てくてくミーハー道場

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2014年02月16日(日) 映画『スノーホワイト』

えと、フィギュアも気になるところですが、こっちもなかなか気になるんで。



次回は『青い棘』を観ます!と宣言したものの、近所のレンタルビデオ屋においてない悲しきドイツ・マイナー映画(こらっ)



なので、ネットでレンタル〜♪で申し込み、現在のところ到着待ち。



基本的にはブリュールさんのトリコになってるぼくですが、一方の主役クリス・ヘムズワースの出演作もちょっと観てみたい。と思ったら、現在、彼の主演作『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』が絶賛上映中なんだよね。一時期に2本主演作が封切られている大スターなのねクリヘム兄貴は。



だがしかし、非常に残念なのですが、ぼくはこの、マーベル・コミックものが実に苦手でして(好きな人、ごめんなさい)



なんつーか、「アメリカって強いだろ、正義だろ」っていうのが、とにかく苦手で(それ以上言うな!)



そしたら、なんとこの週末、WOWOWでこの『スノーホワイト』が放映されていたではないですか。



一体どんな役柄なのかも知らないまま、視ることにしたのでありんす。













いやあ、トンデモ映画でした(爆笑)



金出さずに観て良かった。←オイ



タイトルからして、原作は『白雪姫』のようで、この作品が封切られた2012年には、『白雪姫と鏡の女王』『アドベンチャー・オブ・スノーホワイト』などの“白雪姫モノ”が公開されています。なぜかこの年は、白雪姫のプチブームだったようです。



ちなみに『〜鏡の女王』の女王様役はジュリア・ロバーツ。このほかにも過去の映画(『グリム・ブラザーズ/スノーホワイト』/1997年)ではシガーニー・ウィーヴァーとかも女王役をやってるんだけど、どちらも“世界一美しい”よりも“魔女”に重きを置いて(略)



で、今作の女王様役はシャーリーズ・セロン。うん、鏡の精が「世界で一番美しいのは、あなたさまです」と言っても問題がない配役です良かった(←お前が問題発言するな)



なかなか本題に入らなくて申し訳ないんだけど、この、シャーリーズ・セロンの女王っぷりが良かったなあ。この女王様、動物の心臓を食ったり若い女の精気を吸い取ったりして(何かの映画を思い出すんだがなー・・・言わないでおこう)若さを保ってるんだけど、白雪姫のコンディション(?)に応じて、徐々に美貌が衰えていったりする。それが、一気にばあさんになるんじゃなく、ほんとに徐々に、5歳ぐらい老けたかなー? 10歳分ぐらい老けたかなー? みたいな感じで衰える。



この“老け方”(もちろん特殊メイクです)の絶妙さがたまんない。



おそらく、美人女優にとって、完全におばあさんに特殊メイクされるのは、たいして苦痛じゃないと思うんだよ。「こういう役ですから」って開き直れる。



でも、自分の顔のまま、微妙に老けるって、めっちゃ気分悪いと思うな。それをセロンはやってのけた。さすが『モンスター』で激太りした女優魂アッパレです。











閑話休題。ていうか、冒頭から、ちょいちょいツッコミつつ観ていきましょう。



冒頭は普通の『白雪姫』の始まり。妊娠中のお妃さまが、雪の上に落ちた血を見て、「こんな真っ白な肌に、こんな真っ赤な唇の可愛い赤ちゃんが欲しいわ」なんて言って、無事にお姫様が生まれる。



ところが、お妃さまが病気で死んでしまうと、いきなり王国が不穏な空気に包まれ、謎の軍隊が襲ってきて戦争になる。この謎の軍隊、「謎」ってだけあって、中身が普通の人間じゃないっぽい。でも、その辺は深く考えずにお話は進み、その“謎の敵”の捕虜だった絶世の美女に王様は心奪われる。



早速次の日(早っ!!!)御輿入れ。いくら童話の世界でも早すぎ。せめて「1年後」とかにできなかったの? まあ、子供相手の映画なんだろうな、観てる子供が飽きないうちにってことなんだろうな、と思っていたら、結婚式の次のシーンがベッドシーン!



えっと・・・この映画は何歳対象なの? と戸惑っているうちに、謎の美女、「男はいつだって女を道具としか扱わない」とかフェミニストみたいなこと言って王様を薬でしびれさせた後、刺し殺してしまう。



王様、エロに走った報い★\(― ―;)黙りおろう



・・・えっと、えっと、この映画は誰をターゲットにしてるの? と戸惑っているうちに王国は早くも邪悪な女王に乗っ取られて、絵に描いたようなすさんだ状態に。







えと、その前に大事なエピソードを忘れてた。白雪姫にはウィリアムっていう幼なじみがいて、どうやら国王の忠実な家来の公爵の息子らしいんだけど、王国が混乱したときに、姫とは離れ離れになってしまう。うん、やっぱこいつが成長してのち“王子”になって再登場するんだろうな、あのシーン(とは、もちろん、『白雪姫』のハッピーエンドにつながる、あのシーン)でな、とほとんどの観客は思うであろう。



するってえと、クレジットでシャーリーズ・セロンの次に出てくる(ということは、ヒロイン=白雪姫の相手役に決まってる)クリス・ヘムズワース兄貴その人が、このウィリアムの成長後を演じるのだろうか・・・? と思って視ていると、いきなし、のんだくれのごつくてもっさいひげ面クリヘム兄貴の登場!(- -;)え?これ?



