てくてくミーハー道場

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2015年01月08日(木) 『竜小太郎新春ゆめまち華舞台』(ゆめまち劇場)

『新春浅草歌舞伎』で観音様に初詣しようと思ってたのに、急遽これが滑り込んできた。



竜小太郎・・・というより、「浪速のチビ玉」君・・・の方が、40代後半以上の年齢の人には分かりやすいかな(元祖「チビ玉」は片桐光洋さん=現在の名は「嘉島典俊」で、別の役者さんです)

竜さん(と言っても、なにしろ“元”チビ玉なので、芸暦に比して若い。なんとツヨぽんと同い年なんです)は別名「流し目のスナイパー」

この別名がついたのはもちろん青年期になってからだが、こういう、うさんくささが身上みたいな(失礼すぎますよ!ておどるさん)通り名を戴いている割には、芸は実にしっかりしていらっしゃる、大衆演劇界の若き大看板なのであります。

とはいえ、ぼくは大衆演劇に対してはほとんど門外漢。竜さんのほかに知っているのは、それこそ“下町の玉三郎”梅沢富美男さんとか、最近で言えば早乙女太一君くらい(しかも太一君のお芝居は、外部出演しか観たことがない)

で、その竜さんの興行も、これまで行ったことがなく、なんで今回に限って行ってみたかと言うと、以前ぼくがひいきにしている劇団「花組芝居」の興行にゲスト出演されていたとき(2005年の『ゴクネコ』だから、もう10年近く前!)に拝見して、「すげー実力だ」と瞠目していて、ちょっと行ってみたいと思っていたのが、なかなか勇気が出なく、今回うまいぐあいにお誘いいただいたこと、今回のお正月公演がゲスト日替わり制で、今日のゲストが、なんとその梅沢富美男さんだったこと、の2点。

トンコさんが「下町の玉三郎」として一世を風靡したのは1982年ごろだから、もう33年前ですよ。

ぼくも、大衆演劇の役者さんの流し目にうっとりするサマが板につく年頃に突入してまいりましたし、自信満々(何の?)で出かけたのですが、客席見回したら、自信喪失。(だから、何の?)











・・・20年ぐらい早かった。気がする(周りほとんど“アラセブン”!)

でも、竜さんぼくより一周り以上年下だし、彼から見たら、アラフィフのぼくもアラセブンのおばさまたちも、きっとそう、変わらない・・・はず。たぶん。(そ、そうかなぁ?)

興行の内容は、梅沢劇団が大劇場・明治座でやってることと基本的には同じで、一幕目は人情芝居(若くて体が動く座組の場合、殺陣がつきます)、二幕目・歌謡ショー、三幕目・お待ちかね早替り舞踊ショー。

人情芝居は、ジョージ秋山の人気漫画『女形気三郎』を劇化。

そういやこの話、映像化もされてたな。松井誠さんが主演してた。ジョージ秋山先生のマンガ自体がアウトロー色強いので、この気三郎も、歌舞伎の女方ではなく、大衆演劇の女形がやったほうが似合うのよね。

ストーリーは全然むずかしいところがなく、ザ・勧善懲悪時代劇。対象年齢アラセブンですから(←こら、バカにするんじゃない!/叱)

アラフィフのぼくも、「女を殺(あや)め、かどわかし・・・(中略)さても女の一大事。女形気三郎、裁かせていただきます!」の決まりゼリフにスカッといたしました。

ところで、今回はトンコさん以外にももう一人ゲストがいて、このお芝居では「鬼龍院のダンナ」(そんな素敵な名前だったのか!)と呼ばれる、ちょっと間抜けだが気のいい同心が出てくるんだが、その役をやっていたのが、往年のアイドル・堤大二郎さん(まっちと同期!)

この人のこともぼくはちゃんと記憶にある年齢でございますが、アイドルをすっかり卒業した後に彼が出たお芝居をぼくはちゃんと観たことがある。もちろん堤さんが目的ではないが(一言多い!)

