カゼノトオリミチ
もくじ|過去|未来

5月というのに 真っ青なまぶしい空
街にのしかかるように白い入道雲 もくもく育ち
正午まえの太陽
アスファルト照りつける
ゼブラ模様の横断歩道を うつむいて歩くヒト
ほら はやく はやくいそいで
でないと信号が チカチカ 点滅始める
何度 渡ってみても いつもきっと
横断歩道の三分の二のところで チカチカ始まる
うつむいて 道路に敷かれた白いおびを
数える あと 三本
あと 二本
向こう岸まで渡るには
ながい ながい 道のり
太陽は高くなり 黒い影はますます小さくなる
今日も渡り終えた 命の川は
気の狂ったバイクと車にのみ込まれた
2007年05月25日(金) |
すぴーちばるーん 2 |

この雨の糸を さかのぼって
取り戻しに行く すぴーちばるーん
昨日の闇に手放した
もう どこまで流れて行ったろう
びしょびしょになりながら
追いかける
「なかったことにして」 と 雨につぶやきながら
あなたに届く前に
この草みどりの丘を かけのぼる
みずいろの風といっしょに
はやく はやく
届けたいから
雲と流れてゆくよ すぴーちばるーん

ピアノの音がころころころがって
冷たい夕方の風が吹いてきて
ぼんやり お勝手で
琵琶の実の 琵琶色になってゆくのをながめてる
このまま ころがるピアノの音符にはじかれて
夕暮れはじまる 空へと はずんでいったら
青い琵琶の実って
投げたら弾んだっけ
あれは 青い梅の実だっけかな
薄汚れた白いカーテンを 風と 薬指と小指の音が
揺らすよ
まぁ まぁ このまま ここで と
なぐさめてくれるの
了解 りょうかい 酔っていません缶チューハイぐらいで

海の色って何色だったろう
幼い頃の絵本では真っ青だった
南の島の海はコバルトブルー
水を飲んでぐるぐると波にまかれた日は
薄緑の海中で目を開けたら
うっすら太陽が光るのが見えた
そんなこと繰り返し思った
どこまで流れてゆくのだろう
流れ着いたその場所が 終点なのだろうか
そこがすべての終わりの場所なら
そこは安らぎの場所なんだね
だれか お帰りと 言ってくれるかな
暖かいスープが飲めるかな
きっと
ペイルブルーの水のほとりならばいいな

ハッピーエンドの映画を見て 悲しくなったり
悲しい映画なのかと思ったら
映画館を出て 微笑んでいたり
またそれを巷に合わせて 涙ぐんで見せたり
そのたびに
心の奥に畳まれてゆく ホントのこと
古い書斎のカビたニオイ
長いこと手に取られるのを待っていたと
色あせたビロードの本は 自らを身震いさせて
薄茶色のページをめくるけれど
文字は もう読むことも出来なくて
ええ、素晴らしい本ですね、とつぶやき棚に戻すとき
また
心のひだに堆積してゆく ホントの言葉
シアワセノキジュン って
誰が作るんだろう
みんな自分に一生懸命になるしかない
萌え出る緑の季節に
そんなこと 思う

夕闇の葉桜の下に咲いた
白いてっせん ふたつ みっつ
薄墨色の集まった暗がりを
そこだけ照らす
足早に 家路を急ぐサラリーマン
あまりの白さは なまめかしくもあり
それが余計に 寂しげでもあり
誰もが自分に必死だから
いつまでも
見とれて立ち止まっている訳もなく
ちいさなつむじ風が起こり
白が揺れる
5月半ばの薄ら寒さ 二の腕を撫でてゆく
薄ぺらでしとりとした花びらを広げ 後ろ姿見送り ひらひら
揺れているいつまでも
natu

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