2005年08月30日(火)...興醒める

 エレベーター、項と浴びたてのシャンプーの匂い。手を付いた壁に爪が触れて、かつん、と音を立てた。点滅する数字がじわじわと大きくなるのを横目で見ながら、左手で塞がれた防犯カメラにドーパミンがすぅ、と減少してゆくのが解った。

2005年08月28日(日)...歩き疲れた

 もやもやとした心の侭に過ごしていると、何処に向けるでもない其れが何時の間にか理不尽な憤りに変わった。決して激昂ではなく、かき氷の様にふわふわと降り積もり、すうっ、と溶けてゆく。
 ひやりとした感触が鳩尾の上で何時までも蟠っていた。

2005年08月27日(土)...幻覚夢現

 短過ぎた睡眠は周囲の音にエコーを掛けてゆく。全然眠たくなくて、其れでも脳味噌だけは矢鱈とくらくらする。4重に揺らめく顔が媚びる様な表情で迫って、空っぽの胃に流し込んだアルコールを少し後悔した。

2005年08月25日(木)...早秋の台風

 微妙な誤差を含んだ言葉が和やかに此方を向いていることに如何にも居た堪れなくなって、修正を加えているうちに遂には消してしまった。文体にしてもデザインにしても不明瞭で、厭になる。

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