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 お婿にいった四+カカのお話
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  ぱすてぃす〜後朝 -18禁-

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  ストーカー被害に合うテンゾウと
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  イタチ里抜けのとき

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 四代目とカカシの絆を知って、
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 【2部】 ぶらっく・るしあん-4話
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 【Epilogue】 そして、恋

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  春霞-4話
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4話
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  波の国任務の少しあと
  てぃままん-3話
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  月読-5話 -キリリク話-
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  月読 後日談


  テキーラサンライズ−19話
 ぎむれっと前日譚


   ぎむれっと-40話 -キリリク話
  かっこいいカカシと、
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 ※途中、18禁あり
  プロローグ  本編  エピローグ



  La recommandation
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-ヤマカカな話-

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2007年11月02日(金)
ぎむれっと――または、ろんぐ・ぐっどばい 1) sideT


闇の中、音も気配もなく、いきなりクナイの切っ先が閃く。
ボクはそれを交わし、術を繰り出すべくチャクラを練る。
と、己の手が木の枝のように変質し伸びていった。

なんだ、これは !?

追って来るのはかつての上司。
ボクから伸びた木の枝状のものをやすやすと交わす。
今は暗部を離れ正規部隊の任についているが、ビンゴブックにもその名が記載されているはたけカカシ。
このひと相手では、分が悪い。

チチチ……。

ああ――とボクは観念する。
かつて暗部で同じ隊にいたとき、ともに闘ったとき、何度も聞いた鳥のさえずり。
あれほど頼もしく思えた音も、いまのボクには黄泉への道しるべだ。
あの餌食に、ボクがなるのか……。

目を閉じた瞬間――。



「おい、大丈夫か?」
天上からぶら下がった電灯の明かりが目に入り、ボクは目を細めた。
明けるのが遅い晩秋、やっと薄明るくなり始めた外で鳥たちが鳴いている。

ゆ……め?
夢……か。
「……大丈夫だ」
「うなされていたぞ」
ボクは無言で頷く。なぜ、かつての上司が夢に出てきたのだろうと思いながら。
「まあ、まだ半年だからな。仕方ない」
男は上体を起こしたボクの肩をポンと叩く。
「見張りの交替の時間だ」
「ありがとう」
ボクは暗部装束に着替えた。
そして、木の葉のマークを横一文字に断ち切る傷、抜け忍の証の刻まれたヘッドギアを装着する。

水を一杯飲むと、村を覆っている結界を守るため、家を出た。
これがこの村でのボクの仕事だ。

ここは、抜け忍の暮らす村、本来ならあってはならない場所だ。

「交替の時間だ」
振り返った男は元霧隠れの里の忍で、北の守り番の長。
強面で力もあるし、忍としてもすぐれているが、霧忍とも思えない気のいい単純な男だ。
請負仕事としての暗殺に嫌気が差して、抜けたと言っていた。
それのどこまでが真実かは知らない。知る必要もない。
「昼過ぎ、守り番が開けたら、モズが教えて欲しいことがあると言っていた」
「わかった」
じゃ、なと言って、ゲンブが去っていく。その背を見送って、ボクは結界札の貼られた大木の枝に跳んだ。

この村は三方を尾根に囲まれている。
結界札は、その尾根の三方と、南に広がる小さな湖のほとりの岩に貼れていた。
そうでなくても険しい山中の小さな村だ。
迷い込みでもしなければ、まず行き当たることはない。見張りの最中も、せいぜい小動物に遭遇するのが関の山。
村に住んでいるのは抜け忍と、その家族だ。
村で生まれた子どもたちは、忍の資質が見出されると、年嵩の者が指導役につく。
先ほどのモズは、ゲンブが見ている少年だった。

山の木々が色づきそれは見事な綾錦を描く季節だが、明け初めの山はまだ暗い。
色を愛でることも叶わない。
滝の音に耳を傾けながら、ボクは澄んだ空を見上げる。
この村の北側にある滝を利用して、村は小さな水力発電の施設をもっている。
今は豊富に水があるが、滝の水量が落ちると電力使用は制限されるらしい。
北の守り番の仕事には、この水音の確認も含まれていた。