“これ”がウィリアムの成れの果てなん? と思ってたら、そうじゃなくて、(略してしまったけども)この前のシーンで幽閉塔から逃げてしまった白雪姫を森から連れ戻せ、と命令される狩人エリック(でも、この「エリック」っていう名前で呼ばれてた記憶がないんだが。最後のクレジットには出てきたけど)なのだった。



そういえば、『白雪姫』には出てきたなあ、そういうキャラが。正確には、白雪姫を森へ連れて行って殺して、殺した証拠に心臓を持って来い、と言われるんだけど、姫のあまりの可愛さに殺せなくて、「まあ、ほっとけば死んじゃうだろう」と森へ置き去りにして、ごまかすためにイノシシだかの心臓を女王に差し出す。それで褒美をもらってドロンするんだったか、ニセ心臓がばれちゃって殺されるんだったか、どちらにしても、善良そうな小心者のおっさんのイメージ。



こんな武骨なおっさんではないはずなんだが・・・。







いやそうじゃなくて! クリヘム兄貴、この映画が撮られたとき、おそらく28歳ぐらいだろ? なんでこんなおっさんキャラなの?!



それもこのおっさんは、女王が怖くて命令に従うんじゃなくて、「死んだ女房を魔法で生き返らせてやる」という、反故にされるに決まってる()約束を取り付けて白雪姫を捜しに出るのである。



女房が死んでやさぐれてるとかいう設定、必要?(最後まで観ても、この疑問は晴れませんでした)



まあ・・・そこはいいか。



そもそも“王子キャラ”じゃない俳優だったのね、兄貴は。まあ、ガタイもガタイだし・・・(でもちょっと寂しい気分)



んで、森で姫を見つけて最初は女王の弟(この弟もまあ、いろいろ・・・でも今回は言及しません)に渡そうとするんだが、案の定約束が破られるので、兄貴もあっさり約束を反故にして、姫を助けて二人で逃げることになる。



まるで『ロー○・オブ・ザ・リング』や『ホビッ○』のようなVFX満載(黙れ)の森を縦横に逃げながら、姫となんとなく心通わせていく流れは、『スター○ォーズ/○国の逆襲』のレイア姫とハン・ソロみたいな感じ(いや決してパク○だとか言ってるわけでは)



いや待て、兄貴のあの武骨なひげ面は、ハリソン・フォードというよりもまさしく三船敏郎!(え)



そうだ、『隠し砦の三悪人』の真壁六郎太だ!(いや違います/汗)



ううーむ、それより、姫がいつの間にか動きやすいパンツルックになってるのは角川版『里見八犬伝』・・・あ、もういいですか? すみません。







とにかくね、この映画、そういう「どっかで見たことであるんですけど」っていう場面が満載なのよ。森の途中で何の脈絡もなく出てくるトロール(『エ○リアン』かと思った)が、姫の“清らかな力”かなんかでおとなしくなるところも、どっかで見たような。



そして極めつけは、(途中を省略しますが)森の奥の泉のほとりに突如出現する、白い鹿。



ま、まさしくアナタは、













シシ神様!!!











はりつめた〜ゆみのぉ〜♪(黙れ小僧!)す、すいません



もー大爆笑です。日本人のほとんど(と、世界中のジブリスト)が総ツッコミしたことでしょう当時。







んで、このシシ神様(ジブリへのオマージュって説もあるらしいねどうやら)に出会う前には、きっちり『白雪姫』らしい展開をしなければならず、てっきり姫と六郎太・・・いや狩人エリックの二人で“魔女”と戦うのかな? 単に逃げるだけなのかな? と思ってたら、陽気に陰険に“七人のあの人たち”登場。



これがもう、ディズニー好きが見たら激怒することうけあいの可愛げのなさ。



テリー・ギリアムの映画に出てきそうな、むっちゃ偏屈そうな小さいおっさんたちです。お仕事も、原作の「金鉱堀」ではなくて「元金鉱堀→今山賊」。いきなり姫と狩人を逆さづりにして「金持ってねえか」と尋問。







・・・ほんとにこの映画、誰に観てほしいの?わからないよぼく(>_<。)