今回、「何でもアリ」の大衆演劇らしく、第二幕では往年のヒット曲「燃えてパッション」を披露して下さいました。

なんとなく覚えてた自分が恐い(笑)

で、ツヨぽんと同い年(なぜそこを強調?)の竜小太郎丈、何枚かCDもリリースしているのだが、すべて純度100%の演歌。

演歌ってさ、一定の年齢になったら全日本人が好きになるものだと小さいころぼくは思っていたのだが、この年になってわかるのは、実はそうでもないということ。

そして、演歌を好きになるのに、年齢は関係ないということ。

でも、やっぱりアラセブンの90%は、ほかのどのジャンルよりも演歌が好きということ。

職業上、演歌に特化しちゃったのかも知れないが、竜さん、とても歌がお上手なので、これだけの歌唱力があるなら、バンドを組んでヴォーカルなどやってれば、同年代の女子にモテモテでしたでしょうに、惜しいな・・・などと考えるのはセコいですかね? 大衆演劇を天職としてがんばっておられるのに、失礼かもしれませんな。

歌を聴きながら、「この人、干支が一周り以上、ぼくより年下なんだよね?」と何度も確認してしまった(^^;)







で、ぼく一番のお目当ての第三幕「早替り舞踊ショー」だったわけですが、期待してたほどの早替りではなく(お前はなかむら屋や澤潟屋レベルを期待するから!)、でも、充分「早替り」と称して差し支えない鮮やかさではありました。特にラストの紙吹雪マジックはお見事でした。

それより、踊りが普通に上手だったな。トンコさんより(余計な一言!)

そのトンコさんは、お芝居部分に「遊び人の金さん」(そ、それって・・・?)役でアドリブだらけのセリフをまくし立てて一瞬だけの出演、ショーでは一曲ソロで踊ったのみで、若干ものたりなかったんですが、「ノーギャラ」というのが本当なら、ほんとにありがとう、という気分です。

最近じゃ、この人をこの距離で観ることなんかできないもんな。

そして、この距離(ゆめまち劇場は、それこそ200人規模のライブハウスぐらいの広さ。こんなハコで金爆を見れたらなあーと夢想してしまいました)で見ても、今でもそこそこお美しく(そこそこ、だとお?!)、さすがと思いました。

自分が一番色っぽく見える角度を熟知していらっしゃる。

全女性が参考にすべき熟練の技。(←書き方に毒があるのよあんたは)

そういうところ、竜さんはまだまだだったな( ̄ー ̄ )



(ただ一つだけ。トンコさんの衣裳、着物はすごく趣味のいいきれいな柄だったんだけど、帯がすごーく変だった)







話を戻して。

舞踊ショーとしてもクオリティは、ばかばかしさの破壊力という点も含めて梅沢劇団の方がやっぱり上を行ってたな。つうか、ぼくはこのテのやつは梅沢劇団しか観たことないからなあ。

大衆演劇らしく時流に乗って「Let It Go」なんかを使ったりもしてたんですが、半洋装になると、体型の弱点(まぁるいのよ。でも、そのまぁるさが女形したときには大長所になるから仕方がない)がモロに出てしまうので、やめたほうがいいと思う。

正直、スパンコールの着物だかドレスだかわかんない衣裳で「どうにもとまらない」を踊ったシーンは、やっすいショーパブ状態だったから。

え? めったに足を運ばない薄情な一見客の意見なんかどうでもいい? 失礼しました。

でも、ハンカチは買わせていただきましたよ。

なぜ買ったか。

湘南乃風のタオル、ジャニーズのペンライトと同じです(笑)

ある曲の時のマストアイテムなのです。

あー楽しかった。







終演後は、ロビーで出演者がお見送りしてくださる大衆演劇ルールもうれしはずかし。

主役の竜さんは、1枚1000円でお客さんとツーショットチェキを撮っていました。





















大衆演劇≒ビジュアル系?!



まさにクール・ジャパン(そうか?)





浅草寺のおみくじは、「吉」でした。

うん。まあ、いいんじゃないの、逆に。(何の逆だかわからんが)


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