てくてくミーハー道場

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2012年11月20日(火) ゆっくりおやすみください

(都合により日付がズレていますので、本当は19日の日記です)





朝、家を出るまで・・・いや、職場に到着する寸前まで元気ハツラツだったのに、職場に着いたとたん、具合が悪くなった。



別に、イヤな仕事が待っていたとかいうわけじゃなく、本当に、普通の意味で、体調が悪くなったのだ。

まあ、地下鉄の駅から職場に向かう道すがら、週のしょっぱなから頭が痛くて(ここまでは、ぼくにとって「体調不良」に入らない)肩こり体のこわばりが強くなってきたので、歩きながらマッサージの予約を入れた。

ところが、PCが立ち上がるのを待ってるわずかな時間に、たちまち頭痛が本格的になり、ぼくの風邪の主症状である悪心ムカムカ。

今日が締切の仕事がすぐ終わるやつで良かった。

さささっと2時間で片づけ、マッサージ(とにかく肩周り首筋こめかみの痛み眼精疲労を何とかしたい!)を午後いちに変更してもらおうと電話したら、

「風邪のときは、マッサージはやらない方がいいです。ウィルスが全身に回ってしまいます」

とコワいことを言われ、そんな殺生なと思いつつ、

「栄養を摂ってゆっくりおやすみください」

という専門家のアドバイスに従って、早退しました。



帰宅してテレビ視てたら(寝ろよ!)、今日の東京の最高気温は10度だったんだってさ。

そらキャッチ・コールドするわ。

今冬(まだ秋だと思いたかった・・・/悲)初のキャッチ・コールド。

歳と共に流行りものに敏感(こんな流行りものばっかだけど)になっていくわたくし。

とりあえず部屋を暖めて、横になる。

早く帰ることばっかりに気が行ってたので、風邪薬を買ってこなかったことに気づくも、寝ころんだらなんとなく楽になったので、そのままテレビを(おい)

先週、訃報が伝えられた森光子刀自の特別番組を録画していたので、それを視る。

『放浪記』、ぼくは一回しか観てない(それでも既に刀自は80歳過ぎてた。でも、でんぐり返しはしてた)のだが、あんまり“壮絶”な感じのモリミツコを観てなくて正解だったかな、とこの番組を視て思った。

失礼な感想かもしれないが。

実はぼく、別の舞台(2007年10月新橋演舞場『寝坊な豆腐屋』)で若干ソーゼツな感じの森光子を観ているので、結局その配慮(?)もムダだったのだが。

あの頃にはもう彼女は、普通に座ってても足とか手が常時プルプルしてて、

「これって、すごい緊張してるの? それとも」

と、かなり気になった。

前から2列目で観ちゃったせいもあるが。

だけど、そこさえ見ないようにしていれば、セリフは自在だし、“元芸者”のそのヒロインが、普段着とよそ行きとで変える和服の着こなし・センスなんか、思わずうっとりしてしまう舞台だった。

この舞台の時代である昭和37年ごろには、妙齢の女性はまだ皆(水商売とかに限定せず)和服だったと思う。

祖母コン(ばあちゃんコンプレックス)のぼくにはたまらん舞台だった(そんな感想?!)

あ、いや、もちろん、話も面白かったよ(古き“ザ・人情もの”でありました。が、手練の出演者たちやダブル主人公の勘三郎と森刀自の掛け合いが絶品で、とにかく「うまい!」と声をかけたくなるような舞台だった)



そんなわずかな対森光子の記憶をたどりながらこの番組(金曜プレステージ)を視ていたが、一番胸にぐさっと来たというか、熱く冷たく沁みてしまったのが、刀自の、

「役者ってのは(略)幸せいっぱいじゃ、やってけないんです」

という言葉。

エンターテインメントの世界に生きている人たちに対して、いつの時代も大衆はドSである。

名声と収入に恵まれている「有名人」「売れっ子芸能人」に対して、大衆はいつも、理不尽な羨望と嫉妬と要求を突き付ける。

公私ともに幸せになることを許さない。

ワイドショー的な話で気が引けるのだが、彼女は2度(?)の結婚に失敗して、お子さんもいない。

世間一般でいう「女の幸せ」は彼女には与えられなかった。

それでいて、“芸能界のお母さん”として君臨しているような扱いもされ。

一体、それは幸せなのか、そうでないのか。

ジャニオタ的に見れば、ここ二十年ほどは(考えると、長いな!)大勢の美少年美青年たちから尊敬され、もてはやされ、(下品な感想で申し訳ないが)いいご身分だなぁと思われていたフシもある。

でも、そんなのは結局「オモテ向きの」幸せだったろう。

彼女を慕うあまたの美少年たちは、ぶっちゃけ本当の息子でも孫でもない。

その事実に、本当は寂しい独居老女であるモリミツコを思って、ドS感情を満足させていた、ぼくも下品な大衆の一人であったのかもしれない。

ぼくが目にした直近の森光子さんは、光一さんが『徹子の部屋』に出た時に紹介された、「今年の初頭に送られてきた、『SHOCK』のパネルを掲げた」写真。

遠く離れた孫にエールを送るため、こぎれいにオシャレしたおばあちゃんにしか見えなかったが、その笑顔は幸せそうだった。

ぼくが言うことでもないが、それはそれで良かったんじゃないかな。





ゆっくりおやすみください。

ぼくも今日は早く寝て、風邪治します(じゃあテレビ消せよ)


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