てくてくミーハー道場
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2018年01月27日(土) |
宝塚歌劇団雪組公演『ひかりふる路〜革命家、マクシミリアン・ロベスピエール〜』(東京宝塚劇場)※ショーの感想は別日に更新 |
待ちに待った“最後のスーパー二番手”だいもん(望海風斗)のトップお披露目公演なのですが、演目(と演出家)が発表されてからは、正直いやな予感しかしていませんでした。
その予感、当たっちゃったぞ・・・
ん? 何か言った?
はい、言いました。←珍しく開き直り
うんとね、タカラヅカとこの時代のフランスの親和性が絶大なのは認めますよ。
最大の財産である『ベルサイユのばら』を筆頭にその外伝、近年では『1789』や『眠らない男ナポレオン』、そして外側から見ている話だが今回の題材と時系列がまったく同じの『スカーレット・ピンパーネル』と(あれ?思ったよりオリジナル脚本が少ない。けしからん)、ヒット作が目白押し。
いくらでも話が作れちゃうフランス革命にタカラヅカは足を向けて眠れない(←ちょっと意味がわかりません!)
だが、いくら話が作れちゃっても、いくらマリー・アントワネットやナポレオンじゃ手垢がついてるなーと思ったとしても、
「なんでロベスピエール?」
と思いますよね思いませんか?(えーと・・・)
とりあえず有名人()を出しとけ、みたいな感じですか?
これが幕末ものなら、坂本竜馬や新選組が使い古されてれば、勝海舟やら西郷隆盛やらいっくらでも主役を出してこれる。まあ、何を血迷ったか()桐野利秋を主人公にしちゃったセンセイもいたけれども(語るに落ちたぞ)
・・・う、ごほん。と、とにかく(汗)フランス革命を題材にしたときによく脇役で出てくるけど、この人たちって何者? って人の一人を主人公にしちゃうのってオレ鋭くない? みたいにいっくん(←変なあだ名をつけるな)は思ったのかしら。
ロベスピエール。(←非常に不満げ)
どう料理しても珍味以上になりようがナイ気が。
だってさ、結局革命後のフランスを、頭でっかちの理想論で血みどろの大混乱に陥れちゃった連合○軍リーダーみたいな(ご、ごほっ)人なんですよロベスピエール。
そんな事前の偏見むんむんで観たせいか、観劇後の気分はどんよりもいいとこでした。
ラストシーンは、テルミドールのクーデターで投獄されたロベスピエールが、(架空の恋人である)マリー=アンヌと涙の別れをして、タカラヅカの主人公らしく潔く断頭台へ向かうみたいな幕切れになってたのだが(これは『ベルばら』のアントワネットオマージュなのかしら)、「こんなんでカタルシスになるとおもっとんのか!」とぼくは心の中でブチブチ。
いっくん(生田大和センセイ)のホンは合わんわーぼくには。
なんだかダメだわ。
そもそもマリー=アンヌの設定が、「革命で理不尽に処刑された貴族の生き残りで、憎いロベスピエールの命を狙って密かに近づくが、身近に接しているうちにその理想に感化され愛を(以下略)」
使い古されパターン!(怒) (´-`)いーじゃないですかータカラヅカの王道ですよ?