――それにしても。
ボクは夢を思い出す。
暗部で組んでいたころならともかく、なぜ、かつての上司が登場したのだろう?
確かに、ボクを倒せる力をもった数少ない忍のひとりだとは思う。
彼が暗部を離れてからも、たまに同じ任務についたりはしていたが、向こうが上忍師となってからはそれもなくなった。
昨年の大蛇丸の一件では協力を求められたが、その後、ボクは国境警備で里を離れた。
イタチの瞳術に倒れたことや、部下のサスケが里を出て大蛇丸の元に付いたことなどは、情報として知っている。
時を同じくして、残る二人の部下もそれぞれ三忍のひとりを師と定め、「オレは、お役ごめんなの〜」と笑っていた。
あれは……たまたま行き会ったときに交わした会話だったか?
それが最後だったような気がするが……。

明け初めた空が、薄藍から浅黄に色を変えていく。
このまま、ここでゆっくり朽ちていくのも悪くない。
ふっと、そんなことを思う。
――いいじゃないか、それも。
自分のなかで、自分が囁く。
――里に未練なんか、ないんだろう?
未練……はない。ないはずだ。
部下は可愛いし、目をかけている者が育っていくのを見ているのは楽しい。
だが、それはここでも得られる喜びだ。
亡くなった三代目や綱手さまには命を救ってもらった恩もあるし、何より、人柄に惹かれている。
恩は充分返したと思う。だが、裏切るのは……やはり、つらい。
ボクは大木の枝に腰を下ろした。

このまま、ここで、抜け忍として朽ちていく……。
それは、このうえなく甘美な誘いに思えた。
このボクにしてからが、ここにいると、こうだ。
今回の任務で、人選に時間を費やし、慎重に慎重を重ねたのも、わかる。
そして、だからこそ、ここはこうやって存在するとも言えた。

話に聞くところによると、木の葉の里草創期よりもはるか以前から、抜け忍の村としてあったらしい。
つまり、忍がただ使役されるだけの存在だったころから、駆け込み寺のようにここにあった、ということだ。

ここに拾われて半年、知りえたことは多くはなかったが、村の仕組みはおよそわかった。

村の長は指名制で、指名権は長だけがもっている。
今の村長はけっこうな年寄りで、ボクは三代目を思いだした。
性格も似ているのかもしれない。よく村に出ては、村人に声をかけ、子どもたち相手に戯れたりしている。
しかし、間違いなく忍としての優れた資質を持っていることが、ボクにはわかった。
そして事実、村の長の権限は大きい。
まず、長は己が長についたとき、まず後任を指名するのが仕事だそうだ。
それは長のほかだれも知らず、長に何かあったときだけ封印の解ける社に奉じられ、封が解けると一羽の鷺が次の長の下に下り立つと言う。
もちろん、後任をだれにするかの指名は、変えることもできるらしい。
後任に指名していた者が亡くなったり、より相応しい者が現れたりするからだ。
だからこそ、だれが次の長に指名されているのかを長以外が知ってはならないのだ。

村での仕事は農作業に家畜の世話、道や家の補修工事、発電所の維持などいろいろあるが、最も重要なのが、村の四方の結界を守ることで、それぞれの守り番は村でも特別な存在と認められている。
守り番の長にだれを置き、守り番にだれをつけるかを決めるのも村の長だ。
ボクはここへきた当初は、主に農作業と家の補修を請け負っていたが、三ヶ月目に長に呼び出され、簡単な質疑応答の後、北の守り番のひとりとなった。
今まで守り番を務めていた者が高齢で、引退願いを出していたらしい。
どの方角の守り番に配置されるかは、チャクラの質によるらしく、長はボクのチャクラが北の守り番に適していると判断したのだそうだ。

守り番になると一軒屋が与えられ、食料などは村から支給される。
身の回りの世話をする者も、望めば配備されると聞いたが、それは断った。
煮炊きを含め、身の回りの世話ぐらい自分で出来る。
そう言うと、長は微笑んだだけだったが、他の守り番や村の年寄りたちからは驚かれた。
たいていの守り番は花嫁探しを兼ねて身の回りの世話をする者を望むのだそうだ。
守り番と言い交わしたい娘も多く、新しい守り番がつくとみな、お世話役に声がかからぬかと心躍らせるとか。

