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2009年09月20日(日) |
Jacob's creek |
土曜、パースの友と久々に再開。銀座でランチをしてぷらぷらと買い物、風がいいから一杯飲みたいというわたしのためにすっかり夜遊びが億劫になった友に少しばかり無理をさせて8丁目を散策した。人に薦められた300円バーに行ってみようかとふらふらしていたら、パースでわたし達の行きつけだったAntwerpenを発見。すっかり楽しくなって中に入るも、どうもなつかしい風は吹いてこなかった。一杯やりたいだけだと告げたのに、高級レストランのように20分毎に店員がトリートしにやってくる。ここではワイングラスに注ぐ量を示した白い線をつけたりする100年の恋も冷めるような色気のないことはしてないものの、野放しのパースのAntwerpenが恋しい。支払いを済ませてレシートを見たらテーブルチャージまでされていた。
友は久々にデートした男にときめくも、実は妻子持ちとわかってすぐにさようならしたわりには元気そうだった。慣れっこなのか。彼女のようにあまりにも気の良い女の子は悪い男に騙される運命なのだろうか。休日にパタッとメールが来ないことで怪しいと気付いたという。悲しいが彼女の痛い経験が反射的に疑念を沸かせたに違いない。だってわたしだったら絶対気付かない。
今日も風がいい。用事があって出かけた帰り、よし今夜もワインだとデパ地下へ。他の国のワインにトライしてみたいものの、どれがいいのかわからない。山形のシャルドネイなども興味深いが、日本人の作る美味しいワインを飲んだことが一度もない(美味いかどうかは好みの問題だけれど、どうもさっぱり味で和食に合うようにできているというのがわたし好みではない)。ヨーロピアン顔の店員に、どこから来たのかと聞いたら、日本とアメリカのハーフだが日本育ちのため、カリフォルニアワインすらよくわからず勉強中だと言われたので、諦めて結局無難なオージーのテーブルワイン、Jacob's creekのrieslingを買った。出口で純和風顔なおじさんがカリフォルニアワインの試飲会を催していた。客は誰もいないので、近寄っていったら全部試してみてください、と次々に継いでくれる。美味しい!と言うと、じゃぁもう少しどうぞ、と継いでくれる。それじゃぁ最後はデザートワインで締めくくりましょう、とそこまでいったときにはすでに頭がぼんやりして味もよくわからなくなっていた。
外に出ると陽も傾きかけて少し冷えてきた風が依然気持ちいい。チーズとクラッカーとワインを抱えて、鼻歌を飛ばしながら揚々と家路についた。
2009年09月03日(木) |
海に流した思いと新しい芽 |
Perthのヴァケーションから戻って息をつく間もなく、まだまだアツい日本の夏がわたしを待っていてくれた。お盆休みはビーチ三昧。千葉の守屋海岸や仁右衛門島に繰り出した。ある日は独身男女4人で気ままなドライブをしてビーチに寝転んで過し、ある日は友人とその子供も連れて島内探検。夏を満喫した記念は友とサンスクリーンをいい加減に背中に塗りあったせいでまだらに指の跡などのついた無残な焼け跡。
波の音が一晩中聞こえる民宿にステイした次の朝、早起きしてひとり波打ち際を散歩した。前日、お母さん達は疲れ気味なのかパラソル下でビールを飲んでばかりいたから、わたしが子供達を連れて遊びまわった。夜、大人が飲酒、喫煙をして夜更かししている頃、昼間エネルギーを使い果たしたわたしと子供達は隣の部屋で海の底のような深い眠りにはいっていた。酒に煙草にジャンクフード、健康のことなど気にもとめない友人ほど当たり前のように妊娠して子供を産む。わたしは健康に気をつけてやっと人並み、子供を懇願した結果、喫煙者がリスキーと言われるような子宮の病気にかかった。世の中はなんて理不尽なんだとか卑屈な思いにとらわれることがある。そしてそんなことを考える暗い自分が大嫌い。しかし、それじゃぁ、生まれながら障害を持った人々は何か悪いことをしたからそうなったのかと考えたら決してそんなことはない。世の中は理不尽が当たり前だからその中で自分のハピネスを産み出すしかしかない。本当はそうわかってる。でもたまに色んなことが悲しくなる。先日そんなことをふとハリソンにぶつぶつとつぶやいたら何も言わずにやにやと笑いながら聞いてくれた。手に入らない物は手に入らないから余計欲しいように感じるのかもしれない。自分が手にしているものだけカウントして、足りないものは夢見てもそれが現実にならないことを嘆いて不幸になるべきではない。その朝、卑屈な思いは全部太平洋に流してきた。
9月に入って会社の敷地内にあるおやじ農園の種まきをした。文字通り、おやじが面倒を見てる農園。あとは俺に任せろと豪語したおやじは今日になって種まきしたのは何曜日だったっけか?などと言う。物忘れがひどいらしい。わたしの役目は水をやる日などをおやじに知らせるスケジュール管理ということとなった。もうとっくに子育てを終えたおやじと細々野菜を育てるのもまた小さなハピネスだ。