My life as a cat
My life as a cat
DiaryINDEXpastwill


2023年03月27日(月) フランスのいつものおやつ

フランスに来てから覚えたいつものおやつ。余ったバゲットの切れ端にいつも冷蔵庫にあるゲランドの粗塩がごろりと入った冷たいバターとショコラ・ノワールを乗せるだけ。いつもこういうバターとショコラが冷蔵庫にあるってのは、フランスだからできる贅沢。その代わり、いつも美味しい豆腐が冷蔵庫にあるという贅沢は諦める。起きてる時は目を離せないチコ・マロ(スペイン語で"やんちゃボーイ"を愛をこめてこう呼んでる)のロクちゃんが昼寝すると、心底ほっとする。どっしり腰をおろして味わうカフェとおやつのなんと有り難いことか。2歳というのは半分悪魔で半分天使みたいなコロコロ違う顔があらわれる。天使の顔で、キッチンで洗ったお皿を拭いてくれてたと思えば、次の瞬間バルコニーから全部おもちゃを庭に投げてる。わたしはどんな顔でこの子に接していけばいいのかわからない。天使の顔に大好きよ、大好きよ、とキスをして、悪魔の顔になんでそんなことしたの!と怒る。子供の見せる顔につられて、同じ顔をする親でいいのだろうか。怒らないことが正しいとは思わないけど、かといって怒ることがいいことだとも思えない。ちゃんと叱りなさいというけど、難しい。

「わたし、この子を良い子に育てる自信がないわ」

と弱音を吐く。

「でもそんな自信のある親なんていないんじゃない」

夫婦で溜息をつく。

夏の水不足がもうすでに懸念されてるけど、毎日毎日天気が良くて、庭に撒いたハーブやひまわりが芽を出した。出産祝いにといただいた日本の梨の木も今年は見事に開花。来月は義妹がしばらく家にステイするというから、少し育児を休めそうだ。


2023年03月08日(水) 旬の美味しいもの

食べる輸血べトラフはフランスに来てから結構よく料理してるけど、まだこれはいい!という食べ方を数品しか発見できてなかった。今日は生パスタを打って、ゴルゴンゾーラとクリームとパルミジャーノとバターと、、、ってもうこってりのソースと焼き芋のようにじっくり焼いて刻んだべトラフを和えて食べてみた。甘じょっぱくて美味い。2歳で日頃からロックフォールなどの強いチーズを食べこなすフランセ〜なロクちゃんも大喜びでよく食べた。

「美味しいけど見た目がね。ミミズ食べてる気分だよ」

とリュカ。確かに。しかし食べる輸血もこんな血液汚れそうなこてこてソースと和えてしまってはその健康効果は半減というものだろう。






旬のレモンでタルト・オ・シトロン・メレンゲを焼いた。知人が言ってたのだけど、この地域(フランスの南端)がぎりぎりレモンを栽培できる気候で、これより北にはレモンの産地はないとか。個人的にはメレンゲのないタルト・オ・シトロンのほうが好きだな。










ロクちゃんと夜にベッドでアンパンマンを読むたびに、作ってあげると約束して、約束して、何週間も待たせてやっと作ったママの力作、顔面崩壊アンパンマン。こんなに頑張って作ったのに、本人に渡したら、チョコレートの部分だけむりしとって口に入れて、あとの本体をパパに渡してた。あんこ好きだったよね?1年前おはぎ作った時めちゃくちゃ喜んで食べてたじゃんと言いたいところだが、彼に言わせれば、

「あの時はティラミスとかアフォガトとか他の美味しいもの食べたことなかったから、おはぎが最高のおやつだと思ってたんだ」

ってところだろう。母子手帳に毎日のように記した「ロクちゃんの好きな食べ物」を読み返して同じのを作ってみても、彼が喜ぶとは限らない。新しい経験に満ちた2歳の心は、毎日毎日成長してて、毎日毎日違うものが好きで、違うものが嫌いなのだ。

(おまけの写真 適当に服着せたら信号マンになってた。黄色い壁がお似合い)


2023年03月04日(土) 夢を現実に

眠っている時に見る夢とは、日頃自分が考えているけど、意志として形成しきれていないものや潜在的に興味があるのにそうではないと思いこんでいることで形成されているのではないか、と思うことがある。

一年前、ボーダーシャツを買う夢を見た。わたしはボーダーという柄を人生で一度も好きだったことがない。人が着ているのを見て嫌だと思うということはないけど、自分には絶対似合わないと思ってきた。ところがその夢を見た朝、どうしてもボーダー柄の服が脳裏から離れず気になって気になって仕方なかった。ネットでサーチしてみる。フランスには"Petit Bateau"という庶民派のコットンの服のブランドがあり、ボーダー柄が多い。あぁ、これなら知ってる。ロクちゃんも持ってて、子供服なんてとても着心地が良さそうで好感持てる。結局素敵なボーダー柄のワンピースを3つ見つけて、選べなくなって3枚とも買ってしまった。それは思いがけずクローゼットに入ってきた新しい風のようだった。色によっては似合わなくもない。自分の決めつけは必ずしも正しくないと身を持って知る。

数日前には自分でカスタマイズして購入した素敵な青紫色と白のワンピースを着て、ボブカットの髪の先端をきれいにカールしてる自分の姿の夢を見た。これもすごく印象の強い夢で、放置していた長い髪を夢でみたようなボブカットにしたくて居ても立ってもいられないくなって、朝のシャワーを浴びる前に服を脱いで、髪を自分でザクザクと切った。夢の中の顔のほうが美しかったから、現実に鏡に映る自分は少し違ったが、髪型は遠くない。夢で見た色のワンピースは見つかっていない。

昨日はハネムーンにでる夢を見た。緑の青々した美しい風景でエストニアだか、リトアニアだかという名前だった。どちらも名前しか知らない国。ネットで調べてみる。夢の風景は圧倒的にエストニアのほうに近かった。興味が沸いて調べていくうちに面白い料理のレシピなどを沢山見つける。北欧から太陽を求めて南下して余暇を過ごす人は多いが、わたしはその太陽燦々の場所に住んでいるのだ。太陽ではないものを求めて北へ向かうのも悪くない。エストニアか、どこからでてきたのだろう。わからないけど、夢を現実にしてみるのも面白いではないか。何かの虫の知らせで見た夢かもしれないのだから。数日前まで日本に帰りたい、と母に泣きついてたのに、行き先変更なるか?


Michelina |MAIL