こぞのさくら...

 

 

スローラブ - 2005年06月30日(木)

携帯電話もインターネットも、まだ一部の人の物でしかなかったあの頃。

着信履歴もアクセス解析も、当然なくて当たり前だったあの頃。

プライバシー、知りたいけれど、知られたくない。
エゴとエゴのせめぎあい。

恋文を送って、一週間でも二週間でも返事を待てた女が、
メールを送って、数時間返信がないと言って傷心する。

恋愛のキッカケが広がったのは確かだけれど、
大事なこと見失う気がする。

ツールのスピードは早くなっても、
感情の基本スペックはそうは変わらない。

のんびり行こうよ。
ゆっくり味わおう。
せっかく好きになったんだから。





移動中 - 2005年06月29日(水)

むわんとする空気が息苦しい。
ゼリーの中を歩いてるみたい。
額に汗を滲ませて、ホームにすべりこんだ電車に乗り込む。
全身を一瞬で包み込む冷気。
ふあ〜生き返る!!
昼間の車内はガラガラで、七人掛けのシートを独り占め。
腰掛けてサンダルを履いた足を前に伸ばすと、
とたんに眠気に襲われる。
ああ、気持ちいい。
そっか、すっごく気持ちいいと睡魔ってやってくるんだ。
だから、彼とのセックスのとき、いつも必ず眠ってしまうんだなぁ。
髪を撫でられながら。
吸い込まれるように。
すやすやと。
空いてる電車の中で、
誰にも邪魔されず、
添い寝してくれる彼の顔をまぶたの裏に思い浮かべながら、
ほんのちょっと短い昼寝。




扉 - 2005年06月28日(火)

ココロを開いてカラダも開く → これ普通。ハッピー。

カラダを開いてココロも開く → 屈折してる。でも、アリ。

ココロを開いてカラダを閉じる → まぁ、そんなこともあるよね。

ココロを閉じてカラダも閉じる → これも普通。残念だけど。




ココロを閉じてカラダを開く → せつない。とてつもなく。




元ダイエッターは思う。 - 2005年06月27日(月)

恋とダイエットってすごくよく似てる。

数年前、今より7キロくらい体重が重かった頃、本気でダイエットしてみたことがある。
食事制限中に一番心がけたことは「ほんとにおなかがすいてるの?」と食べる前に自分の心に問いかけてみること。
朝だから、昼だから、夜だから時間だから食べるんじゃなくて、本当に今この瞬間、おなかがすいてすいてたまらなくて、これが必要で食べるのかってこと。
それで本当に必要で食べるとして、腹8分目は絶対に守る。
あとちょっと欲しいと思うところでやめる。ダイエットの鉄則。

おなかいっぱいがっついちゃダメなんだ。
過剰に摂取されたカロリーはどんどん蓄積されて、本来の自分の体型をどんどん見えなくしてしまう。
あと少し食べたいんだけどなぁってところで満足するクセをつけることが大事。

恋愛も同じ。
毎日逢いたい今すぐ逢いたいって、本当にそうなの?
恋愛気分に浸ってたいだけじゃなくて?
空腹は最高のスパイスってこと。
どんなに美味しい料理も食べ過ぎたら感動も薄れちゃうよ。




してもしてもまだしたい
逢っても逢ってもまたすぐ逢いたい
そんな気持ちを抑えるための私の理論。




ことのはじまり - 2005年06月26日(日)

部屋に入ると、後ろから抱きしめられた。
20センチほどの身長差のある彼に抱かれると、
彼のあごの下にすっぽり収まる。
うしろから抱かれるのって大好き。
どうしてかな。
自分の意志ではうしろから抱かれることってできないからかも。
彼が彼の意志で私を求めてくれている喜び。

でも私の髪に鼻をうずめる彼の気配と
肩ごしにまかれた腕の力強さに、
我慢ができなくてすぐにうしろを振り返り、唇を求める。
彼が首を少しだけ前にだして、私は少しだけ背伸びして。
ふたりの周囲の空気の密度が一気に濃くなる瞬間。

唇の間から優しく差しだされた舌を上唇と下唇でそっと挟んで吸い込む。
私の口の中でしばらく遊んでいた彼の舌が、ルージュの剥げかかった私の唇のすき間からでて、首筋へ降りていく。
肩を抱いていた手のひらが私の胸元へ移動する。
ホルターネックのタンクトップを着ているから、 下着は肩ひもをはずしてある。
ずり落ちてしまわないように、パットがしっかりしているタイプの下着。

