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うたかた
sakurako

2023年07月22日(土)
もう鎮痛剤はいらないなんて言わないよ絶対

多分筋腫とかが悪化しているのだと思う。
血管を巻き込んで出血しているとか、そういう類だろう。午前中タバコポーチに持っていたロキソニンをのんで鳥の世話を終えたらもう痛みがぶりかえしてきて気絶するようにベッドまで這っていく。気絶してんのかもしれない。起きてマシになった気がして仕事するも1行書いたらまた激痛。ベッド。気絶。繰り返し。
薬局まで行ける気がしなかったのが敗因だが(そして外出すると消毒洗濯風呂がセットでついてくるので、できる気がしない)、さすがに行った方が楽だったかもしれない。あーあ何年女やってんだろ私というのは確か『PINK』のユミちゃんのセリフだ。っていうかもういい加減終了してくれねえだろうか。病院行けという話だが毎月こんな状態でもロキソニンさえあれば気絶しないで済むんだから鎮痛剤すごい。
冷凍庫に常備してあるジンギスカンの賞味期限がそろそろの気がするのでありあわせの野菜と炒めて食べる。



2023年07月20日(木)
『君たちはどう生きるか』

2023/7/20 TOHOシネマズ上野

最初に言っておきますが考察とかいうような役に立つものは全くなくひたすら「こうだったよねー」というただのお喋り。ネタバラシは全開で全く配慮していないので気を付けてください。未見の人は回れ右。あっ、これから行く人「言うても言うてもアニメやろ」と思って行くとしっかり2時間あるからトイレちゃんと行っておこうね!
内容は随時修正加筆予定。ではどうぞ(一応数段空けます)。







ボーイが冥界下りしたらミーツガールしてエディプスコンプレックスを乗り越える話なんだけど(異論は認める)克服した相手が実母ってオエだよね。こんばんは。ぶっちゃけ初っ端からネタバラシです。しかし追いつかない。書いても書いても追いつかない。こういう「当たり」を引くために我々は映画館の暗闇に安くない金を払って沈むのだ。そういう、映画だった。すげえよね駿over80だぞ。遺作とか言うひとも多いけど多分まだこの人「イメージの本」みたいの撮るで。
最初の火事、あれみんな空襲とか東京大空襲って書いてるけどただの火事じゃね?警報鳴ってた?時期的にももっと戦争始まってすぐじゃない?しっかしあの歪む感じの描写は凄かった。病院火事(トトロいたもん)のグニャッと描写がさ、巨神兵みたいで(この後どんどんこうゆう(「ウワージブリのアレ!」)のは出てくるけどこの歪むかんじは特に凄かった)……あとあれね、昔の家の急な階段ね。浴衣で寝てるとかね。いやこっからリアルシーンAパートBパートのアニメーションというか絵ヅラが本当にヤバくてあああこの構図このアイテムこの光この小物って感じで性癖濃縮して詰め込まれ過ぎてて吐きそう。

実母は結局火事で死んで戦争も激化して長野(?)に疎開(?)することになる。新しい嫁(?)が人力車で駅まで迎えにくる。この(?)のへんではまだ嫁が叔母って明かされてない(と思う)のでリアル観た時系列の印象として「(?)」を入れてる。「立派に御成になって。赤ちゃんの頃一度お会いしたことがありますよ。」という夏子の台詞にこのキムタク(実父)はずっとこの愛人を抱えてたのかとすら疑ってしまった。また愛人とか何人も抱えてそうなオヤジなんだこれが。例えば身重の嫁に平気でトランク持たせるどころか「重いぞ」とかいうキムタク。ザ・昭和〜!風立ちぬで結核の嫁と手繋いで喫煙してたけどもうこれ駿の美学やんとすら思いました。夜中に帰宅した時はハグ&キスなんかしちゃってる(多分)から割とススンデる感じの夫婦でもあるんだけど。
銘仙に赤い鼻緒の黒塗りの下駄、白藍の襦袢はつけてるのに裸足、使用人に対するくちのききかた、最初は夏子さんが妹(叔母)だってわからんかったからばぁちゃん達は嫁の家のひとなのか旦那様の家の人なのかもやもやした。
ばあちゃんたちが群がる缶詰、さとう、おはぎ、たばこ。ばあちゃん達の着物の柄やもんぺ、髪飾り(後でちょっと効いてくるとこはもうこれよくあるアニメの技みたいなもんだけどまあ上手いよね)

