなさい)

シャレ(?)的な部分では、エマ役の新キャストを宮澤エマちゃんが担当。彼女にもちょっと期待した。





で、実際に観た感想。



まず、田代万里生が上々吉。

アターソン役はなぜか上演されるたびにコロコロ変わっているのだが(石川禅ちゃんのみ2005年と2016年の2回登板)、アターソンを誰が演じるかでこの作品の面白さがガラッと変わると言っても過言ではないとぼくは思っている。ただしぼくは過去7回の上演のうち5回しか観ていなくて、しかもそのうち3回分しか断片的に覚えていないというけしからん客である。

だがその断片の中でも、禅ちゃん版アターソンを観たときに“初めて”「アターソン役って、大事なんだなあ」と思ったことを鮮明に覚えているので、それ以前のアターソンが誰だったのかとか調べないように!(こんなこと書くと逆に調べるだろが!)

で、今回の万里生アターソンも、適度にチャラくて()友達思いで、性格軽いくせに職務は有能で、特に今回のアターソンで一番グッときたのが、ジキルに頼まれてルーシーに「ロンドンから出ていきなさい」と言いに行く場面のジェントルさ。

よく考えると、マリオ君てさほど“主役俳優”ではないんだよね。やってる役、主役ばっかりではない(もちろん主役も多いが)。だけど必ずその作品をキリッと引き締めるお芝居をしている。

好きだっ!マリオ!!!(何故このどさくさで告白?)

次回作は久々再演(といっても、今度から甚だしく改作されるらしい)『マリー・アントワネット』のフェルセンか。

おおお〜!行かねば。



で、婚約者(エマ)からSM遊戯のお相手(ルーシー)に昇格()した玲奈ですが、とにかく心配だった「色気があるかどうか」(失礼な!・・・でもナットク←オイ)の一点ですが、そこらへんは意外に・・・というか、むしろ期待以上にアバズレ感があり、「そうか・・・玲奈ちゃんもすでにそういうお年頃(略)」と一抹の寂しさを味わったのでありました。

芝居を観るうえで俳優の私生活をいちいち重ねるのも実に失礼な話だが、ピーターパン玲奈ちゃんも実はすでにお子さんもいる人妻なのであるよな。それで色気がなかったらむしろやばい。

でも、おそらくぼくの思い込みであろうが、なんか“苦戦”してたようにも見えた。

なあんか違う。

マルシア姐さんからのハマメグ姐さんという、色気の権化のような()歴代ルーシーがこびりついてるからだろうか。

「おー、頑張って色っぽく歌ってるな」

という感想になってしまった。

あと、初演から振付(?)が変わってしまった「Dangerous Game」の演出が、なんかぼくは気に入らない。

情緒がないというか、下品な感じがして。

野獣男と娼婦のエロシーンなんだから、下品とクレームつけること自体おかしいのだが、それもこの作品の「格」みたいなものに関わってくるような気がするんだ。

ちなみにルーシーのビッグナンバー「A New Life」は、やっぱり「今歌ってる場合か!」という感想になってしまいました。残念。



エマちゃん役のエマちゃん(要するにこれが言いたいだけか)

・・・おかしいな、この人歌うまかったはずだよな。(えっ?)

なんか、予想を覆された。

いえ、別に下手ではなかったんですよ。

でも、そうね、ルーシーと拮抗するレベルのエマではなかった。

上手なエマだと、ラストシーン、ステキに泣かされるんですよ。

でも今回は「あー(ヘンリー)死んじゃった。かわいそ」程度の感想しか沸いてこなかった。










だけどね、実は今回、一番強い印象だったのは、大きな字では書けないので小さな字で書きますが、

石丸幹二さんが、思いのほか全然良くなかった

ということなんです。

なんかなー。

ぼくが思い描いてたジキハイとことごとくズレがあるという感じ。

ヘンリーの第一声「やーみのなかー♪」を耳にした瞬間から、

「あれっ、なんか違う」

と戸惑ってしまった。

なんていうか、「声が弱いなあ」と。

天下のイシマルカンジに向かって「声が弱い」とは恐れ入ったことだと思うのだが、多分これは、ぼくがいつも聴いてるジキハイCDが、Anthony Warlow版だからなのではないでしょうか。

めっちゃすごいんよ、この人の声。

Anthony Warlowの歌で覚えちゃったら、およそ誰のバージョンでも物足りなくなっちゃうかもしれないけどね。

いやあしくじった(妙な反省)

まあぼく的にはこのミュージカル、どっちかっていうとアンサンブルのナンバーの方が好みってのもあるんで、そういう意味では十分満足しましたけど。

事件♪事件♪(←これか)

あと、「Facade」の「稼ぐ以上に使う女〜♪」っていう歌詞も好き(笑)

高平哲郎先生は、つくづく天才ですな( ̄- ̄ )


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