てくてくミーハー道場
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2016年04月29日(金) |
KOKAMI@network vol.14『イントレランスの祭』(よみうり大手町ホール) |
まあ、風ぽん(風間俊介)の安定力だよね。(おっ?)
これ以上何も言うことはない。(←まじで?)
いやほんとに。
実力と集客力が釣り合わない(ズバリ書きますのね今日も)こと甚だしいですよ。
なまじジャニーズ事務所とかいうところ()に所属してるから、なおさらそれが際立つというか。
風ぽんの芝居を観ずして「一番演技力のあるジャニーズは?」とかいうや○せアンケートとか見て「ふーん」とか言ってる場合じゃないですよ(なんか今日は飛ばしますねぇ?ておどるさん)
ま、風ぽんにとってジャニーズ事務所にいることが足かせとか不都合とかにならないのであれば、ずっといてて良いと思います。ぼくも偏見を持たずに(観客として)付き合っていくつもりですし。
出演者に関しては、風ぽん以外の人たちについて言いたいことは特にないです。知ってる人も出てたし知らない人も出てたけど、皆さん良くバランスがとれてました。
お話の内容については、ストーリーはもちろん鴻上さんらしくしっかり構築されてて素晴らしかったんだけど、今回、舞台そのものよりも、アンケート用紙と一緒に配られた「ごあいさつ」(売られているパンフレットとは別のもの)の文章に、ぼくは甚く共感しました。
現代人が、なぜこうも他人に対して“不寛容(イントレランス)”になってしまっているかについて。
でも、ぼくはさらに鴻上さんに伝えたいことがある(アンケートに書きました)
インターネット上であまりにも“分かり合えない”ことが溢れているのは、顔を合わせないで対話(というか言い捨て)してるからですよと。
オフライン(リアル)で付き合うつもりがないから、遠慮会釈なく、反射的にきついことを書けちゃうのでは。
また、文字だけだと「ずいぶん失礼なやつだな」と思ってた人が、実際に会ってみるとそんなでもない人だったってことはよくあるじゃないですか。
(その逆パターンもあり。昔『おたんこナース』っていうマンガにそういうエピソードがあったのを覚えてる)
そのとき、どっちの印象をその人の“本性”だと思うかで、自分の人付き合いのキャパはだいぶ変わってくると思う。
ぶっちゃけると、ぼくの家族とか単純に文が下手なせいで、よく、ぶっきらぼうなメールを送ってくる。でも、正体(?)が分かってるからぼくは腹を立てないけど、たまに、他人にどう思われてるか心配になることがある。
ぼく自身だって、自分では分からないけど他人にそう思われてるかもしれないし。
ネットの黎明期には、「インターネットを介した会話は、相手がどんな属性(年齢、性別、職業、財力etc.)か分からないで、純粋にその“意見”だけで論じられる。だから偏見を生まず素晴らしい」とされていた。
それが今では逆に、分からないからこそ、ちょっとした不愉快さが全力で相手を否定する材料を集めてしまう原動力になっている。
人間の心理は不可思議なものですね。
ところで今回のお芝居では、ネット上での言論戦争だけではなく、リアルでも「ヘイト」丸出しで闘争してる人たちが描かれている(主題が「不寛容」だから)
これが、つかこうへいとか坂手洋二とかだったら(こらこら)、モロに「チョウセンジン」だの「ブラク」だの「オカマヤロウ」だのと登場人物たちが罵り合うのだろうが、そこは鴻上さんなので、「宇宙人」というファンタジーな仕掛けを持ってきている。
もちろん、単にファンタジーにしたかったわけではないだろう。「この件についての差別です」と限定しないがゆえに、普遍的なヘイト批判になっているわけだ。
ぼくは、演劇はエンターテインメントであるべきだと思っているので、『朝まで生テレビ』みたいな芝居を見せられるのは心底苦手だ(でも、つかも坂手も評価してるけどね)
だから、鴻上さんのジェントルさ(?)が垣間見えて安心して観ていたわけだが、一つだけ物申したいのは、上に書いたような“差別のメインストリーム”には敏感な鴻上さんが、「デブ」「ブス」「ババア」という三大女性蔑視には思いっきり鈍感であったことだ。
大した差別要因ではないと思っておられるのだろう。
まあ、大したものではない。確かに。
だが、大したものかどうかは、差別“される”方が決めるべきですよね鴻上さん(←あやや、鴻上さんが「ごあいさつ」に書いた“とっても不寛容な人”になっちゃってる気がするな)
なかなかさっぱりとした解決には簡単には持っていけないところが難しくもあり、だからこそ大切な問題なんでしょうね(と、それらしくまとめてごまかす)
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