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 四代目とカカシの絆を知って、
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 【2部】 ぶらっく・るしあん-4話
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  春霞-4話
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4話
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  波の国任務の少しあと
  てぃままん-3話
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  月読-5話 -キリリク話-
 月読の術に倒れたカカシを心配しつつ、
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  月読 後日談


  テキーラサンライズ−19話
 ぎむれっと前日譚


   ぎむれっと-40話 -キリリク話
  かっこいいカカシと、
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 ※途中、18禁あり
  プロローグ  本編  エピローグ



  La recommandation
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-ヤマカカな話-

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2008年05月17日(土)
ぎむれっと――または、ろんぐ・ぐっどばい 18) Side K –18禁−


挑発したのは意図的だ。

テンゾウは、オレのことを記憶しているが、暗部時代の先輩として、だ。
いくつかの会話を経て、大蛇丸の研究施設から助け出され、忍の道を歩くようになったことも記憶しているとわかった。木遁忍術については、予想したとおり封印されているらしいことも確かめられた。

「ただ、生き残った」と言うテンゾウに、胸が痛くなる。
昔、自分の価値は木遁忍術を使えることにあると思い込んでいるテンゾウに、言ったことがある。
おまえに、ただ生きていてほしいと、三代目は願ったのだ、と。
そして、オレも優秀な後輩だと評価しているけれど、たとえ木遁が使えなくても、その評価は変わらない、と。
懇々と諭したのに、木遁忍術を封じ込まれたのと一緒に、その記憶も封じられたのか。
それとも、実験体だったころの記憶は、せめて木遁使いにでもなれなければ帳消しにできない、つらく苦しくやりきれなく悲しい記憶しとして、テンゾウのなかに残っていたのか。

これが任務だったとしたら、残酷なことだ。
任務でないとしたら……。いや、木遁が封印されている以上、里が絡んでいるはず、だとしたら里も合意の上の里抜け? だが、なんのために? やはり、任務以外、考えられない。
テンゾウの術を封じることのできるほどの術者が、どこかに存在しない限り。

上忍師になって最初にオレが部下に教えたのは、「忍は裏の裏を読め」ということだ。

だが、教えるオレ自身が、たてまえの奥に本音を隠し、そのさらに奥底に、秘めた思いを沈めている。
仲間を見殺しにするヤツはクズだ、と言うオレ自身、仲間を助けることを優先したあげく、その判断を非難され、心を病んだ父を、ずっと受け入れられずにいた。
いや、今でも父の死を受け入れられたわけではないのかもしれない。
オビトがオレをかばい、オレに目をくれたから。そのオビトが、「白い牙は英雄だと信じている」と言ったから、それにすがっているだけなのかもしれない。

だったら、テンゾウも同じなのか。

そう思った途端、矢も立てもたまらず、確かめたくなった。
いや、オレとの過去を記憶していようがいまいが、そんなことはどうでもよかったのかもしれない。
オレは、ただ、今、目の前にいるテンゾウを、欲しくなっただけだったのかもしれない。

それでもまだ、欲情するほど強く、欲していたわけではなかった。
むしろ、精神的な葛藤のほうがまさっていた。
だが、オレの呼びかけに振り向いたテンゾウは、獣のごとき唸り声を上げ飛び掛ってきた。
とっさに反撃しようとしたほどのすばやさで。
押し付けられた下肢に熱い塊を感じなければ、即座に雷切を発動していただろう。

相手の情欲に触発されないと目覚めないはずのテンゾウの欲が単独で、つまり、本人の情動のみにつきうごかされて目を覚ました。
そのとき、オレが感じたのは、紛れもなく――。

歓喜。

オレも男だから、時に相手の意思を無視して自分勝手に沸き起こってくるのが性欲だということは、わかっている。
でも、テンゾウは違った。
オレが、もし女だったら。テンゾウはずいぶんと都合のいい存在だったかもしれない。
本人は「たまることはたまるんですけどね」と苦笑していたが、いずれにせよ、相手の受け入れ態勢が整わなければ発情しないというのは、相手にとっては――この場合はオレなんだが――楽だ。
だが、オレはあいにく男だ。
まあ、テンゾウに対しては、なんだ? その、女役とでも言えばいいのか、突っ込まれて良しとしていたわけではあるが、要するに、テンゾウが盛るのはオレが盛っているからだと突きつけられているのも同然だったわけで、それはそれで、自分が男なだけに複雑なものがあったのも事実だ。

