てくてくミーハー道場

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2017年01月08日(日) 『エリザベート TAKARAZUKA20周年 スペシャル・ガラ・コンサート』(Bunkamuraオーチャードホール)

今年は冒頭から鼓膜に贅沢させています。

昨日に引き続き渋谷にて美声の洪水を浴びてまいりました。

この「エリザベート」というミュージカル。

なんで日本の(韓国でも人気があるらしいが、なぜかブロードウェイやウエストエンドからはシカトされ続けている)ミューオタはこんなに好きなのか。

日本上陸から20年。これまで折々に考察してみたのだが、未だ明確な答えは出ておりません。

つうか、そんなこと考える必要なんかないんじゃないの?(それを言っては・・・)



宝塚歌劇団雪組が初演したのが1996年2月。

当時の雪組男役トップ・一路真輝さんの退団公演として上演されることが決まったときには、

「トップさんのサヨナラ公演としてふさわしくない(役どころが「死」という縁起の悪さ、元々女性が主役の作品なので役の比重が(通常の宝塚作品に比べて)娘役トップの花聰に偏っている)」

などと難癖()つけられていたのだが、実際に上演されたらあっという間に大評判になり、宝塚史上稀にみる大ヒット作となったのである。

「全部歌」という近年流行り()の作品だったこともそのカッコ良さを押し上げていたのもあるし、ハプスブルク家の話というのは、ブルボン王朝時代や帝政ロシア時代の話と並んでタカラヅカと親和性が高いというのもその一因であったと言える。

でもやはり、何といっても、「歌のトップさん」であるイチロさんが、全身全霊を込めてトートを演じたことが大きかったんじゃないかなと、初演クラスタのぼくは思っている。

とはいえ、歌劇団がこの雪組公演で終わりにせず、よりによって(オイ)星組で再演すると発表した時には「血迷うな!」と思わず叫んでしまったものだが、これまた実際に上演されると、

「美学のカタマリ!(歌はまぁ・・・←)」

と絶賛を浴び、

「ひょっとしてこの作品、どんなことになっても(どういう意味?)大丈夫なんじゃない?」

と人々に思わせた。フシがある。(←なんで一言付け加えた?)

さらに、宝塚歌劇団史上最高の歌トップと称される姿月あさと時代の宙組が三演したあかつきには、もうとにかく“見どころのある”トップさんが出現すればトートを演じることが期待されるようになり現在に至る。

その間、“エリザベートの申し子”イチロさんが東宝の力で(余計なことを申すな!)タイトルロールを演じたのを皮切りに東宝版もドル箱になり、東宝と歌劇団が競うように再演を繰り返しているうちに、本場からのトートは来るわ、キャストはどんどん若返って二次元化が加速するわ、現在すごいことになっているわけなのだが、やはり、何のかの言っても、このような状態になったのは、初演の雪組メンバーが命を懸けて(大げさ?)この初演を成功させたからに他ならない、とぼくは思っているのであります。





すんごい長い前置き(前置きだったの?!)になってしまいましたが、そんなわけで、ぼくも命懸けで本日のチケットをとりました。



行って良かった。本当に(>_<。)



もちろん、他の日も、素晴らしい公演になったであろうとは思いますが、初演クラスタ、本日行けて本当に光栄でした。

今日の公演は、第一部は当時のメインキャストが集まって(メインの方たちがほぼ集まったこと自体が奇跡的だったのですが)当時の苦労話などをトーク、第二部が、ちょこちょこ刈り込んだコンサートバージョンだったんだけど、もうそれで充分夢の世界。

第一部に関して特筆したいのは、こういうOGが集まるトークショーなんかではおなじみの、

「卒業して何年経とうが変わらない序列」

がばっちり提示されるところなんですが(ひねくれてるよ!ておどるさん)、改めてそれを今回しみじみと実感。

というのも、出演者が、学年ではなく“役が小さかった順(まあ、学年もほぼそれに連動してはいるんだけど)”に登場してちょっとずつお話をして次の人・・・みたいに進行してったんだけど、最後にイチロさんが出てきた途端、舞台上(および場内)の空気がガラッと変わったというか、思いっきり締まったことにぼくは戦いた。

決して彼女が怖いとかいう意味ではなく(おいこら)、すさまじいまでのリーダーシップをそこに感じたのである。

こ、これがトップさんの統率力というやつなのか。

別に、それまでダラダラしてたわけではないのだが、イチロさんが仕切り始めた途端に、すべてのトークがピシッと束になって流れ始めたのである。

すごい感覚であった。

今頃正直に言うと、昔公演を観て感じてた当時の雪組の雰囲気っていうのは、おっとり長男(イチロさん)、てきぱき次男(高嶺ふぶき=ユキちゃん)、自由な三男(轟悠=イシちゃん)、優等生四男(香寿たつき=たぁたん)、おとぼけ五男(和央ようか=たかこ)、やんちゃ六男(安蘭けい=とうこ)・・・って感じだった。

作品でいうと『JFK』のジャックとロバートが、そのまんまイチロさんとユキちゃんの関係性だった。

ユキちゃんは相変わらずよく物事を覚えていて仕切屋さんだったが、それでもイチロさんが出てきたら霞んで(悪い意味ではないですよ)しまったのがすごかった。

・・・これはあんまり書かない方が良いのかもと思ったが、ユキちゃん最近表に出てきてないせいか、体型が変わられましたなあ。ラインを隠そうとしてかダブダブなお洋服で出てきたんだけど、はっきり言ってあれは逆効果である。声もちょっと「太ってる人」の鼻声発声になってて、「おや・・・?」と思いました。

もし何かのご病気とかで太ってしまったのなら、責めるのは可哀相なのであまり言わないでおきますが。

歌はしっかりと歌っていたので、そこは大丈夫でした。



むろん他の方たち、特に女優業現在進行形の方たちは皆さんお美しく、花聰なんかもほぼ休業状態から出てきていた前回のガラコン(2012年)に比べたら、

「本物だぁ」

感がハンパなく、ぼくがこれまで行ったガラコンの中でも今日のが一番興奮した所以であります。

初演メンバーって、ずるいよね。←

でもやっぱ、イチロさんのトートに、「私が本物なのよ!」(ははーっ!)って気迫があって、圧倒されました。

ぼく的には、たぁたんを超えるルドルフはいないし。

例えこないだまでゾフィーを演ってたとしても(お、思い出すなよ!/汗)、たぁたんがおびえた瞳でトート閣下を見上げた瞬間、そこには繊細な皇太子ルドルフしかおらんのです。

あの、いかにも自分から死によろよろと吸い込まれていきそうな危険な感じを醸し出しているルドルフは、未だにたぁたんしか造れてない。

はい、ぼくビョーキです。すみません。




とか言いつつ、他のバージョンもやっぱり観たくなった。

他の日のチケットも買っとけば良かったなあ・・・。


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