なんだか、御伽噺の世界だな――。
それがボクの印象だった。



2007年11月01日(木)
ぎむれっと――または、ろんぐ・ぐっどばい 〜プロローグ

*原作一部と二部の間のお話です。


「謹んで、拝命いたします」

ボクの返答に、五代目火影はふぅ、と吐息をついた。
断られると思っていたのだろうか、とボクは伏せていた目を綱手さまに向ける。
「……命じておいて、なんだが……いいのか?」
「は?」
「いや、カカシだよ」
腕を組むと見事な胸がさらにもちあがった。
この胸の威力で請け負う金額を引き上げているという噂も、あながち嘘ではないかも、とボクは思った。
「……いいのか?」
綱手さまの問いかけの意味は、わかっている。
だが、どう答えたものか。
先輩とボクの仲は非公式なのだ。暗部の古参や、最近では正規部隊のカカシさんと親しい忍の限られた何人かには知られているが、それも個人的に知らされた情報として、だ。
「あたしは、カカシがこ〜んなガキのころから知っている。そして、おまえのことも、よ〜く知っている。だから、これは火影としての質問ではなく、まぁ、なんだ? 親戚のオバちゃんが聞いているとでも思ってくれ」
自らを「オバちゃん」呼ばわりするほど、気を使ってくれている、というわけか、とボクは思った。
「ボクは忍で、これは任務です」

カカシさん。
ごめんなさい。ボクは何も言わず、里を離れます。
あなたがその意味を知ることがあったとしたら、それはボクが死んだときです。
任務が無事成功したら、ボクは戻ってきます。でも、何も言えません。
そういう類の極秘任務ですし、おそらく、ボクは言うべき言葉をもっていないでしょう。

「それにいい機会です。カカシ先輩は、優秀な遺伝子を残すことを里から期待されているんです。なのにボクがいつも引っ付いていたら、それも叶わないでしょう?」
「あたしには、カカシがおまえに引っ付いているように見えるがな」
ボクは肩をすくめることで、綱手さまの発言を否定した。
「こういう日が来ることもあると、覚悟はしていましたから。ボクも、おそらく先輩も」
そう、もし先輩がボクの立場に立たされたら、きっと、同じ選択をするだろう。
「そこで絆が切れてしまうなら……ボクたちはそこまでだった、ということです」
「わかった」
そう言って、綱手さまは椅子から立ち上がった。
「もともとこの術の礎となったのは、おまえの術だったな」
皮肉なものだ、という小さな呟きに、ボクは思い出した。
あれは、先輩の子ども時代の写真を持った女性と、たまたま遭遇した折だった。
付き合い始めて、1年と半年ほど……だったろうか。
ずいぶん昔のような気がする。いや、実際、ずいぶん昔なのだ、とボクは思いなおす。
ああ、そうだ。あれがきっかけで、先輩にとってボクがある意味では初めての相手だったと知らされた。
嬉しいような、くすぐったいような、気がつきもしない己の未熟さが悲しいような、複雑な気持ちだった。

この記憶も、それからその前もその後も、先輩と過ごしたたくさんの記憶は……ボクのなかから消える。
いや、脳に刻まれた記憶がなくなることはない、その部位を損傷しない限り。
だから、これは強い暗示をかけて別の記憶を植えつける……そういう術だ。
ただし、ボクがたまたま開発したそれを進化させた術は、術の痕跡さえ残さない、というものだ。

数分後、はたけカカシとの個人的な付き合いの部分を消し去った新たな記憶が植えつけられる。
そのうえで、ボクは任地に送り込まれる手はずになっている。
特S級の潜入任務。

この手の任務で難しいのは、人選だ。
なかにはほんとうに“敵”に洗脳されてしまう者もいるからだ。
ありとあらゆるテストを潜り抜け合格となったのはボクのほか、わずか数人だったらしい。
そのなかで、ターゲットの懐に潜り込むのに最も適していると判断されたのがボクだ。
あとは、年齢がいきすぎていたり、逆に若すぎたり、家族があったり……。
ただネックとなったのが、先輩との個人的な付き合いの長さであり、ボクの術だった。
先輩とは、家族を持つのに等しいほどの親密さだった。
しかも、いまとなっては里唯一の写輪眼保持者。
万が一のことがあったとき、この記憶だけは封印しておかなくてはならない。
そして、ボクが初代さまから受け継いだ術も同様に。