「ウソの胸だけど」
「じゃあ、ホントのやつちょうだいよ」

彼がそういいながら、タンクトップの首にかかった紐をそっとほどいて、下着の上部に手をかけて、半分だけ下にずらす。
小さな胸の中心に、不釣り合いに自己主張する大きく固くなった艶のある乳首がぽろりと飛びだす。
今の私の心の中を全部表現している突起。

ココニキテ。

彼が首を更に深く折り曲げて、その先に舌を巻きつかせ、口にふくむ。

んふぅ。。

腰の力が抜けて崩れ落ちそうになる私の体を、彼の腕が支える。
私も彼の首に腕を巻きつかせて、体勢を保とうとするけれど、
腕を上にあげたら、更に胸の露出が激しくなって、彼は口に乳首をふくんだまま、その胸のささやかな隆起を手のひらで優しく揉みしだく。

もれる吐息とともに私の腰骨は存在しなくなる。
軟体動物になってベッドに体を沈める直前の恍惚の時間が今まさに。




前前戯 - 2005年06月25日(土)

「いきなり、抱くからね」
前もってメールでそう宣言されていた。
そのメールを読んだだけで、仕事場だったのに、心拍数が倍になって、頬が紅潮した。

それなら前もって少しひとりで一杯ひっかけてから行かないとなぁと思う。ノンアルコールでコトに及ぶのは実は苦手。恥ずかしいっていうかなんていうか。素面では笑っちゃうほどへたれ。

そう思っていたのだけど、待ち合わせの時間直前までバタバタしていて、そんな時間なくなってしまった。
よし、覚悟を決めよう。
今日は素面で、すっきりクリアーな頭で、彼の一挙一動全部きちんと脳裏に収めておこう。

とりあえず早く顔が見たくて逢いたくて、普段信号が赤になりそうでも電車が発車しそうでも絶対走らない運動嫌いの私が、待ち合わせ場所の本屋までの坂道を小走りに慣れないヒールの靴で駆け上がる。

姿を見つけて嬉しくて顔は自然ににやけてしまうのだけど、このあと「いきなり」なのかと思うと、急に緊張してくる。
そんな私の様子を見てか、「軽く飲んでから行こうか」と言われ、内心ほっとする。良かった。一気に飲んで勢いつけよう。やっぱりそうしよう。
と近くの店に入り、生ビールを注文したはいいけれど…
乾杯のあと、グラスの1/3ほど一気に空けたあと、全然飲めなくなってしまった。私としたことが。 料理もほとんどのどを通らない。

カウンターで肩が触れるほど近くに座ってる彼の綺麗な横顔を盗み見しながら、あのメールのことが頭から離れない。
いや、何も盗み見する必要もないのだけれど、正面を向かれると目を背けてしまう。
この目でこれから…。この口でこれから…。
うつむく私の手を握る彼の手を見て、
この手でこれから…。
そんなにあんたってウブだったっけ。ともうひとりの私が苦笑い。
初めて彼と逢ったときと同じくらい、ううん、たぶんもうカラダを重ねたことがあるから余計に、リアルに想像してしまって緊張してしまうのかもしれない。

もうすっかり泡の消えてしまったビールを一時間かけてやっとの思いで飲み干して、想像をリアルに変換するために、ネオンの街へいざ。




ディープ・スロート - 2005年06月24日(金)

もちろんウォーターゲートじゃなくて、トレイシーローズの方。


私にまたがって、スーツのズボンをおろす彼を待てなかった。
上半身を起こして、彼がチャックを下げると同時に、すでに先端が下着からはみだすほど大きくなった彼のペニスを取りだし、自分のカラダを引き抜きよつんばいになって、のどの奥まで一気にふくんだ。

私ののどの奥の半球のサイズよりひとまわり大きい彼の先の半球を、口腔全体でしごく。

苦しくて愛おしい。

彼が左手で私の髪を乱暴にくしゃっと掴んだのは、きっと快楽のせいだ。そう思ったら、彼の半球からどんどんあふれでてくる液体と同じ、無色透明な液体が私の下半身にも溢れる。

空いた右手で背中ごしに私の液体の流れる部分へ手を伸ばした彼が、言葉で私を犯す。
次々と投げ掛けられる、久しぶりに聞く彼の声から発せられる卑猥な言葉の数々に、のどが奥までふさがって返事ができない私は、必死で首を縦に横にふって、YES,NOを表現する。
その度に、私の中でひとまわり大きくなるのがわかるから、私は奴隷のフリをしながら、更に大きく首をふってご主人様に意思表示をする。


快楽の海への舟はまだ漕ぎだしたばかり。







雨だね - 2005年06月23日(木)