「せんぱい……」
聞いたこともないような上ずった声で、テンゾウはオレを呼び、抱きしめ、おざなりに唇を重ねたかと思うと
「すみません」
と謝罪して、
「でも」
と言い訳した。

そしてオレは抱きかかえられたかと思った次の瞬間、だいぶくたびれた畳に押し付けられていた。
あれまあ、瞬身まで使っちゃって、と暢気に構えているうちに、背後から覆いかぶさってきたテンゾウに、熱く滾った性器を尻の狭間に押し付けられる。
テンゾウもやみくもに繋がろうとはさすがにしなかったが、やわやわと刺激されると、警戒心は解けないのに、身体のほうは馴染んだ相手に溶けてくる。

オレを欲しいと、ただオスの本能だけで求めてくるテンゾウに、オレは堕ちた。

刺激に答えて、自分の腰が緩く動き出すのがわかる。
突き出すようにして、待ち構えるオレがいる。
どこからか取り出した傷薬の軟膏をひとすくい、テンゾウが指で塗りこめる。
久しぶりに貫かれる感覚に、背筋が震え、両足が開いた。
オレの期待を見透かすように、テンゾウがオレを穿った。
性急に押し広げられ、息が詰まる。
呻いたオレを、テンゾウはまるで拘束するかのように抱きしめた。

いつもの、どこかに余裕を残したテンゾウではない。
昔、まだ付き合い始めのころの、いっぱいいっぱいだったアイツを思い出す。

深く深く、まるで息の根を止めようと凶器を埋め込むがごとく突き入れられ、快感よりも強い刺激にオレは喘いだ。
引き裂かれる恐怖、それをもたらすテンゾウ……こんなヤツだったっけ?
だが、不思議と、「これはテンゾウではない」とは思えなかった。
オレの肌に触れる、その指先の動きは、知っているテンゾウのものではないし、息が詰まるほど欲望をぶつけられたことも、今までなかった。でも、これはテンゾウだ。
何がとか、どこがと言葉では言えない部分で、オレの嗅覚が触覚が、いやオレの本能が「これはテンゾウだ」と告げてくる。

「テンゾウ」
オレは自分の感覚を確かめようと、名を呼び、くたびれた畳に爪を立てた。
身体のなかを行き来される感覚に慣れてくるにつれ、オレの息は荒く、すがるようになる。
ずん、と突き入れられ、さらに奥を押し広げるかのように、小刻みに揺すられたせいで、しとどに濡れたオレの屹立は、畳に擦られた。
チクチクとささくれ立ったイグサが皮膚を浅く裂く。
それさえも、快感に変わり、俺は畳に顔を押し付けた。

隣家と距離があるとはいえ、静かな夜、オレの咆哮は確実に響いてしまう。

「せんぱい」
夢見るようにささやいたテンゾウの大きな掌が、オレの口を背後から覆った。
本来なら、警戒の必要な行為をオレはあっさり受け入れ、肉厚な掌に噛み付くように、声を堪える。
奥深くまで穿ったまま、テンゾウは揺れる。
同時に、自分の身体と畳に挟まれた性器が、揉まれる。
このままじゃ、出ちまう、と思うが、訴えるすべもない。
他人の家の畳を汚すのは本意ではないが、致し方ない。
ドクンと強い鼓動を感じ、解放に向かおうとした刹那、耳朶をかまれ、痛みに気が逸れた。

ぐいと腰を引き上げられ、今まさに果てようとしていた逸物を、握りこまれた。
口は塞がれたまま、その態勢で揺さぶられる。
「もう、少し……待って」
途切れがちなテンゾウの訴えを、朦朧としながらそれでも耳が拾う。

そういや、こいつ、無駄に絶倫なんだよなぁ。

自嘲気味なセリフを思い浮かべ、オレは腰を振った。
オレはもう限界だ。とっとと、いかせてやらないと、こっちがきつい、という打算の末の行為だったが、やぶへびだった。
襞を擦るテンゾウの感触だの、出し入れするときの己のひくつきだの、いちいち知覚するたび、たまらなくなる。

