てくてくミーハー道場

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2014年02月24日(月) 映画『青い棘』

ほいいぃぃ(×_×)←?



やっと観ることができました。







んー、1回観た時点での正直な感想。





意味分かんねえ。←





馬齢を重ねて、感受性の柔軟性皆無になってしまったんだろうか。



かつてなら、うっとりと共感したであろう登場人物たちが、単なる「高二病」(ぼくの造語です。いわゆる「中二病」より一見頭良さげではあるが、要するにへ理屈が上手くなってるだけで世間知らず度は変わらん、みたいなニュアンス)にしか見えない。



パウル(ブリュールさんが演じた役です)に「何にも知らないくせに」って言われるドンカンな大人の代表になってしまったのねめそめそ←反省してる様子なし









うーん、なんとか理解しようとは思ったんだけどなあ。



ぼくが理解できないのが、そもそもこの事件(実際にあった事件だそうです)を起こした二人の青年の心理なのか、それとも、この映画を撮った監督の真意なのか、それすら不明。



なんか、後者みたいな気もするんだよな。



なぜなら、主役の二人(ギュンターとパウル)に対して「君たち、理解できんわ」と思った以上に、「なんか、すげー退屈なんですけど。この映画」(おっ!おい/汗)という気持ちの方がでかかったのよね。



特に、別荘にバカそうなガキども(おいおいおい/大汗)が集まって乱痴気騒ぎをしてるシーンが、かったるくてかったるくて。



昔観た『○りなく透明に近い××ー』(こっ、こら/滝汗)という映画を思い出してしまいました。



あの、芥川賞をとった大ベストセラーを、作者自ら監督して映画化したら大コケしたやつっす(←黙りなさい!)



小説家だけやってりゃ良かったものを(えっと・・・今その話、必要かな?)



なんか、この映画の監督さん(知らない人だけど)にも、同じ匂いを感じた。



感覚的っていうか文学的っていうか、悪く言えば、この映画を雰囲気だけで成り立たせようとしたフシがある。











ただ、悲しいことに、どこでロケしたか知らないけど、残念なくらい風景が美しすぎるのよね。ウンダバー! なんかそれだけで、ゴミゴミした湿気の強い日本に住んでるあたしたちなんかは、すっかり打ちのめされてしまって、すばらしく優れた作品のように錯覚してしまう。(言いたい放題だな)



ただ、ぼくが完全に騙されず()に済んだのは、出演俳優たちの中で、こういう“お耽美映画”(というふうに日本で封切られた際は宣伝されてたみたい)にふさわしい美貌の持ち主が、ブリュール君たった一人だったという点。



ギュンターを演じたアウグスト・ディール君も、ドイツでは実力派俳優として有名らしいのだが、もちろん今回初めて拝見。



ギュンター自身が全編通して「すでに異常」な雰囲気なので、そういうメイクでもあったんだろうけど、永井豪先生の『ドロロンえん魔くん』に出てくるシャポーじいにしか見えん(こぉらあっ!!!)



特典映像の“普段の”ディール君を見たら、ふつうにそこそこハンサムな青年だったので、びっくりしましたよ。



んで、ファム・ファタールっていうんですか、劇中では「抵抗しがたいほどの魅惑的な女性」と評されるヒルデちゃんなんですが、ぜーんぜんそういうふうに見えず。



おなごの嫉妬ではございません。



逆に、普通に可愛いと思った。佐々木希を幼くした感じで。



・・・いや、だから、幼くしちゃダメだろ!(一応ノリつっこみ)



地味な女友達エリちゃんが「なんで彼女ばっかりモテるの?(泣)」と吐き捨てるような“男好きのする女”に全然見えない。



では、ファム・ファタールじゃあないんなら、ビッチってことにすればいいのか? と思ったら、そっちの方でもない様子。



他の人たちは「彼女は性に奔放で」とか言ってる割に(あと、本人も口では「一人の男に縛られるつもりはないわ」とか言ってる割に)、今カレ=ハンスにぞっこんにしか見えない。



