2005年03月29日(火)...柔らかな朝
ドアを開けた瞬間、陽射しの味がした。揺ぎ無い優しさを秘めた白い輝きが降り注ぐ季節だ。非常階段の踊り場から見える小さな世界を、子供達が自転車で走り抜けていった。
コンクリートは未だ冷たくて。頬に触れる生暖かさが少し気持ちを酸っぱくさせた。こんな日は誰かに傍に居て貰いたくて、馬鹿だな、とひとりごちる。甘えを送信した宛ての、甘えずに済む距離に安堵の様な痛みを感じて空を仰いだ。
2005年03月27日(日)...春の迷い
瞳まで其の色に染まって仕舞いそうな空と、雲のコントラストに吸い寄せられる様に舞い上がる花弁。新しさは淋しさと同じ温度で押し迫って、強引に隙間を抉じ開けてゆく。