てくてくミーハー道場

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2015年06月27日(土) 『エリザベート』(帝国劇場/マチネ)

今回ドラスティックにキャストが一新されまして、演出も変更(これは以前よりちょくちょくあったが)

演出に関しては、楽しみと同時に「小池先生の悪いクセが出てなきゃええが・・・」というもっともな(オイ)不安があったわけだが、ニューキャスト陣に対しては、ほぼ期待だらけ。これまでのキャスト陣が悪かったってことじゃなく、今回はやはり「待ちに待っていたあのお方(どのお方かは、感想を読んでいただけば丸分かり)がいよいよ参入」という嬉しさがありました。



本日のダブル(トリプル)キャスト配役は、おハナ(花總まり)、しろたん(城田優)、(尾上)松也ちゃん、佐藤(隆紀)くん、古川(雄大)くん、松井月杜くん、たぁたん(香寿たつき)という布陣でございました。





で、進行通りに書いていくと軽く8,000字(1日の日記に書ける文字量)を超えてしまうので(2003年2月の花組版『エリザベート』にて前科あり(^^ゞ)、上記の方々への控えめな(思いっ切り書くと軽く/以下略)感想です。



(出てくる順で)松也ちゃん(as ルキーニ)

歌舞伎仕込みの金管楽器系美声なのだが、いかんせん音域がせまく、高音がキツい。

ファルセットでなんとがごまかしていたが、少々いただけませんでしたな。

実はぼく、大きな字では書けないが、前回までの『E』で、いい加減長期政権のオリジナルルキーニ殿の行き過ぎた役作りにうんざりしていたので、新ルキーニお二人に過大なる期待をしていたのですが、それが例によって過大すぎたのでありました。ごめんね。

あの方の過剰な演技も、それはそれでベテランらしい空気づくりだったのだと、今になって分かったのであった。

それと、これは本人の罪とは言えないが・・・いや、そもそもの罪なのかもしれないが、他のメインキャストさんたちが、それこそ豪華絢爛少女マンガから抜け出てきたような2次元的容姿をしておられるのに比べて、松也ちゃん、思いっきし日本人体型。

・・・これはしょうがないよう(−−。)許して

ルキーニはほかのキャストたちに比べて、歌じゃないセリフが断然多いので、そこで松也ちゃんの演技力が活かされることを期待していたのだが、なんかこのルキーニっていう役は、こっちが思っている100倍ぐらい難しいようだ。

狂言回しだからと言ってただ剽軽でももちろんダメだし、暗殺者だからと凄味がありすぎても空気が重たくなるし、時々はハッとするほど二枚目になる必要もあるし、本当に手ごわい。それを改めて教えてもらった気がします。


あああ結局一人当たりこんなに書いてる・・・次の方行こう。



しろたん(as トート)

キャスト制覇に頭を巡らしていたら、しろたんトートを2回観ることになったのですが、思いっ切り満足です。

しろたんがトートを初役で演ったときに、エリザオタの間では「二次元キターーーーー!」と大盛り上がりだったわけですが、当時はそれでも「歌、ちょっと不安じゃね?(下手ではないんだけど、ベテラントートさんたちの安定感が凄まじかったからさ)」「こなれてなくて、やっぱちょっとハラハラするね」という感想も若干ありました。

でも、ぼくは「歌はちゃんと歌えてるし、なにしろ見た目がこんだけ完璧なら文句のつけようがねえじゃねえか」と大満足だったんであります。

またお会いできて本当に嬉しいです閣下。

ガイジンコンプレックス()と言わば言え。ちょっと変(こら)な発音でさえも麗しくってたまらない。

まぁ、マテ(カマラス)のほうが、発音はもっと変だったけどさ(←本物のガイジンですから!)

それより、今回のトートを観て本当にぼくが嬉しかったのは、初役の時はただ一所懸命「音をはずさずに歌おう」としてるとしか思えなかったのが、今回は、すっごくトートになりきってたこと。

一場面一場面が濃くて、「あなた、本当にシシィが好きなんだね」って思っちゃうようなトートで、なんか可愛く感じてしまいました(いいの?その感想)

そして、歌い方も「楽譜通り歌えます」みたいな感じじゃなくて、自分の中にリズム感があるロックシンガー的な歌唱力。

ああ、もうこれで、G○CKTさんのトートはなくていいです(えっ?)