うむむむ・・・確かに(自家撞着)
まあ、ストーリーに関してはさように不満たらたらのぼくでしたが(途中で「早くスカピン一味が来てくれないかなー。こいつダメだ」と心の中でブツブツ←)、生徒には甘いヅカオタ。というか、
雪組生、すごいじゃん
と瞠目の至りだったのです。
だいもんが何でも出来るのは知ってたけど、まず、新相手役きぃちゃん(真彩希帆)の歌の上手さに感服。
うわー嬉しくてブルブルきちゃう(←)
ぼくは、娘役トップは何がなくても(あればもっと嬉しいが)歌が一番肝心だと思っているので。
美人である、超絶ダンス巧者である、お芝居が上手い、確かにそれらも大事。
だが、やはり美しいファルセットを自在に操れる人がトップさんであってほしい。
某組のトップ娘役をディスってるみたいだが、事実を書いているだけです!(開き直り)
だいもんときぃちゃんのコンビは芸名の字をとって「希望コンビ」と名づけられたそうですが、ぼくの心にも雪組への期待と希望がふつふつとわいてきました!(^^)
言うまでもなく二番手昇格のさきちゃん(彩風咲奈)
八重歯のまんまで行くの? と少し疑問なんですが(トップになったら矯正するのかしら。ミキちゃん(真矢みき)もそうだっけな?)、男っぽいデカい体と丸顔ヤエバちゃんのアンバランスが逆に色っぽさをかもし出してるような。
特に今回のダントンは、うまいこと彼女のニンに合わせてあったなー、と唯一いっくんの作劇をほめたいところ。
ダントン自体、ロベスピエールと一緒で史実上は全然萌え要素のない人物ですが、さきちゃんの役作りによって、豪放で友情に厚いいいヤツという造形ができていた。
二番手というおいしい立場を思いっきり享受して男役として熟成してほしいと思っております。
三番手? なのかなー? と不安を感じる(こら)立場のナギショー(彩凪翔)
今回はこってり悪役熟女をふられてたんですが、とっても綺麗でした(^0^)
今頃ふと思ったのだが、ヅカメイクするとなーちゃん(大浦みずき様)に似てるよね。
なんか、それだけで株が上がっちゃってるんですぼくの中で。
出世してほしいなー(祈る気持ち)
そんなナギショーを脅かす(コラ)月よりの使者(違うって!)あーさ(朝美絢)
ロベスピエールに常にさりげなくくっついている“革命の大天使”サン=ジュスト。
すっごい妖しい美少年っぷり。重畳。
『ベルばら』原作に出てくるサン=ジュストは、常に流し目で人を見るようないけすかない(おい)美青年だったが、あーさのサン=ジュストは、むしろ『風と木の詩』のジルベールみたいにとげとげしくて(ほめてます)迫力があった。
上から5番手以下をなかなか覚えられないぼくがあーさを最初に意識して見たのは『舞音』のカオだった。あれもテロリスト(?)だったなそういえば。
世の中を転覆させようとしてる血気盛んな青年役が似合うのかしら。
歌もすごく上手になってたし(ショーでバリバリ歌いまくってたの)今後期待大だなあ。
ロベスピエール、ダントン、ときたらデムーラン。のコマ(沙央くらま)
サヨナラ公演ですね。なので、ショーにも出演し、さらにソロシーンがありました。正直あまりにも唐突に挿入されたシーンだったので「何だこりゃ」と思わないでもなかったんですが、そうか、退団か、それならいいや、と温かく受け止めました。
コマはあっち行ったりこっち行ったりの印象があるんですが()、雪組が一番長いんだね。雪組公演で退められて良かったね。歌劇団、やさしいです。
ぼくにしては珍しく、けっこう若いころ(といっても研7とかか?)から認識してた生徒で、『エリザベート』でシュテファンやってるときに「あれがコマちゃんだ」とか思って見てた。スカイステージの番組でなんか面白いことやっててそれで覚えた気がする。
それから、なぜか女役が多かったというイメージ。同じ役(『PUCK』のヘレン)を演ったからか、コウちゃん(汐風幸)とかぶるんだよな。顔つきもなんとなく似てると勝手に思っている。
歌がいまいちなところも似てるし(おい)、お芝居に心があるところも似てる(へへへ)
ともあれ、今後の人生お幸せに。
さて、他の生徒さんについては大して書くことない。
ちょっと疲れてきたので、陰鬱な本編を吹き飛ばす勢いの(ておどるさん、毒!)スーパーでスペクタクルなショーについては、後日にさせていただきます。
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