と言ったら、

「良かった。傘の中が個室になる。」

なんてキザなセリフ。






目覚めのベッドで

雨音聞きながら思い出す。





濃い影 - 2005年06月22日(水)

汗ばむ陽気。

普段よりひとつ多く開けたシャツの前ボタン。

ゆるやかな隆起で布地が少し浮く。

その隙間から差し込まれる手のことを思って、

暑さが熱さに変わり、浮いた布地をてのひらで押さえる。




遠い昔あったあったこんなこと。 - 2005年06月21日(火)

遠足の前の日とか

席替えのときとか

綺麗な色の包装紙をもらったときとか

水を入れ替えたばかりのプールの授業とか

「あーそーぼ」って誰かの声が家の外に聞こえたときとか

ゲタ箱にこっそりラブレター入れたときとか

廊下で気になるあの子に「おはよ」って言われたときとか



あのころ感じた感情に近いものを何十年もたった今、毎日感じる。

わくわくどきどきそわそわふわふわ。

純粋に楽しめる喜び。

好奇心も小さな不安も全部味方にしてしまおう。






うえのあな - 2005年06月20日(月)

  聴くんじゃなくて感じたい。



  丁寧になぞって、

  荒々しく噛みついて、

  濡れた息を吹きかけて、

  執拗に舌を出し入れする。



  ささやく言葉はいらない。






待ち遠しい。 - 2005年06月19日(日)



もうすぐ距離がゼロになる。








本能か計算か - 2005年06月18日(土)

数日前の日記に書いたレディキラーのGくん。
昨日の仕事関係のパーティでも本領発揮。

マメに片っ端から女性に近寄って、肩や背中や腕にさりげなく触れながら、持ち前のユーモアあふれるトークで笑わせて、去り際はもれなくハグ、ハグ、ハグ。
日本人らしくない、というか日本人にあるまじき、と言って過言でないこの一連の行動も、ゆら〜っと大きな図体とおおらかな笑顔で説得力を持たせてしまう手腕はさすが。
次に男子に生まれたら、こんな男になれたら人生楽しいかもなぁなどと思いつつ。(でも次も女がいいけど。もちろん。)
ハグされてる女の人もみな、「私だけが特別」じゃないのに、とっても嬉しそう。
いやぁ、そんな親しくないのにあんなに密着して幸せな気分にさせるって、やっぱりタダ者じゃないなぁ。

帰り際、周囲の人に挨拶をしていたら、いつの間にか横に立ってたGくんがふわっと大きく腕を広げて、
「咲さん、もう帰っちゃうの?寂しいなぁ」などとリップサービス。彼の脇の下にスッポリおさまりながら、「アッパレ」というメッセージを乗せて、背中をパフパフっと軽く二回叩いておいた。

気の毒だけどたぶんとっても幸せな今宵の子羊ちゃんによろしくね。




通勤電車 - 2005年06月17日(金)

表情を消した大人たちがひしめく。

連れがいる人もなく、走行音とテープの車内アナウンスと小さく遠慮がちな車掌の声をぼんやり聞きながら、吊革を握る自分の手を眺める。



指をからませたまま、親指の腹でゆっくり愛撫されるのが好き。

手のひらにくちづけされて、指の又に舌を這わされるのが好き。

その彼の手をひっぱってきて、一番長い中指にしゃぶりつくのが好き。

そのときの彼の表情が好き。



ふと前を見ると、トンネルを通過中。

能面と能面の間に、薄くぽっかり口を開けて、瞳潤ませた女の顔。






犯して - 2005年06月16日(木)

宝物に触れるようにそっとそっと優しく抱きしめられるのも素敵。
大事に大事に大切にされるのも大好き。


だけど今日はいいの。
乱暴に扱って。
ブラジャーのホックはそのまま肩ひもずらして、
はみでた乳首に噛みついて。
髪の毛つかんで、口でくわえさせて。
頭を強く押さえて。息もできないくらい。
ストッキングなんて脱がさないで破ったってかまわない。
好きなところから引きちぎって、生肌に爪たてて。
きっともうぐっしょりだから、いきなり奥までずっと奥まで。
ベッドから落ちてしまうくらい激しく突いて。突いて。突いて。
私の内壁とあなたの外壁が互いに互いを求めあうように。

氷のような冷たい視線で犯して。
背筋が震えるような言葉で犯して。

あなたのカラダの一部になってしまいたい。




何故かモテる男たち - 2005年06月14日(火)

レディキラーの友人が2人いる。
先に言ってしまえば、この2人とはそれぞれ仕事仲間であって、純粋な飲み友達。ふたりで飲みに行っても手を握ったこともない。
理由は以下の通り。