日本版トートの最高峰はしろたんで決定(あ、あの、まだ芳雄トートを観てないんですけど・・・)


で、しろたんカーテンコールで投げキスをしたんですが、ぼくが、

「きゃ〜!死んでしまうーーー!」

と盛り上がっていたら、

「そ、そんな大ファンだっけ?」

とツレに驚かれてしまった。

これは誤解でありまして、“トート”のキスが当たった(?)ら死ぬでしょうよ。そういう意味で言ったのよ。シャレの分からんヤツだ。(←オタ全開)


また長くなってしまった・・・。



おハナ(as エリザベート)

元々海外にまでミュージカルを観に行けていたような富豪層(?)はともかく、ニッポンのミュージカルファンが最初に出会ったエリザベートは花總まりのシシィなのであった。

刷り込みとは恐ろしいもので(コラ)、それ以降、何人のシシィを観たか分からないが、ぼくの中ではどうしても基本形としておハナのシシィが君臨していたのであった。

特に宝塚で上演されると、おハナに近いシシィが“正解”のような気がしていた。

蘭ハナが現役時代に演じたシシィもそうだったので、だから彼女のシシィ()には合格点をあげたんだけど、今回本物を観てしまったら、もうなんも言えねえ!って感じでした。


おハナは退団後しばらく板の上から遠ざかっていて、しばらくぶりに舞台上のおハナを観たのは『ディートリッヒ 生きた 愛した 永遠に』でピアフを演じたときなんだけど、ほとんど現役時代と変わっていなくてびっくりした。

ところがその後、『ドラキュラ(グラーツ版)』でミーナを演ったのを観たときに、あまりにも老けてて(うおっほん!ごほん)愕然としてしまって、しばらく悲しかったのだが、『レディ・ベス』で盛り返して(でも、作品自体はあんまり面白くなかった)、今回このキャスト発表があった時には、「期待してもよろしいですか?(なぜ弱気)」と思っていた。

そして本日、

待っていて良かったわ(T^T)

と、心より感動している次第なのであります。

本当に、待っていて良かった。

“日本版シシィ”は、この方で決定(?)しましょう。

元おと○役偏重く×くらえ!(不適切発言)・・・あ、いや、中にはとても適役のシシィもいらっさいましたけれども(←腰が引けとるやないか!)

実は、ガラ雪組版の時から、「本物のシシィはこの人しかいねえな」と思っていたわけよ。歌がうまいとかなんとかじゃなくて(しろたんへの感想と同じだな・・・)“仁”なんですよ。

特に、登場場面の少女シシィをあの実年齢で演じられる化け物さ加減(褒めてるの!)は未だ健在。

おなじみのあの白いドレスの似合いさ加減。

1日に8時間の〜♪さっさか歩きの追い詰められた感じ。

高音が不安なことなんて(わざわざ言うな!)ちいせえちいせえ!(でもま、女役にとってはヅカバージョンよりも原キーは低いんで、それもおハナにとっては順風だったかも)


あああ、どんどん一人あたりの感想が長くなってってる!(汗)



佐藤くん(as フランツ・ヨーゼフ)

クリエのコンサートで初めて知ってから約半年ぶりに再見。

思いっきしイケボの見本のようなお声です。

けど、すまん。見た目が“高貴な方”っぽくないのが残念すぎる。

クリエで観たときは(LE VELVETS自体がそうなのだが)長身でイケメンの代名詞みたいな感じだったのに、この“ニッポンの2次元キャスト大集合”の中に入ってしまうと、いささか地味な感じは否めない。

首が短いのね(←少しは口ごもれ!)

フランツっていうより、下にいる「宮廷五人衆」の中にいた方が自然な感じだった。

声は今までぼくが観たフランツの中で最高峰だったんだけどねえ・・・。

エルマーぐらいから始めて徐々に上がってきた方が良かったんじゃないか、とか思ってしまいました。

ちなみに今回のエルマー(角川裕明)も、めちゃめちゃカッコ良かったんですけどね。ハンガリー三人衆も、ひそかに要チェックなイケメン揃いでございましたよへへへ。



たぁたん(←案の定文字がデカいです・・・)(as ゾフィー)

