カゼノトオリミチ
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2007年08月31日(金) 往く夏の日に





ベランダで頬を撫でる風

いつかの潮の香りがよみがえる

砂浜なぞって吹いてきたのか



物干しざおには 名残惜しげに麦わら帽子



セミは わが身をいとおしいと思い鳴くのかな

ざわわと震えるケヤキの樹に守られて



あの高台の窓からいつも

午後に流れるピアノの音が

透明になりつつある風にからまり

秋を迎えに行く



日に焼けた少女の見たヒマワリ畑と

茶色く乾いた髪を揺らして



秋を迎えに行く






2007年08月29日(水) ポークハンバーガーに寄せて





今日はじめて

100円のポークハンバーガーを食べた

…美味しい!

ファンになりました

飲み物の氷が冷たすぎて 胃にひびきます…



シェイクはとても 飲みきれません

チョコシェイク 

長いこと 飲んでいません でも

初めてシェイクを飲んだときの

身体が震えるような甘さ 覚えています



ファストフード 好きな自分はキライじゃないです








2007年08月08日(水)




誰かがいるから

生きている



自分を映してくれるのは

鏡ではなく

息をしている 誰か



誰かがいるから

生きている

ヒトの向こうに 自分が生きてる

心の中にヒトがいて

はじめて

自分が息をしてることが わかる



心に誰もいなければ

きっと 生きていても

生きていない







2007年08月07日(火) 月夜




一筋の月明かり頼りに

今宵 水面に浮かぶ舟

葦の葉の切れ間 縫うように

人影が揺れる



大きな背中の船頭さんは 時々 さおを休めて 

疲れたように 遠くを眺めやるようす

舟に寄り添う人影たちは

その背中にすべてを託す



寝ぼけた鷺が くうと鳴く

柔らかい草の寝床はあるのだろうか

青い夜明けの空を飛ぶ 夢を見ているのだろうか



水面を風が渡るとき

無数の波頭に 月明かり広がり

さや さや 葦の葉がつぶやく



川は月明かりの向こうへと 舟を運ぶ 

止まることなく

戻ることなく

微笑みも涙も 舟の軌跡となり

流れゆく






natu