性に奔放なんだったら、他に男がいようと、自分に気がある童貞パウル()とやっちゃえばいいんじゃん? 田舎の女子高生みたいな顔して(これは演じたアンナ・マリア・ミューエの罪)パウルを誘惑してるようなそぶりしても全然扇情的じゃないし(これは監督の力不足)、かと思ったら、「あなただけのものになる気はないの」とか言って、だからそれは寝た後に言えよ(て、ておどるさん、だんだん言葉遣いが下品になっていってますよ/汗)







そういえば、兄と妹を両天秤と言いますか二股といいますか、モテる一方のハンスなんですが、こいつがもう、登場人物の中で一番のDQN(←ネット用語を使うな!)



最も納得いきませんでした、この部分。



まー、百歩譲って、DQNというか頭弱い系?でもいいっすよ。だけどね、だけどあーた(←デ○夫人?)なんなの、あのぶさいくな青年は!(←せ、せめて伏字を/震)



もーおばさん、耐えられませんでした。



ドイツ映画界にはこんなのしかおらんのか!(怒)



この監督に日本の美少年大挙出演ドラマ傑作選(『若葉のころ』とかー?『青の時代』とかー?『ごくせん』とか『花ざかりの君たちへ』とか?←とても意図的)を見せてやりてーもんだ。



ぼくが田舎で中学生やってた頃は、



「ドイツとか、オーストリアとか、フランスとか、イギリスとか、美少年の宝庫なんだろうなー。こんな東洋のだっさい島国と違って」



なぞと大きな勘違いをしていたものです。



すべて萩尾望都が悪いんです(←こら)



すべて竹宮恵子が悪いんです!(←こらこら)



すべて大島弓子が悪いんだあああ!(涙)←もうよしなさい!



夢を見させてくださった先生方、ありがとう。







んでも、ダニエル(だんだん呼び方が変わってきてますね)はやっぱり可愛かった。彼だけが救いであった。



別に、完璧な美貌とは思わんのだが、ぼくが一番好きな眉毛の角度(←細かい)と、生活力がなさそうなおちょぼ口が良い()



そして、必死になって鍛えてないのがわかる、ちょっとだらしなボディなとこも良い←



なぜか、この映画では脱ぎまくり(2〜3シーンだが)



でも、ぼくが彼の一番好きなとこは、実は“声”なんであります。



『グッバイ、レーニン!』の感想で、ぼくはドイツ語に弱いのねーと書いたが、どうやら正確には、ダニエル・ブリュールがしゃべるドイツ語に、特に弱いみたいだ。



『グッバイ、レーニン!』も、この『青い棘』も(そして『RUSH』も)、彼のモノローグから始まる。



そのモノローグがすばらしく甘美なのだ。



“モノローグ俳優”と呼びたいくらいだ。←







ただ、とにかく、ストーリーに対しては、「もったいぶってる割に、なんにも共感できんな」という感想を抱きました。



ごめんね、汚れた大人になっちゃった。←キモイ



付け加えると、ギュンターが同性愛者なのも、ハンスが両刀なのも、あたくしにとっては何ら衝撃ではございませんです。



その辺もあったのかな? 当時の人たちが「こ、これはすごい事件だっ!」って騒いだであろうに、ぼくにはピンと来なかった。



もっと「理解不可能」な事件が、この85年間のうちに次々に起きてしまっているからかもしれないが。













そういや、最初、頭でっかちの青年二人が何らかの事件を起こしてしまう、という前フリにぼくが想定したのは、『スリル・ミー』(この『青い棘』で描かれた“シュテークリッツ校事件”とほぼ同時期にアメリカで起きた、“レオポルドとローブの完全犯罪”をモチーフにしたミュージカル)だった。



どっちも本当にあった事件だから、事件そのものに優劣(って言うこと自体、けしからん思想だが)をつけるわけにはいかないが、劇化作品としては、『スリル・ミー』の方が大分出来が上のように感じた。



さーて、次は何を観ようかな。


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