舌の色はピンク
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2016年05月08日(日) |
踏切が叶える住みよい街づくり |
隣町にいわゆる「あかずの踏切」というのがあって、 つかまる度に、さぞ周りも苛立っていることだろうと様子を伺うと 地元住民らしき方々はちっともじれていない。
当たり前だけど彼らはこの踏切に慣れきっている。 というか、馴染めない人間は淘汰されていくはずだ。 僕はせっかちの性分であるからそもそもこの街に住もうとすら思わない。 この街に住み続けているのは、 踏切に5分や10分待たされた程度で気分が乱されたりしない、 心にゆとりのある、おおらかな、優しい優しい、 洗練尽くされた紳士淑女だ。
そこに門外から、街の秩序をわきまえない僕のような粗忽者が現れるから だんぜん話がややこしくなる。 こういうやつが踏切でひとり勝手に苛立って 全く罪もない前の人を突き押したりするんじゃないのかとすら思う。 心優しい住民が走る電車の餌食になるのだ。 しかしそんな事態になっても周りはなお慌てたりしない。なにせおおらかだ。 粗忽者はエイヤエイヤと次々に電車に向けて人を投げ込み続ける。 あかずの踏切はあかない。 みんなが笑ってる。 おひさまも笑ってる。 ルルルルル。今日もいい天気。
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