夜、駅に佇んで時間をやり過ごしているとわたしの住む人口十万人の小さな待ちの駅は刻々と夜が増していくのでした。それは増していくのでした。濃い青のインクがもったりと粘度を増していくようにどんどん重くなっていって少しずつ人影がまばらになってきっと あとほんの少ししたらすっかりどこもかしこもミッドナイトブルーの夜が浸透して色も形もなくなりそうなそんな夜の感じです。おしまいに遠くで汽笛が聞こえそうなそんな夜の感じでした。