たばこな!!!
『風立ちぬ』はチェリー(ちなみに駿はチェリーを愛している)だが今回は光。
オレは映画・まんが・小説に登場する煙草の銘柄マニアでな。風立ちぬはちゃんとチェリーだし今回の『君たちはどう生きるか』では光だ。しかも赤箱。ちゃんと戦時中。敷島や朝日じゃないとこがいい。両切りバージニア葉は日本人の魂だ。永遠なれ。
ヘブンズフィールで一番泣いたのも切嗣の煙草抽斗にあった時だしな。もうオレは「君たちはどう生きるか」と問われたら「日本の両切り煙草文化を昭和の生き残りとして支持し伝え遺したい勢として生きていく所存」なんだけど最近老化が激しくてたまに缶ピーのむと(「のむ=昭和)正直えづく。ああそうそうばーちゃんが「たばこのみは大変だねえ」ってゆってたけどそうなの、たばこは「喫(の)む」ものであって「吸う」もんじゃねえのよ。

飛びましたね、話。
立派だけどけっこう古い洋館には大きな池だか沼がみえて、その奥に森があって、そして例のアオサギがいて、古い塔がある。アオサギに導かれた眞人が塔にぐんぐん入って行っちゃうところ、ああ本当はこういうタイプの子だったんだと思う。まつげ3本あるけど。
「ダットサンで学校に乗り付け」(その辺が無神経なんだよこのオヤジほんと。絶妙な悪い人じゃないけど俗物というか、その感じすごい出てましたねご飯頬張って喋るところとか。かつて糸井重里だった「お父さん」はかつてハウルだったキムタクに代替わりしました、年取るはずだわオレも)たその日に寄ってたかって同級生たちにやられて、けどその喧嘩の傷じゃなくって自傷したらめっちゃ血が出て結構な傷になる。あれは学校行きたくないとかやったやつを父親にひどいめにあわせてやろうとかじゃなくて単純に自傷のような気がするけど知らん。後でファンタジーパートに行った時「傷左右反転してる?」「眞人左利き?」と思うシーンがあったけど多分気のせい(未確認)。
ばぁちゃん達がかわるがわる看病してくれる。「お母様によく似ていらっしゃる」とか「久子様も神隠しにあって同じお姿で1年後に戻ってこられた」とかの会話であー、妹と再婚したのねとわかる。
サギに導かれて塔に入るとか、ばーちゃんたちの会話でひっかかってた疑問が解けてくかんじとかが自然できもちい。でもサギと仲良くなる展開かと思ったら全然違うかった。
ちなみに昭和のやんごとないとまでいかなくてもある程度格の高い御家柄のおうちは姉の後妻はいもうととかよくある話なのでそこにスキャンダル性ないからな。
しっかしガチモンの破魔矢ホーミング機能付きワロタ。主人公が作るだけでなく夏子さんまで襷掛けして持ってるので星よ、導きたまえである。しかしサギ男、眞人を誘うために抜け羽を落としたりして結局弱点である風切りの7番を矢に使われちゃってるのでマヌケなのか、サギ男もまた大叔父に導かれただけなのか…そのへんは知らん。夏子の偽物とかも誰がどうやって作ったのかとかは回収されない。

