VITA HOMOSEXUALIS
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別れは突然やってきた。
春になり、彼はとある官公庁に就職した。やっと見つかった職場であり、決まってからもいろいろ参考書を買ったりして、彼は一生懸命やる気になっていた。彼が住むところはだいぶ田舎だったが、私は遊びに行くと約束した。
彼が就職してから一ヶ月ほど経った。何の連絡もなかったので、私は彼にメールしてみた。
その返事は要領を得ないものだった。「もっと詳しく知らせて」と私はドイツ語で書いた。
そのドイツ語の返事に、彼は職場に合わなかったこと、辞職しようと思っていることなどが綴られていた。
私は呆然としたが、止めなかった。自分で決断したのなら、それが一番良いことで、私はいつでも彼を応援するつもりだった。
それから一ヶ月ほどして、彼に会った。まずまず元気そうだった。これからは文学がやりたいとか、福祉の仕事をして人の役に立ちたいとか言っていた。そのときはセックスはなしで、私たちは話をしただけで別れた。
もう一回、一ヶ月ほどして経った。彼は少しやせたようだったが、元気だと言った。このままくすぶるつもりはない。いつか必ず文学で芽を出すと言っていた。
それ以来、彼からの連絡は途絶えた。
もちろん、私は何度も彼のことを思い出した。
滑らかな白い肌、華奢な顔立ちに不釣合いなほどぼってりと大きく、形の良い桃色の唇、蒲柳の質ではありながら、それなりに盛り上がった肩や二の腕の筋肉、そうして、ごわごわと縮れた陰毛の草むら、堂々と自己主張するペニス。
私は彼を思い出してオナニーした。
もう一度会いたいという気持ちはあった。だが、こうなると彼も強情なのだった。私と会えば何かが崩れると、あるいは甘えが出ると思っているかぎり、彼は私には合わない。
私は彼を渇望した。
あまりにも渇望で苦しいときには、着衣のままオシッコを漏らして、一瞬の熱い幻惑の中で自分を慰めた。
私は今でも彼に会いたい。
だが彼は去った。
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