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 お婿にいった四+カカのお話
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   ぎむれっと-40話 -キリリク話
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2008年06月19日(木)
ぎむれっと――または、ろんぐ・ぐっどばい 19) Side T


ボクの頭が冷えたとき、先輩はぐったりしていた。つまりは、ボクに組み敷かれて。

己の所業を忘れているわけではない。
制御できなかっただけで、何をやっているかはよくわかっていた。

性欲がないわけではなかった。
ただ、ほかの同性と比べるとかなり薄く、しかもなかなか沸点に達しない、そういうものだった。
だから、こんなふうに我を忘れるほど強い情動に突き動かされたのは、初めてだった。
それ故にボクは戸惑ってもいた。

たいして抵抗もされなかった。
受け入れてくれたからなのか、あるいは、抵抗するほうが危険だと判断されたのか、そこはわからない。
でも合意を得たうえでの行為ではない以上、強姦になるのかもしれない。
つかの間の充足、だが――結果は喪失、なのだろう。
里に戻ったら、また暗部時代の先輩後輩のように……などと思っていたのが嘘のようだ。
しかしこれも、己の所業の結果だ。それより、先輩を傷つけなかったか、そちらが先だ。

「先輩?」
そっと声をかけると、乱れた髪の合間に、眠そうな目が見えた。
「湯、沸かして」
だるそうな声に、ボクは土間に飛び降り、火を熾す。
「もう……中出ししたら、あとが面倒なのに」
ブツブツと文句を言う先輩の口調がなぜか楽しそうに聞こえ、ボクは混乱する。

「テンゾウ」
先輩が白銀の髪をかきあげ、ボクを見た。
「気持ち、良かった?」
その瞬間、ボンと身内が爆ぜるほどの羞恥に襲われた。
「す、すみません……見境もなく……じゃなくて、えっと、その」
色めいた視線で先輩を見る輩は、敵だけでなく暗部にもいた。
そういうヤツラにボクは腹を立てていたはずなのに、自分のしでかしたことといえば……。
おろおろと目線をさ迷わせるボクに先輩は、手だけで「おいで、おいで」をした。
「はい?」
そっと畳を這って、先輩のところに行く。
「テンゾウ」
いきなり、抱きしめられた。
「テンゾウ。大好きだよ。どんなときでも、おまえはおまえだ」
先輩の唇がボクの耳朶を捉える。やわらかく挟み込まれ、背筋がそくっとする。
「今のままのテンゾウでいい。このままで」
なぜか、身体の奥のほうでゆるゆるとほぐれていくものがあった。その正体がなんなのか、ボクにはわからなかった。でも、とりあえず、先輩はボクに腹を立てているわけではない、ということはわかった。

じゃなくて、え?
大好き?
確かに、先輩はそう言った。
ドックンと心臓が跳ねる。

いやいや、好きと言っても、そういう意味ではないだろう。
落ち着け、落ち着け。

とりあえず、ボクは、赦された……のだ。たぶん。
何か裏があったのだとしても、いま、この先輩に縊り殺されるなら、本望だとさえ思う。
任務半ばで、すみません、五代目、でも、ボクはボクとして幸せです……って遺言かよ、と自分で自分に突っ込みを入れた。

――ダメだ、こんなことじゃ、忍として終わりだ……。

深くため息をついて先輩の身体を引き離す。
ニコニコと上機嫌な顔の先輩の、両の目を見た。
夜には濃いグレーに見える、やや青みがかった右目と、普段は閉ざされている紅蓮の炎の左目。

ああ、綺麗だ。
やっぱり、とっても綺麗だ。

いつだったかも、こんなふうに間近に先輩の瞳を見て、そう思った。
それがいつだったか、どんなときだったのかは、思い出せないのだが。
とても懐かしい、感じだ。

ずっとこのままこの綺麗な両の目を見ていたい、と思うのに、湯の湧く音を、ボクの耳は捉えた。
「先輩、湯が沸きました」
「うん」
「どう……しましょう?」

中出し云々と言っていたから、やはり掻きだしたほうがいいだろう。
腹下しの原因にもなりかねないとは聞いたことがある。
「ボクが……」
「いい。後始末ぐらい自分でできるよ」
そう言って先輩は、ボクから離れた。
なんだか……急に心細くなったような……まるで子どもが抱くような感情がボクの内に生まれる。

「先輩……」
「ああ、そんな顔しない。大丈夫だから。それに、オレ、怒ってなんかいないよ」
「でも」
「それより、明日からいろいろ調べたいことがあるから。テンゾウ、できる限りでいいから、協力、頼む」
はぐらかされたようで、ボクは不承不承に「はい」と答える。
「この村では、おまえだけが頼りなんだから。ね?」
見え透いた、とわかっていても、先輩の言葉にボクは嬉しくなる。
今のところ、先輩に協力しても己の任務に反することはない、と素早く検証する。
頷いて、ボクは先輩を見た。
「ボクの守り番の時間まで、ひと通りご案内します」
「ん、頼んだよ」
先輩はだるそうに、けれど、気軽な雰囲気で土間に降りると沸かした湯を金だらいに注いだ。
「あ、水はそこに」
水がめを指差すと、ふんふんと検分するように覗き込み、ひしゃくで水をすくい、金だらいに移す。
もちろん水道設備も整っているのだが、不測の事態に備えて水をためておくのがこの村の習慣になっている。
「夜着はボクのでいいですか?」
なんでもいいよ〜、という暢気な声に、洗い立ての浴衣と帯をひとそろい、土間からの上がりかまちに置く。
それから敢えて先輩に背を向け、座敷を片付け始めた。

もう明け方に近いが、少しでも眠ったほうがいいだろう。
押入れから自分の布団を出し、一度も使ったことのない予備の布団を出した。
多少、湿気た匂いのするそれに、洗い立ての敷布をかける。
二つ並べて敷き終わるころには、先輩はこざっぱりと浴衣を身にまとっていた。

端に寄せていた食器を流しに運び、ざっと洗って桶に伏せ再び座敷に上がると、先輩は勝手に布団に横になっていた。
おまけに、わざわざ離して敷いた布団がくっついている。

どうしたものか、と思案していると、「山間の明け方は冷えるんだよね」という呟きが布団越しに聞こえてきた。
「それは、同衾しましょう、というお誘いですか?」
ひょいとかけ布団がめくれ、先輩の顔が覗く。
「テンゾウ、オレより体温高いから」

共にすごした暗部時代、体温を分け合うことで命をつなげて来た幾多の場面が脳裏を過ぎる。
しのつく雨のなか、互いに怪我をして、ボクもさすがに小さな小屋さえも造れず、先輩もチャクラが切れかけて、洞窟の奥で身を寄せ合ったこともあった。
ひどい手傷を負い、それでも敵をひきつけておかなくてはならいぎりぎりの状況のなか、分身をおいて先輩を担ぎ、身を隠したこともあった。
戦闘のなか、そんな機会は数えるまでもなく、たくさんあったのに。
その記憶よりももっと、多く……熱を分かち合ったような気がするのは、なぜなのか。
寄せ合った肌の、汗に濡れた感触さえも思い出せそうなそれは、ボクの妄想だろうか?

結局、先輩とボクはくっつけた布団のなか、二枚の掛け布団を被り、抱き合って眠りについた。

もっと、緊張するかと思ったのに、なぜか睡魔は速やかに訪れ、しかも眠りはいつになく安寧で、安らかなものとなった。