ところでこれは本当にムダ話なんだけど風切羽には初列と次列があり鳥種によって枚数は違います。たいてい初列が11枚ですがけっこう換羽で抜ける。あとカッコいいのはヴェラシーラなんですよコレ。要するに飛び立つ時は羽ばたいて推進するんですけど滑空する時は揚力を得る機能に切り替わるんです。トリに生涯を捧げているヒトからは以上です。

現時点でパンフレットが発売されてないので不明なんだがばーちゃん達のフルネームと中の人を全員分教えてほしい。駿ババアの集大成として素晴らしいばーちゃんたちだった。ナイスだジュン、さわこ、しのぶ、けいこ。
ちょっとしか出てこないけどじーちゃんもよかった。ナイフの研ぎ方を教えてくれるじーちゃん。昭和はみんな家で包丁研いだもんだ。あと研ぎ屋も定期的に巡回してきたりした。
とにかくガチもんホーミング破魔矢で嘴を射抜かれちゃったサギ男と眞人と、巻き込まれたキリコばーさんはずぶずぶと冥界下り(だよなあ)に飲み込まれていった。

冥界パートはジブリをファンタジーとだけみてるわけじゃないのでオレの感想は多分他の人より少ない。
わらわらとかペリカンはずっこいからやめれ。いややめんでええけど。スコップのつかいかた変くね?(ペリカン埋める時)左利き?もしかして傷逆転してる?と思ったけど右で合ってるようだ、もっかい見たい。んであれは結局誰の墓だったのか。
コケコッコ花最近見ないねえ。別の映画でも出てた気がするけど未確認。ドアにあいた菱形の窓、カオナシとこえた水のうえ、オレは甘いものを食べないのでバターと苺ジャムには全く魅力を感じなかった。むしろばーちゃんたちとたべた「おいしくない」大根飯?とたくわんのほうがうまそう。でもこれは現実世界メシと異世界メシの違いだろう。しかしはやお作品、異世界でメシ食って帰還できすぎ。なんなんあれ。あと気になるのは塔は駿の趣味だから良いんだけど(でも円形校舎ぽみのある光の描写まあ塔なんだからそりゃそうなんだけど良かったねえ)全員が「大叔父さま」って言うとこ。久子と夏子の大叔父様は眞人の大叔父様じゃねえだろうよ。
トリは全体的にトリっぽくなかったので鳥マニアとしての感想はとくにない。かけまくもかしこきゼルレッチのインコ。模様はトトロ。「奇怪な二足歩行のインコ」って記述をどっかで見たけどインコは2足歩行です笑。言いたいことはわかるけど。カヘッ。そしてあのドアは後ろ戸でもある。132って何の数字か気になる。ドアの番号ってか部屋番号って気になりません?『存在の耐えられない軽さ』とかさあ。
でドアから元の世界が見えるんだけどさ「三人揃って神隠しに遭うなんて!」ってパパが創作してるのおまゆう過ぎて笑いポイント。でも日本刀持ってるとこはちょっと良かったわねえ。

シンエヴァと違って母親相手のコンプレックスはみててキツい。正直感情移入できない。というところはあった。どっちかというとオエである。オエも含めて駿なんでいいんだけど、このきもちは性格なのか性差なのか知りたい。しかし考えてみろ、100パーセントの映画なんてものが、あるか?あるな。カリ城だ。一周まわってこの監督がカリ城作ったら不朽の名作待ったなしだろうと思う。しかも、ありえる。アリエール。

いや書いたなあ。エヴァより長く見続けてきたものをこんなに濃縮でお出しされたら情緒が安定しないというのが本当のところだ。
あと何だよ!本田雄さんじゃないか!ってのがエンドロールの感想。エヴァに乗れ!
「どこでも米津〜♪」いや良かったですよね曲相変わらず。音楽が全体に良かった。これは褒めてるんだけど坂本龍一かグールドかって感じの久石譲。

オレにとっての映画の優先順位はエンタメじゃないんだよなと改めて思ったりしました。観に行ってよかったです。