てくてくミーハー道場
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2012年11月23日(金) |
『こどもの一生』(PARCO劇場) |
チラシを見ると、どうも「ホラー」のようだ。
観るのやめよう。←
近づく千穐楽。
・・・や、やっぱ観よう。←
だって、G2だもの。
吉田鋼太郎だもの。
勇気を出して観て良かった。
途中、ぼくが一番苦手とするスプラッタ系に流れそうだったのでドキドキしてしまったが、全体的には“嫌いじゃない”系のコワさだった。
心理系のコワさだった。
けっこう潤色してあるのかしら? 初演はもちろん、20年前のMOTHER版も14年前の再々演版も観ていないぼく。
ふむふむ、初代・柿沼は升毅さんか。
そして、初演、再演のメインキャストに牧野エミさんがいる。
そうか、そうだよな。
しばし黙祷(あまりに突然のニュースだったので、びっくりしてしまった・・・)
さて、若干ミステリー仕立てなので、これまたストーリーの大事なところをばらさないように感想を書くのが難しいな。
「山田のおじさん」の正体が何なのか、という点は、一番肝心なようで、実はさほど重要じゃないような。いや、やっぱり重要なような(←何言ってんだおめえ)
つまり、理詰めで答えを出そうとすることはナンセンスで、かといってうやむやにすることもいけないことで。
ぼくだったら、山田のおじさんを退治する方法として、プロフィールに「山田のおじさんの最大の弱点:○○(自分たちが簡単に繰り出せる何か)」とでも書き加えそうだな。
それがちゃんとした解決法かは別として。
ぼくが「観て良かった」と思ったのは、この芝居が単純に「客を怖がらせる」B級ホラーやスプラッタ作品ではなくて、知的好奇心(?)を刺激するお話であった点だ。
特に、山田のおじさんの存在を支配する「誰かが認識するからこそ××は存在する」という思想は、デカルトの「我思う、ゆえに我あり」でおなじみの有名な哲学的要素なのだが、山田のおじさんの場合は、“ぼく”が信じていなくても、一緒にいる誰かが「いる」と信じているだけで存在してしまう、始末に負えない存在だった。
デカルトはちょっと違うか。
つまり、「誰も聴いていない状態で森の木が倒れた時、音は“した”と言えるのだろうか?」みたいな話。
・・・これもちょっと違うか。う〜ん、う〜ん(←ムリするな、ておどる)
(仕方がないので話を変える)中島らもさんがこの話を書いた頃には、きっとその例としては浮かばなかったであろう、「目に見えない“危険なもの”を恐れる人と、それが見えてない人(または恐れない人)とのディスコミュニケーション」なんかが、今じゃとってもホラーだなあ、とか、単純に「ガキが軽い気持ちで始めるいじめって、本当に困りもんだね」とか、2012年版ならではの色々な感想も抱くぼくであった。
話がまとまってないね。すみません。
出演者について。(注:こっから無意識にネタばれするかもしれません)
G2作品でおなじみの方々による、安心のクオリティであった。
わたくしイチオシの吉田鋼太郎さんはもちろんのこと、そんな“大人になったジャイアン”三友社長に飼い殺されている“容姿は出木杉くん・存在はのび太”の柿沼役のタニショー(谷原章介)
偏見で申し訳ないが、この人、テレビドラマや『王様のブランチ』なんかで視ていると、1ミリもぼくの守備範囲に入ってこないタイプの俳優なのだが(ただ、映画では時々「おっ?」という役をやったりする)、舞台ではなかなかすごい存在感を示す。
ぼく、テレビドラマに偏見ありすぎるのかなあ?
主にテレビ界で活躍してる人って、たいしたことできないよねって思ってるフシがある。
改めないとな。(かといってやっぱり、余程惹かれるものがなけりゃテレビドラマは今後も視ないと思う)
中越典子ちゃん、この人にも偏見あった。
舞台では『W〜ダブル』しか観ていないのだが、あの作品ではこれまた他のキャスト陣がすごすぎて、この人だけあっぷあっぷ気味に見えた。
今回は、かなり舞台体力がついていて、何の心配もなく観ていられた。
何より、こども返りしたときのツインテールの可愛さ!
やばいよ。(←エロオヤジかお前は)
とてもさんじゅ(中略!)・・・見えない。(こ、こら)
(笹本)玲奈ちゃんももちろん普通に可愛かったが(玲奈はキレ芸(?)も冴えてました/笑)
そして(鈴木)砂羽ねえさんのグラマラスボディと、色気満載の存在感にぐらり。
・・・すっかりエロオヤジの感想になってるんですけど、大丈夫ですかね? ぼく(全然大丈夫じゃないと思う)
そしてシゲ(戸次重幸)は、「ボロが出なきゃ完全イケメン」ぶりをいかんなく発揮(失礼発言)
メガネ+白衣=卑怯の公式100%体現(^^ゞ
玉置玲央くんはぼくはお初でした。今回の役は草食系? それとも? みたいな役だったのだが、ときどき超人的な運動神経を垣間見せたりして、ポテンシャルはんぱない感じの役者さんです。これから注目しよう。
そいで、山内圭哉。
・・・う、うっあ、ネタばれするとこだった。危ねえ。
こわかったっす。←ネタばれだよ! それ。
ひたすら、こわかったっす。
山内さんは(ぼくが観るときに特に)怖い役がけっこう多いが、最初、“気のいい人”な感じで出てきた時から、そこはかとなく怖かった(いや決して役づくりに失敗してたって意味じゃなく、効果的な意味で)
この役、初演と再々演ではふるちん(ネ、ネタばれ!!!)が演ったらしいが。
うわぁー観たかったーーなぁーーーーー!(でももう遅い)
そんな感じで。
ちなみにこのお話、元々は戯曲だが、何年か後にらもさんご本人の手でノベライズされたらしい。
らもさんの本はエッセイしか読んだことがないぼくですが、この作品は、細部まで「こうかな? こういうことかな?」と再度咀嚼しながら読んでみたいと思いました。
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