てくてくミーハー道場
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2015年04月10日(金) |
『4BLOCKS』(サンシャイン劇場) |
こんなこと言っちゃいけないんだろうけど、平成が始まったころにティーンエイジャーになった人たちにとっては、涙ちょちょ切れ(古い!)の舞台だったろうと思う。
ぼくはその世代のずっと上だからちょっと冷めた目で見てしまったけれど、その「胸が熱くなる感じ」は充分理解できます。
そう。
すっとぼけているが、ぼくも光GENJIフィーバーの中にいた一人ですからね。
というわけで、元・光GENJIと、現・DA PUMPと、元・『あっぱれさんま』の子役と元?175Rというクセだらけの4人のおじ・・・お兄さんたちが集まって何をしたか。
若人たちには、「何?昔の名声の残りカスでオバ客を集めて何かしようっての?だっせえぐへぐへぐへ(←おい/怒)」と言われそうな感じだが、実際そんな気がしなかったと言えば嘘である。
そして、実際に観てみて、
「そうとも言えるが、それよりも、昔のアレがあるからこそ、この芝居は成り立ったんだな」
と、面白く感じた。
昔の、そして、その後の自分を客観的に正直に観察できているからこその脚本だった。
澤田育子(脚本担当)って誰だろうか?と思って調べたら、拙者ムニエルの女優だった。
座付き作家じゃないんだ。へえ。
演出はご存じ河原(雅彦)総代。
例によってガチャガチャした、そして、いい具合に乾いた演出。
話の流れは、ちょっと昔のアメリカンムービーにありそうな、「昔一世を風靡したおっさんが、今はすっかりやさぐれているんだけど、何かの拍子に過去の栄光にリベンジすることになって、そしたら・・・」という話。
オチは何となく見えていたし、結果その通りだった(一か所だけ予想外のオチが待ってて、そこはハートウォームで良かった)んだけど、出てる人たちの現実のこれまでをぼんやりとでも知っていると、
「うん、こういうスッキリしたオチがあってもいいじゃない!」
と寛容になれた。
実はDA PUMPと175Rには1ミリも思い入れがないおいらだったので、つい、
「この話、元GENJIでやれば面白かっただろうなあ。あ、でも約2名、それぞれ違う意味で出演不可能なのがいるけど」(こらっ)
と思ってしまった。
昔あつくんが、Johnnys Webのブログの中で、正直にも、
「久しぶりに光GENJIのドーム公演のDVDを観てみた。人間的には嫌いだったけど(こんなにはっきりとは書いてなかったが)、やっぱり“アイツ”はすごいヤツだったってことは認めざるを得ない」
と書いてたことがあった。
うん。ぼくもそう思うよ。←
性格的にはどうかと思うことが多々あるけど(今でも、残ったファン相手に“ぶっちゃけ話”とかするイベントをやってることは気に入らない。昔のネタじゃなくて、“今の”魅力で客を楽しませなきゃエンターテイナーとは言えない)、やっぱ“人を引っ張る力”を感じさせる男だしね。
今回の芝居のホンみたいに、
「お前は傍若無人で強引で、他人のことを少しも考えない」
と非難されるような役を逃げずに演じたところは見直した。
あまりにも“当て書き”すぎて笑っちゃったけどね。
しかし、(モロも、山崎裕太も、決して下手ではなかったんだけど)ISSAとSHOGOの歌の地力はすげかったな。
基礎点が全然違うというか。
プロの歌手(一応モロも「プロ」ではあったわけだが)って、生で聴くとやっぱり何かが違うんだな。
それまでテレビで聴いてて「ふーん」としか思ってなかった歌手の人たちの生歌をたまたま聴く機会があった時に、「レ、レベルが違う・・・」と思ったことが何回もある。
ISSAとSHOGOはそっち側の人だった。
あと、遠目(1階最後列の席でした)で見ると、4人ともすげー若く見えることに感心。
この話、昔人気絶頂だった4兄弟ユニットの15年後を描いてるので、現在の年齢を、ぼくは上から35歳、33歳、30歳、28歳、と想像して観た(つまり、ジャクソンズみたいにアーティストとしての地位を確立できずに、アイドルのうちに解散した感じ)
作り手の方では、もう少し上の設定だったかもしれない。
ちなみに、役者の実年齢は、上から44歳、36歳、34歳、35歳(四男役のSHOGOの方が三男役の山崎裕太よりも年上なのね)。見た目年齢より約3〜9歳ぐらい老けてます(笑)
特にモロが若く見えたのはびっくりしたな。相変わらずナイスバディ(笑)だったし。
そしてその分、大人になれてない感じが、役に合ってた。
ちなみに、音楽を担当していたのもモロなんですけど、ゴリゴリに新しいわけでもなく、かといってダサくもなく、それこそ光GENJIの末期(言葉が悪い!)ごろにやってた、適度にエモーショナルなハードポップって感じだった。そこはかとなく懐かしく、かといって古臭くもなく。
ダンスは・・・ちょっと古く感じたかな。
まあ、踊れないメンバーもいたしね。
結局モロの話ばっかりになってしまったな。まあ、他の人たちのことあんまり知らないからね。
女優たちは、長男の嫁で元・二男の恋人役の(はいだ)しょうこちゃん。演技力が頭一つ抜けてた。ほかのメンツは、歌やダンスはともかく、芝居は「下手ではない」程度(山崎裕太も、いわゆる「翻訳劇芝居」みたいな感じだった。この話、舞台はアメリカなんだけど、本はオリジナルだからねー)
三男のカノジョ役の河西智美。元AKBだというがぼくは「現」時代を知らない。
むしろ“りおんちゃんの妹”って方が実感できるな(笑)
歌もうまいし、声優みたいなセリフ回しだったけど、役には合ってたかな。
そして、謎の(笑)女弁護士役の安藤聖。
声がいい。若い女優によくあるべちべちゃした(偏見)セリフ回しをしないところが良かった。
そして、エキストラ()で何役もやったThe Hillsの4人。
これがもーーーネルケっぽい。←
最近の若い男優の女装は「不自然さ」が足らず面白くない(おいこら)
ただただ清潔なんだもの。(悪い?!)
観終わって思ったことは、上演用ポスターから受ける印象ほどアクが強くなく、さらりと楽しんで観られる作品だったなと。
あまりにも当て書きっぽいんで、他の配役では再演できないだろうけど、お話としてはきれいにまとまった良い話で、一発花火みたいに終わらせるのはもったいない気もした。
そんなお芝居でした。
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