Kくんは、住所不定。
いつも大きな鞄を肩から下げて仕事に来て、夕方ぐらいになると携帯で各所に電話。今夜の宿を探す。
もちろん宿とは女のこと。
「あ、俺。今日いい?」
断られると携帯切ったあと「使えねーな」などと悪態をついているのもいつもの光景。
これだけ聞くと、ほんとダメ人間だと思うし、私もそれを聞く度、
「でたよ。ほんとあんたってダメ人間。」
と突っ込みを入れている。これもお決まり。
でも許されてしまうのだな。彼のキャラならまぁいいかと思えるのだ。
「泊めてもらうのはぶさいくな女の方がいいんだ。尽くしてくれるから。見栄えのいいやつは自尊心高くて面倒。デート用で充分。」
なんて普通ならぶっ飛ばされかねない発言も、しょーがないなーと笑って済まされる。

Gくんもまた似たりよったり。
ひとりの女に束縛されるの大嫌い。
夜な夜な何人いるか知らない女友達を呼びつけてえっちして、夜中、もしくは朝には帰らせる。
2日間おんなじ女の人とずっと一緒にいることはないらしい。
でもそのカノジョ達が「私も浮気しよっかな」などと言おうものなら「すれば?でもそしたらもうお前とは寝ない」と悪魔のように言い放つ。
自分のことを棚にあげるとはまさに彼のためにある言葉のよう。
その理由も「だって、どこの誰と寝てくるかわからないなんてやじゃん。病気とかうつされたらやだし。」
なんてこれまた普通なら、きーーーーーーっってなっちゃう発言なのだけど、でも不思議と「あはは、ほんとあんたって自分のことばっかだねー」と笑顔で応対できる。


冷静に考えたら、とんでもない男たちなのだけど、それでもいつ会っても状況が変わらないということは、彼らには何か特有の魅力があるということ。
メスの何かをひきつける共通のそれはなんだろう。
ふたりとも見上げるほどの長身でガタイがいいから?
黙っていると不機嫌な強面だけど、にこっと笑うと、危うく私もどきっとしてしまったりするほど優しい顔になるところ?
そんなことだけとは思えないけど、彼らのカラダ全体から発せられてるオーラは確かに似ていて、ああ、これがフェロモンというものなのかもしれないなぁと思う。

いつかこいつらをメロメロにさせてポイ捨てしてやりたい!と私としては闘争心をかき立てられるわけだけど、そんなキケンな賭けにはでないくらいの分別はあるのです。残念ながら。

でもいつか彼らがひとりの女にどっぷりはまって、「まいったよ…」と弱ってる姿を見たいなぁと思ったり、
でもずっとこのままでいて欲しいなぁと思ったり。

どっちにしても彼らみたいなゴウマンな生き方、キライじゃない。




私が6であなたが9 - 2005年06月13日(月)

軸と段差の境目にくるりと舌をからませる。

先の割れ目を舌先で開くようになぞる。

割れ目からじんわりでてきた透明で少ししょっぱい液体を舌ですくい取りながら、おもむろに奥まで吸い込む。

吸い込んだまま、舌で裏側の筋をなぞる。

・・・気持ち良さそう。
じゃあ、もっとそこだけ。

片手で袋の部分を弄びながら、もう一方の手を軸に添えて、
裏からハーモニカを吹くように唇と歯先を軽く滑らせる。

端まで行ったら、唾液をたっぷり溜めた口内の奥まで
一気に押し込む。

苦しげな声をあげて、私の胸を触ろうとするけれど、まだだぁめ。
触らせてあげない。続きできなくなっちゃうもの。

私の口には収まりきらないほど大きく怒張した愛おしい彼の分身。

じゅぷ。じゅぷ。

だんだん汗ばんできた太ももの付け根をまさぐりながら、
口の動きは止めない。

じゅぷぅ。じゅぷぅ。

スピードを早めるにつれて、自分ののどの奥からも苦しげな声が
漏れてくる。

逝っていいよ。
声にはだせないけれど、頬をすぼめて強く吸ってみて合図する。

次の瞬間、彼がカラダをねじって、私の下に潜り込み、
臀部に手をまわし、股間に顔をうずめる。

んあっ。

じゅぽっと口から外れてしまう。

もう一度含もうとするけれど、私の突端に激しく吸い付く彼の唇が
それを許さない。

快感に奥歯を噛みしめる。
そか。外れて良かった。
あのままじゃ思いっきり噛みついてしまうところだったかも。

私の唾液と彼の先端から流れ続ける透明な液体でぬらぬら光っている彼のペニスを頬に当てながら、根元のヘアー部分に私の小さな悲鳴と吐息がかかる。

攻撃して攻撃される。
口と局部、局部と口の屈折した快楽の貪り合い。

でも最後はやっぱり口と口、局部と局部が好き。

彼の口の中や唇のまわりから私の匂いと味がするのが好き。

彼も自分のペニスの匂いと味、私の唇から感じてるのかな。




挿入 - 2005年06月10日(金)