しかしまあ、その中でも“長老”的なおじさんが姫の素性を保証して(姫が自分で名乗る前に言えよ! と、ここでもツッコミ)、こびとさんたちは姫を匿うことに。



なんやかやあって、幼なじみウィリアムとも再会できたのですが、このウィリアム、狩人のおっさんに比べて、いまいち頼りにならなさそうな軟弱な雰囲気。



※後日追記

ごめんなさい、どうもぼくの先入観で書いてしまっていたようで、もう一回見たら、ウィリアムは意外と精悍に成長していて、弓の名手となり(ウィリアム=弓・・・・えーと・・・←いいから!)女王の手下たちの中に紛れ込んでスノーホワイトを助けるべく捜していたのだった。

そして、そのくだりでは案外活躍していたのでした。





あれ? こいつが“王子”やないんか? と、一抹の不安を抱かせる。



そういえば、ここまで触れなかったが、この映画のタイトル、邦題は『スノーホワイト』だが、原題は『Snow White & the Huntsman』つまり、『白雪姫と狩人』なのである。ダブル主役(?)なのである。



だがここまでのところ、おっさん(コラ)と姫の間に淡い想いが芽生えてるようには見えない。だって、姫はウィリアムと再会すると、たちまち昔の感じを思い出して、二人でデートしたりするのである。



ただし、このデート、実は女王の罠なのであった。



いつまでたっても誰も殺せない白雪姫に業を煮やした女王様、自らの手で殺しに出かけるのだが、なんと、やさしそうなおばあさんではなく、ずばり、姫の想い人ウィリアム君に化けるのである。なんて卑怯なのであろうか。←



ここで、最初の方のシーンで、幼いウィリアムがリンゴを姫に意地悪してあげなかったという伏線らしきものが回収されるんだが、こんなの伏線と言えるんでしょうか? とぼくは軽くつっこみたいです。どうでもいいエピソードのように思えます。



とにかく姫は今でもウィリアム君にぞっこんであり、自ら接吻しちゃったりしてかなり積極的。彼が差し出したリンゴを躊躇なくガブリとやって、めでたく( )仮死状態に。



さあ慌てたのは本物のウィリアム君。姫を抱いておいおいと泣きながら(←)口づけするのですが、姫は目を覚ましません。



やはり“王子”は彼ではなかったようです(ニヤニヤ)



そんなこんなで姫は霊安所に安置されちゃうのですが、そこへ狩人エリックがやってきます。



そして、「守ってやれなくてごめん」とか何とか、姫に向かって、なぜか死んだ愛妻の話をしはじめます。いや今さらそんな話されても・・・と観客の9割がつっこんだことでしょう。←



そんで、おもむろにキス。



えっ?! あんたいつから姫のことを?!!! と観客の95パーセントがびっくりしていると、狩人どのが去った後、姫が蘇生!!!!!











あんたが“王子様”だったんかい!!









と、観客全員があっけにとられていると、なぜか闘争心全開のキャラに生まれ変わった姫(いや、前から若干その萌芽はあった)が、「出入りじゃーーーーーー!戦争よーーーーー!!」と宣言。



ほ、ほんとにこの映画、どんな客層を相手にしているの? もうついていけないよおばさんは(×_×;)とうろたえる間もなく、姫はリュック・ベッソンの『○ャンヌ・ダルク』まんまの甲冑に身を固め、軍隊を指揮して魔女の城に突撃するのである。(さて問題です。ここまでいくつの映画を○クッているでしょうか)



しかしこの映画、男たちの役に立たなさっぷりはスゴい。



その中で、一番身体能力の高いと思われるエリックにしても、ちょいちょい姫を助けてはやってるが、肝心な時にはあんまり活躍してない気がする。



他の連中は言わずもがな。



まあ確かにスノーホワイト姫、10年間も塔のてっぺんに閉じ込められてたわりには、逃げ出す時の素早さ、荒海へ飛び込む勇気と、島まで泳ぎ切る身体能力、森を駆け抜ける体力、とても男の助けなど必要ないと言わざるを得ません(そ、それを言っちゃったら・・・)



なので、魔女と一騎打ちして勝っちゃうのは当然のこと、ラストシーンでは新女王として立派に君臨。めでたしめでたし。って、オイ!











ふつうおとぎ話では、お姫様は王子様と結ばれて「めでたしめでたし」なのに、このスノーホワイトは、一人で君臨しちゃうわけよ。



キスで目覚めさせた王子ならぬ狩人のおっさんは、そんな姫を優しく見届けた後、そっと立ち去るのだ(そして、“王子様フェイク”だったウィリアム君は、単なる家臣の一人として戴冠式にニコニコ参列。・・・いいのかお前それで)



こんなエンディング、ありなん?



やっぱこの映画の制作者は、武闘派フェミニストなんじゃなかろうか。そんな気にもなってしまう内容でありました。











まあ、クリヘム兄貴目当てに、記録的なトンデモ映画を観てしまったわけですが、こんだけ突っ込みどころが多い映画は、タダで観るには楽しいですね。←



で、結局クリス・ヘムズワースって人は、こういう、武骨でもっさいおっさん役を、28歳という普通ならバリバリ二枚目を演れるようなお年頃のときからやってたんやなあ・・・と、実感しました。



『RUSH』に出れて、良かったよね(コラ)


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