2004年08月06日(金)...夏の温度
Alighieri Dante、地獄編。1番罪悪感の少ない方法で逃避を図ろうとだけに広げられた其の本を、壁に凭れてただ眺めて居た。一体どれくらい時間が経ったのだろう。何時の間にか西日が差し込み、床にはグラスから滴った水が丸い円を描いている。
飲み残したカルピスは、溶け出した氷でゆらゆらと嫌らしい表情を此方へ向けていた。
2004年08月01日(日)...試験中
雲の流れが速い、と思った。窓紗越しの煌きはひらひらと零れて、無造作に広げられたプリントに停まる。文字と文字の隙間に諦めを見出した後は、蝉の声に後押しされる様にふらり空想へと入っていった。
窓の外には鉄棒と螺旋階段、喚起される躍動。