眠い。
眠い。
眠いけれどしたい。

まだ濡れてないけれど、早く取り込みたかった。
ぽっかり開いてる穴から何者かが流れでてしまわないうちに。
彼が先端をあてがい、下の乾いた唇に押し当てる。
手を使わず、お互いの腰の動きだけで、結合部を探し求める。
乾いているけれどどことなく湿り気のある柔らかい襞の集まり、
くねくねと彼の先端に捏ねられながら、
ゆっくりと奥の方から手招きしている。

入り口がまわりの襞を巻き込みながら、彼を招き入れる。
きしむようで苦しい。
でも大丈夫。
もっといいよ。
奥まで入れて。
先端の段差の部分だけが、ゆっくりと私の入り口付近を出たり入ったりしている。
まだ濡れたくないの。
そのまま一気にきて。
ぎゅうと腰を密着させて、彼の段差のその先も引きずり込む。

あたる。そこに。
私の奥の泉のスイッチがあなたの先端でオンになる瞬間。
そうそう、これが知りたかったの。
心が感じる前に体だけで感じてみたかった。

泉が湧き出てしまえば、後はカラダが覚えている。
ダンスを踊るのと一緒だよ。
一番気持ちいい状態をキープできるように、
彼の動きに合わせて、腰をくねらせれば、
ほら、いつもと一緒。
私が感じるときは彼が感じるとき。
私がきゅうと縮むのが先か、彼がずんとひとまわり大きくなるのが先かはにわとりと卵。

いくよ。
いくよ。




好きなもの - 2005年06月06日(月)

ふんわりクリーミーな石鹸の泡

降り始めた雨の匂い

夜から朝に変わるときの湿った空気

ビタミンカラーの花束

アコースティックな楽器の音

トム・ウェイツの声

ベロアの肌触り

噛み砕いた氷ののどごし

みぞおちにきゅうと落ちるアルコールの原液

茜雲

知らない店のシャッターの手書きの貼り紙

真夏の図書館

手ぶら

パルックボール電球色

買ったばかりの本の1ページ目

ベランダに干してある布団

白いTシャツにダイヤのピアス

木枠のガラス窓

平日観客10人以下の映画館

こんがりキツネ色のたべもの全般

たたみで昼寝

芝生で裸足

海の生ビール




色気なしでも世の中ってこんなに素敵。

とそう考えると「あなた」は私にとって、
きっと何かのご褒美なのだと思うのです。







なりたい私 - 2005年06月02日(木)

昼間はモノトーンのダサ目のスーツで髪をひっつめて、実用重視のメガネかけて、化粧も薄紅をひくぐらいで、淡々と仕事をこなす女が、夜になるとラメ入りの露出度の高いワンピースを纏い、ばっちり決まったフルメークの顔のまわりに巻き髪揺らして、ピンヒールの音を響かせ、夜の蝶のように、きらきら光る鱗粉を振り撒きながら、艶やかな微笑みを浮かべて、男たちの間を軽やかに舞い、お気に入りの男を見つけたらふわりと舞い降りて、惜し気もなく官能的な四肢を披露し、淫らに萌える。

みたいのも憧れるし、

いつもどこでもふんわりとした笑顔と優しげな振舞いで、体のどの断片を切り抜いてもたゆたう春の風のような、だけど確固たる自分を持っていて、凛として、柔らかな安心感を人に与える女。

みたいのも憧れ。


なりたい自分がなれる自分かはわからないけど、納得できる自分でいよう。少なくとも。




ふたりごはん - 2005年06月01日(水)

一緒に食事をするということは、長い前戯みたいなものだと思う。

料理を口に運ぶ箸を持つその指で、

アルコールを摂取する濡れたその舌先で、

野菜を咀嚼するその歯の先で、

肉にかぶりつき、油にまみれて光るその唇で、

私の体を隅々まで味わってむさぼってしゃぶりつくして、満たして充たされる。


あーおなかいっぱい
ごちそうさまー


そう言って椅子の背もたれに寄りかかる彼に
笑顔で答えて、ココロで舌なめずり。








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