ルドルフからフランツに格上げする方は珍しくないが、ルドルフからゾフィーになった人はこれ初ではござらぬか。

まあ、過去、ルキーニからシシィになった人()もいらっさるので、驚くには値しない(^^;)That's TAKARAZUKA

実はこのキャスティングを知った時、ヅカオタと罵られようとも、「た、たぁたんが・・・“しゅうとめ”役・・・」と、愕然としたのは事実。

まあ、もはやシシィ役が来るとはもちろん思ってなかったし、近年は“母親”役とかやるようにはなってたしさ・・・迫力のある役をやらせたら安心感しかない実力派だしさ・・・と、一抹の寂しさを抱えながらも、彼女の役の掘り下げ力には定評があるだけに、期待をして臨みました。

期待は決して裏切られなかった。

でも、ゾフィーを上手く演れたことって、プラス要素なのかしらん? と、ぼくにしては幼いヅカオタみたいな感想を抱いてしまった。

なんだろうか、ちょっとモヤッとする。

・・・マダムヴォルフをやられるよりは良かったんだが(おいこら、ハマコさんの立場は?!)


なんか、そういう表のことよりも、

「どんな瞬間でも、“その役として板の上にいる”“その役として唄う”」

ということを、若いキャストたちに生きている見本として教える役目も果たしてほしい、小池先生はそんなこともたぁたんに期待してるのかな? とも思ったわけですよ。

ぼくが見た限り、ある主要キャストの方ですけど、「音はずさないように歌う」ってことに神経が行ってしまって、「上手には歌えてるんだけど、今、“素の自分”で歌ってなかった?」みたいに感じることが時々あったのでね。

おっと、BBA発言をしてしまった。


いよいよ8,000字が近くなってきたので、急ぐぞ。



松井月杜くん(as 子ルドルフ)

ミューオタの間では超有名子役のつっきー、前回からの続投です。

前回は純度の高いボーイソプラノとお行儀の良い演技で魅せてくれたつっきーですが、この3年の間にあきれるほどたくさんのミュージカルで主要な子役を演じてきたせいか、むちゃくちゃ演技力爆上げ!

逆に、新鮮度が(こら待て)と思ったほど。

だがしかし、恐ろしいほどの表現力だったな。未来の山本耕史って感じだ(^^*)

そうだそうだ、こないだまで『レミゼ』でガブローシュやってたのよね。

今回の『レミゼ』はなぜか一回も観に行かなかった。どうしたのかオレ。飽き(略)かな?

それはともかく、今回つっきーの歌には、持ち歌の「ママ、何処なの?」だけじゃなく、冒頭の「我ら息絶えし者ども」の中での1フレーズで早々と瞠目させられたのであった。今回の『エリザベート』、これで決まったようなもんだ、と思ったくらいだ。

ううむ、後生畏るべし。



古川くん(as ルドルフ)

実はね、前回上演の時の三人ルドの中で、古川くんが一番ハズれだな、と思ってしまってたのよね。

「急に抜擢された研7ぐらいの男役みたい・・・実力的にもビジュアル的にも」と思ってしまった。

そういう人たまに出てきますよね、本家の歌劇団にも(コラッ!)

第一印象って怖いよね。そんなわけで、今回も、大我の方に圧倒的期待をしてしまっていた(大我が「ジャニーズ」×「七光り」という二重苦なので、判官びいきの面もあるが)

しかも今回は、大我の方が「大抜擢」と言って良いような状況なので、今回の古川くんは、「一応まだ路線にいるけど、どうなるかわからない、ギリギリの研10」みたいな様相。

すいませんほんとに。

その印象どおりだったのよね。(えっ?!)

なんだろな、ヘタではない。ないんだけど・・・(上記たぁたんのところの某部分をご参照ください・・・って、見事ディスってますねすんません)

まあ、ルドルフって役は、それこそミュージカル俳優の登竜門みたいなところがありますので、これからいくらでも努力次第で大きな仕事に挑戦できるチャンスを与えられたわけですよ。それだけでも名誉なんでね。

がんばってほしいもんです。せっかく恵まれた資質をお持ちなので。





というわけで、結局大量に書いてしまった。

実は先週、もう一方のキャスト(トートだけ2回ともしろたん)バージョンを観てきてるんだけど、感想書く体力が残ってない・・・。いつになるか分かりませんが、いずれまた・・・(またこのセリフ)


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