もう、頼むから。もう、このまま、いかせてくれ。
頭のなかで呟いた言葉に、オレは半ば愕然とした。
もし、これが敵の罠なら、間違いなくここで死ぬ。

「せんぱい」
切羽詰ったテンゾウの声が、腰骨に響き、身体の奥で弾けた。

ここで死んだら……あの世で親父に言ってやろう。
はたけカカシは愛欲に溺れ、縊れ死にました。
それでも――幸せでした。
と。



2008年05月16日(金)
ぎむれっと――または、ろんぐ・ぐっどばい 17) Side T


先輩を案内しながら、ボクは内心で動揺していた。
己に下された任務の輪郭はおよそ掴めたと思う、だが、いまだ明確になったとは決して言えない。

先輩が目の前に現れたとき、ボクは咄嗟に共闘する道を選んだ。
それが間違いでなかったことは、長の言葉からもわかる。
だが、先輩はボクの任務を知らないし、ボクもまた先輩の任務を知らない。
この先、どこまで歩みを共にできるか、わからない。
何か事が起きたとき、その判断を誤らず、的確に行動できるか。

ボクは再度、鍋を火にかけ、土間から新しい皿や箸を持ってくる。
先輩は湯気を立て始めた鍋の前でくつろいでいる……ように見えた。

一寸たりとも私情を交えずに判断できるか?
己に問いかけながら先輩を見る。
自覚したばかりの思慕の念は、ボクの胃の腑のあたりで温かい灯りとなって、じわじわと全身に広がってくる。
気を抜くと、そのまま喉元からあふれ出して、あらぬ事を口走りそうだ。

「食べ残しですみません」
ボクは箸と皿を差し出した。
実際には、鍋の中身はそれほど食い散らかされてはいなかったのだが。
「あとで雑炊つくりますから」
「なんか、悪いね」
「いえ。無駄にならずにすみました。かえって、よかったですよ」

酒は残っていたが、結局、先輩は杯を手にせず、ボクも飲まなかった。
家のなかだが、今は戦場にいるのと同じ。ボクたちは言葉少なに、鍋をつつく。

そして時折、先輩の視線を感じる。
きっと先輩も、この先、ボクをどう扱うか、考えているのだろう。

「ねえ、テンゾウ」
視線を皿に落としたまま、先輩がボクに呼びかける。
「はい」
「あの予言、どう思う?」
「時を超えて、ってヤツですか? そうですね」
実際に時空の歪みは、存在している。現に先輩たちも、それを利用したか、意図せず嵌ってか、飛んできた。
「普通に考えれば、過去、何かが起きた。それは時空のゆがみを利用して、過去と未来を行き来していた者がもたらした。同時に、未来――この時代か、もっと先か……から来た者がいて、警告した……下手に干渉すると未来が歪む、と」
「でも、実際にもう干渉しているわけだよね、ヤツらは」
「ええ、ですから。それ以上、大きく歪まないように……ああ、でも、この時代かどうかはわからないわけですから、すべてが明らかになるのは、ボクらにとっては未来という可能性もありますね。あ、いや、過去と未来を行き来している者がいる以上、把握しているのは過去の者という可能性もあるのか……」
自分で言いながら混乱してきたボクは、ため息をつく。
先輩が顔をあげて、ボクを見た。
「おまえがそんなヘタレたノラ顔するの、久しぶりに見たよ」
「え? そうですか?」
「昔はよくそういう顔していたけどね〜。ここ何年かは、ノラはノラでもふてぶてしいボス猫の面構えで、ひと目見たら、そりゃもうみんなひれ伏すってぐらいの」
「ひどいなぁ。そんな凶悪な顔ですか? ボクの顔」
あはは、と先輩は笑いながら、目を細めてボクを見る。

そう言えば、昔は先輩、よく、こんなふうに目をきゅっと弓形にして、笑いながらボクを見ていたっけ。
あれは、そうか。「もう、しょうがないなぁ、この後輩は」って、顔だったわけだ。

「ノラってとこには、突っ込まないの?」
「はあ。そこはそれ、ボクは実際、ノラですから。三味線業者に捕まって、あわや、ということろを助けられはしたものの、血統書つきでもないし、狩りもうまくない、こんな駄猫、どうしようってところを、先輩に拾われ、狩りの仕方を教わり、なんとか一人前になった、そんなところです」
「あはは。三味線業者は良かったな」
「あの施設は……そんな可愛いものじゃなかったですけどね」
「そうだね」
先輩は、鍋からネギと鴨を皿に取り、それからまたボクを見た。