上層部でもボクをこの任につかせることについては意見が分かれたらしい。
うずまきナルトに何かあり、その力を抑えなくてはならないとき、ボクがいないとなったら……。
逆に、だからこそ今、とも言えた。
今なら、ナルトは自来也さまと共に里を離れている。
そして、ボクなら“それらしい”理由をでっちあげるのに最適だった。
忌まわしい出自を、そのまま利用できる。

「いいんだな、ほんとうに」
五代目火影が問う。
「はい」
とボクは頷く。

言葉に出して言われたことはないが、綱手さまはきっと先輩にもボクにも幸せになってほしいと思っていてくれたはずだ。そうでなければ、ご意見番がやいのやいのと言ってくる、先輩の縁談を聞かないふりなどしなかっただろう。
しかし、火影としては、そんな感情を表に出すことはできない。
ボクは深く礼をした。
どうか。
先輩とボクのことを、覚えていてください。
どうか、ボクのかわりに。
「では、始める」

術が完成すれば、ボクは先輩と過ごした“恋人同士の時”を忘れる。
ボクのプロフィールは、大蛇丸の実験体唯一の生き残り、ただし遺伝子は適合せず、従って木遁など使えない。
出自が出自なので、比較的早くに正規部隊から暗部所属となり、いまや暗部でもベテラン。
――そんなところだ。
ここからもわかるように、この術の特徴は本人の記憶を基にしているところだ。
まったく別の人格、別の生い立ちを構築するのではなく、本人のメモリから“不都合”な要素を取り除き、上書きする、とでも言えばいいか。
何か強い衝撃を受けたとき、その前後の記憶を封じ込んでしまうことは一般人でもよくあることだ。
この術は、その作用を意図的に起こす類のものだ。
もともとは……ボク自身が失った記憶を取り戻す術はないものかと試行錯誤している最中に、偶然開発した。
失った記憶を取り戻す術は結局見つからず、記憶を操作する術だけが残った皮肉に、ボクは苦笑する。

そんな――ボクであってボクでないボクが、“木の葉の里の抜け忍”という役目をおおせつかって、里を離れる。
向かう先は、敵の懐。

万が一を考慮して、もちろん初代さまの術そのものも封じられる。
記憶がないとはいえ、この身には馴染んだ術だ。いつなんどき、自発的に動き出すかわからない。
だから封印されるが、里に戻ったとき封を解かれることが約束されていた。
記憶がどうあれ、木遁と九尾を繰る力は取り戻すことが出来る。
しかし……。


カカシさん。

ごめんなさい。

ボクはあなたを守りたかった。
ボクだけは、ずっとあなたの側にいて「ほら、ここにいますよ」と言いたかった。
死ぬことは怖くなかったけれど、先輩を残して逝くのはいやだった。
だから、強くなりたかった。
何度も、もう会えないかも、と思った。
怪我の報に肝が冷えたことも、消息が知れず胸をいためたこともあった。
でも、そんなのはお互いさま。
ボクたちは忍だから。

でも、今度ばかりは……。

ボクの失踪は極秘事項ながら“里抜け”として扱われる。
もちろん、追い忍部隊も派遣されるだろう。
でも、ボクが里を抜けた、という噂は、暗部のなかにも流れはしない。
綱手さまが、それを許さないから。

だから、カカシさん。
あなたはある日、里に戻ったはずのボクからなんの連絡もなく、そのまま再び長期任務についたとしか、知らされないはずだ。
そのとき、あなたは何を思うか……。
ボクが里を抜けたという噂が耳に入ったほうが、まだ救いがある。
きっと気づくから。ボクが極秘の命を受けたことを。

カカシさん……先輩。

この術は、容易には解けないのです。
新しく植えられる記憶も、またボク自身の記憶だからです。
別の記憶を植えられるなら、本来の記憶を取り戻すこともたやすいかもしれません。
でも、そうではない。だからこそ、術として意味がある。

それでも、ボクは思い出します。
絶対に思い出します。
無事、任務を終えて里に戻ったら、絶対に。
その決意だけが、いまのボクを支えています。

だから……。





――暗転。