てくてくミーハー道場
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2015年01月12日(月) |
『新春浅草歌舞伎 第2部』(浅草公会堂) |
当初の予定どおり浅草にやってまいりました。
よく考えたら、浅草歌舞伎、ぼくは去年の公演、第2部しか観なかったんだな。
そして、一昨年は来てなかったんだな。(理由はだいたいお察しのとおり)
少しずつ傷(?)も癒えまして、今年は昼夜とも観るつもりですが、本日は第2部のみ観賞。
ぼんやりしているうちに、“若手”“花形”と呼ばれる世代が、すっかり交替しているんですね。
今回は、座頭の松也ちゃんをのぞく主だった出演者は、なんと全員平成生まれ!
ゆ○りじゃないですか!(こら)
とはいえ、芸は「ゆ○り」では許されません。
松也ちゃんが初舞台を踏んだ前年から歌舞伎を観ている立派なババァですので、厳しくチェックしますわよ、覚悟おし!(←誰やねん?)
というわけで、まず一幕目「仮名手本忠臣蔵 五段目・六段目」
松也も児太郎も初役のおかる勘平でございます。
五段目はまだおかるは出てこないので、勘平(松也)と千崎弥五郎(隼人)、そして斧定九郎(巳之助)に注目。
三人とも楷書の芸で、清清しい。
多少おぼつかなくても、“自己流”を封じて一所懸命教わったとおりにやっている姿がとても好ましいです。
ここで、それぞれのお父さんと比べることは無粋というか、隼人以外はむしろお父さんに似ていないところが逆にステキで。
松也ちゃんなんか、お父さんはついぞおやりにならなかった(ぼくが観ていないだけかもしれないが)大役をやれる今の立場は、まさしく本人の才能と努力(と、歌舞伎俳優たちの世代的なめぐり合わせ)で勝ち取ったものだと思うので、おごらず精進していただきたいと思うものであります。
とにかく、すっきりした江戸前の早野勘平で、非常にすばらしい(身体の使い方はいまいちだったが、とにかく松也ちゃん、声が良い)
菊五郎劇団の「期待のホープ」から、「欠かすことのできない主要メンバー」へと大きく進歩つづけていると感じました。
巳之助は、お父さん(三津五郎)よりも仁が太く、これまた役柄はお父さんとは違う方向に行くかもしれない。それもまた楽しみ。とりあえず、踊りだけはしっかりと勉強しといてくれれば、今後どんな役が来ても大丈夫だと思う。
さて六段目。
児太郎の登場ですが、お父さん(福助)の体調がはかばかしくないので、おかるの指導は玉さんとやら。
逆に良かった(おい!)のでは。
率直に申し上げると、児太郎はまだまだ基礎力が足りないのだけれど、これまたお父さんに似なくて良かった点が、「声」
声がキンキンしてないだけでも、落ち着いて観られて良かったです(こらこらこら・・・重病人にムチ打つようなことを・・・)
ただ、この六段目では松也もデカいので目立たなかったが、次の幕の「俄獅子」では、可愛さ満点の米吉に比べて、ひどく大女の芸者姿に幻滅。
体のころし方をまだ身に着けてないようだ。(その点、お父さんも背はデカかったけど、なかむら屋と並んだって“大女”とは思わせなかったからね。それが芸の力です)
まあ、米吉も今のところ可愛さオンリーで、踊りはまだまだですけど(辛口ですね、ておどるばあさん)
話があっちゃこっちゃ行ってしまってますけど、ぼくは六段目はおかや次第だと思っています。今回の芝喜松さんのおかやも上々吉で、大変満足いたしました。若い人たちの目立たない未熟さを、絶妙にフォローしておりました。殊勲賞。
松也も、前半までは「うめえ・・・さすが元天才子役」と思ってたんだけど、腹切ってから後は若干(芸の)体力切れ。最後の最後まで“素”にならないように必死っぽかった。
でも、場数を踏んでいけばこういうことは追々クリアできるであろう。
さて、二幕目は所作事二題。
まず「猩々」
・・・ごめん、思いっきし寝てもうた・・・(←)
寝てもうたからには、何も評ずる資格はあっしにはござんせん。ごめんなすって。(←誰だよ?その2)
「俄獅子」
ちょっと上で書いてしまった。米吉と児太郎の差がプチ痛々しい。
でもまあ、二人ともとにかく“これから”(ほかの5人もだけど)。誰しもが、今後どうなるか分かりませんからね。長い目で見守りましょう。
鳶姿は、三人(松也、巳之助、歌昇)ともカッコ良かったが(これも昔の人に言わせれば、腰から下が長すぎてみっともないのかもしれない。が、何度も言うが、平成生まれなんですから。これからはこれがデフォルト)、歌昇の面構えが良くて、つい目が行ってしまいました。歌昇をちゃんと観るのは、はお父さん(又五郎)と一緒に襲名したとき以来なんだけど、この年頃てのは、本当に「ちょっと見ないうちに」ぐーんと変化するんですねえ。
続けて観とかないと、ブレイク時を見逃してしまうかもしれませんねえ。これから気をつけます。
てな感じで、今年の初芝居(歌舞伎として)は、まあまあ吉と出ました。
で、今日も観音様(と浅草神社)にお参り。
よせばいいのに今日もおみくじ引いたら、
「凶」
・・・・・・・・・・・・・・・。
即行、横に置いてある「縁つなぎのバー」に結んで帰ってまいりました。
浅草寺名物の「凶」を何年かぶりで引けて、嬉しいです!(ドMか、お前は)いえ、負け惜しみです
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