「でも、駄猫ってことはないでしょ? テンゾウは」
「いや。駄猫ですよ。せっかく生き残ったのに、ただ生き残ったってだけですからね」
先輩は真剣なまなざしでじっとボクを見、それから、へにゃと笑った。
「そんなふうに言うもんじゃないよ、自分のことを」
まるで泣きたいのをこらえてでもいるような先輩の表情に、ボクはあわてた。
そうだ、先輩はこういうひとだ。痛みを抱えた相手に、とても優しい。
普段は、その優しさを隠しているけれど、ふとしたときに伝わってくる。
「すみません。ボクの言葉が足りなかったです。今生きている、ってことには、感謝しています」
うっかり「こうやって忍として里の役にも立てますから」と言いそうになって口をつぐむ。

おそらくボクが任務で潜入していることは先輩にはバレバレだろう。
もし、ボクが正真正銘の抜け忍だと確信していれば、先輩の対応も、もう少し違うだろうから。
いや、殺気さえ感じさせず敵をしとめることのできるひとだから、今も腹の底は見えないが。
とりあえず、当面は共闘路線でいかざるを得ないのだ。だから、先輩は一応、ボクのことは「任務で潜入している」という理解をしているはずだ(ただし、「 」付き。事態が変われば、即座に「敵」とみなされるだろう)。
だが、油断して己の任務を悟られるような真似をしたら、一刀両断だ。
危ない、危ない。

「そろそろ、雑炊にしますか?」
「いや、もういい。腹いっぱい」
先輩は行儀よく、皿と箸を置いた。
「それより、図々しいお願いで悪いんだけど、身体、拭きたいんだ」
あ、とボクは気づいた。
そうだ。ボクは休日だったが、先輩は任務中、それも戦闘の場からそのまま長の家に行ったのだ。
「すみません。風呂は、共同の浴場があって24時間入れるんですが」
内風呂があるのは村長の家のほかは、特別な職業の家――守り番の長や酒作りなど――だけなのだ。
さすがに村人でない先輩を共同浴場に案内するのも、どうしたものかとボクは思う。
「さっき沸かした湯が、あることはありますが」
土間を見ると、先輩の視線もそちらに移動した。
「じゃ、土間、借りるよ。あとタオルもね〜」
テントではないだけで野営だと思えば、こんなものか、とボクはタオルと金盥を取りだした。

「ここ、下は水流してだいじょ〜ぶ?」
「はい、土間ですから。排水はされるようになっています」
「ん、りょ〜かい」
ふんふん、と鼻歌を歌いながら、パッと景気よく任服を脱ぎ捨て先輩が土間に下りる。
いきなり無防備な……と全裸の後姿を見つめ、それからあわてて目を逸らした。

任務中に怪我の手当てをしたこともあれば、暗部棟で一緒に着替えたりもしている。
だから、見慣れているはずの背中だ。だが、自覚したばかりの恋心は、そんなことにも疼く。
いや、本音を言えば、オスの本能に火がつきそうなほどだ。
うわ、そういう意味だったのか――と改めて自覚する。
目を閉じても、今、目の当たりにした光景がくっきりと浮かんでくる。

敵に背を向けることのない先輩の背中に傷はそれほどなく、ただ白い肌が眩しいばかりだ。
脊髄の湾曲に沿ってしなやかなカーブを描く背も、臀部と大腿部が描く曲線も、無駄をそぎ落とし鍛え抜かれた筋肉だけが持ちうる輪郭と陰影を備えている。
忍の実用性だけを追及した結果生み出されたかのような身体は、いっそ崇高なまでに美しい。

尊敬や憧憬は今も変わらない。
でも、ボクは「そういう意味」で先輩を好きなのか。
淡白だの、見掛け倒しだの、果ては「不能」とまで言われ、罵られたボクだったが。
先輩が相手なら違っていたのだろうか?

異様な熱が、下腹の辺りに生まれ、ずくん、と脈打つ。

――まずい。鎮めなければ。
そう思ったとき。

「テンゾウ」
先輩に呼ばれ、思わず振り向いてしまった。

やはり無防備に全裸を晒す先輩の、服の上から見るよりもはるかにたくましい胸板、ひきしまった腹、そして……。

「ん、どうした?」
包み込むような笑顔で、先輩が首をかしげ、ボクを見た。